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【JFA STATEMENT】第14回 組織を強化し、新たな時代へ
2016年01月01日
3年振りの日本開催となったFIFAクラブワールドカップ、アジア勢が躍動
FIFAクラブワールドカップは、欧州代表のバルセロナFC(スペイン)の優勝で幕を閉じました。バルセロナとリバープレート(南米代表/アルゼンチン)の決勝戦は6万6,853人の観客で埋め尽くされ、気迫あふれる最高のゲームに大きな歓声が上がり、選手の華麗なプレーにため息が漏れるなど、スタジアムが一体となる白熱のゲームが繰り広げられました。
Jリーグチャンピオンとして出場したサンフレッチェ広島は、オセアニア大陸代表のオークランド・シティFC、アフリカ大陸のTPマゼンベを破り、準決勝ではリバープレートを相手に引けを取らない戦いを見せました。チャンスがあっただけに決勝進出も期待されましたが、あと一歩及ばず。それでも、アジア強豪の広州を破って世界3位を達成したことは素晴らしいことだと思います。最後まで広島のサッカーを貫き、素晴らしい戦いぶりを見せてくれた森保一監督、選手らの頑張りに敬意を表したいと思います。
今大会は、アジア勢が4強入りし、アジアサッカーの力を見せつけることができた大会だったと思っています。早くも次の開催が楽しみですが、今年こそはJクラブがアジア王者として、さらに上の決勝戦を目指してほしいと思います。今年もJリーグ、Jクラブと連携してAFCチャンピオンズリーグでの活躍をサポートしていく考えです。
オリンピックイヤー、さらなる高みを目指して
ガンバ大阪と浦和レッズの対戦となった天皇杯は、キックオフのホイッスルを待つばかりです。この決戦が終わると、いよいよリオデジャネイロオリンピックのアジア最終予選(AFC U-23選手権カタール2016)が幕を明けます。U-23日本代表は明日、カタールに向けて出発し、13日に朝鮮民主主義人民共和国との初戦に臨みます。若きサムライたちが手倉森誠監督の下でさらに成長した姿を見せ、オリンピックの切符をもぎ取ってくれるものと期待しています。
一方のなでしこジャパンも2月に予選が控えています。2020年の東京オリンピックで金メダルを獲得するためにも、何としてもリオデジャネイロ大会の出場権をつかんでほしい。大阪を舞台に行われますので、是非、多くのファンの皆さんにスタジアムに足を運んでいただき、ホームのアドバンテージを最大限に生かして、再び世界舞台への扉を開きたいと思っています。
SAMURAI BLUE(日本代表)は監督交代などで皆さんにもご心配おかけしましたが、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督の下に強化が進んでいます。アジア2次予選では無敗、失点ゼロでグループ首位につけており、あと2試合を残すのみとなりました。アジア各国も力をつけており、最終予選はこれまで以上に厳しい戦いになるため、さらなるレベルアップが必要です。
そんな中、今年は5年振りにキリンカップが復活し、強豪国との真剣勝負が実現します。今回から4チームによるノックアウト方式でタイトルを争うことになりますが、この大会を制覇し、最終予選での飛躍につなげたいと考えています。
若い世代の育成と強化
U-20日本代表は2007年以降、4大会連続でワールドカップ出場を逃しており、U-17世代も2015年大会のピッチに立つことができませんでした。若手の育成・強化は日本サッカーの喫緊の課題であることから、昨年からJFA主催のU-16世代の国際大会を創設。また、JFA/Jリーグ協働事業(JJP)を立ち上げ、育成年代の指針を明確にした上でJリーグ、47都道府県サッカー協会と連携した若年層の選手強化、指導者養成などを推し進めていくことにしました。サッカー強豪国がそうであるように、多くの人々がサッカーを楽しめる環境を広げ、その広い裾野の中から有能な選手を次々と送り出していく土壌をつくることが不可欠です。47都道府県サッカー協会やJリーグをはじめとする各種連盟と共に、トレセンやJリーグアカデミーの活動推進、指導者の質の向上、国際経験を積む機会の拡大、リーグ戦の推進など多角的に取り組み、日本サッカー発展の基盤をさらに強固にしていかなければなりません。
トップレベルの強化には、選手一人ひとりの「個」の部分をもっと伸ばしていくことが必要ですし、Jリーグは、チャンピオンシップで繰り広げたような激しいゲームをJリーグで見せていくことが求められます。広島やガンバ大阪が証明してくれたように、タイトな日程がパフォーマンス低下の言い訳にはなりません。日常の試合や練習が世界基準にならなければ、世界に出ても強豪と互角に渡り合っていくことはできないのです。アジア最強のリーグになるべく、Jリーグのさらなるレベルアップを期待しています。
組織を強化し、アジアサッカーをリードする協会に
AFCアニュアルアワード2015は、12月23日にAFCから発表された宮間あや選手の女子最優秀選手を含め、日本が最多の8部門で表彰されました(詳しくはこちら)。そのうち年間最優秀協会賞(インスパイアリング部門)、会長表彰グラスルーツ賞、ドリーム・アジア、年間最優秀フェアプレー協会は、サッカーの普及やフェアプレーの推進、アジアサッカーの発展のための活動など地道な取り組みが評価された証であり、日本サッカー協会(JFA)への期待の表れだとも思っています
このコーナーでも度々お伝えしてきたように、JFAは2014年から「JFAリフォーム」と称して、組織の強化に取り組んできました。そして新たに「JFAの目標2030」を設定し、現在、「JFAミッション2015-2022」「アクションプラン2022」「業務プラン2018」に沿って各種事業を推し進めています。
JFA100周年の記念事業の一環として2018年の竣工を目指して進めてきたJFAナショナルフットボールセンターについても候補地が決定。現在、千葉県ならびに千葉市と、整備に向けた調整や基本計画など具体的な話を進めています。各カテゴリー代表の強化の拠点として、また、指導者養成、審判養成、メディカル対応やテクニカルの情報センタ-、研修設備、あるいは、来日した外国チームの練習場といった機能を有する最新のスポーツセンターを目指していきます。
そのほかでは、「ウェルフェアオフィサー」を設置して大会や組織等におけるリスペクト、フェアプレーを推し進めると共に、サッカーの尊厳を守るべく、インテグリティセミナーを開催して不法賭博や八百長の実態を把握し、その予防、対応策などについて関連各所と話し合い、情報を共有しました。
先の評議員会で承認された通り、2016年度の予算は初めて200億円を超え、日本のスポーツ界をリードする組織になりました。次の理事会で次期会長候補者が選出され、3月末にはいよいよ新役員体制が発足します。JFAの理念、ビジョンの具現に向けて組織が健全に、適正に運営されているのか、そういったことをしっかり検証しながら、この財源をサッカー、そしてスポーツの発展に有効に使い、未来につなげていってほしいと思っています。
サッカーファミリーが一丸となってサッカーの価値向上に努めよう
ご存知の通り、FIFA(国際サッカー連盟)関係者の汚職問題で、サッカー界は厳しい状況にあります。
日本では、どのスタジアムでも女性やお子さんが安全に安心してサッカーを観戦できますし、八百長や汚職といった不正もありません。この状態を維持すべく、まずは、我々サッカーに携わる一人ひとりが、サッカーファミリーとして大切にする価値観「JFAバリュー」と、サッカー人としての行動指針となる「JFAウェイ」をしっかり胸に刻んで業務にまい進すること、そして、国内大会からトップの大会まで、全ての大会でリスペクトあふれる最高のゲームが行われること、そういったことをサッカーファミリー全体で共有し推し進めていくことで、サッカーの社会的価値をさらに向上させていきたいと考えています。
今年はオリンピックイヤーで、日本という国や国民性というものが各国メディアを通じて、世界に発信されます。また、FIFAワールドカップアジア最終予選もスタートし、サッカーへの注目度が増します。
2016年も日本サッカーと日本のスポーツのさらなる発展のために、サッカーファミリーの力を結集して取り組んでいきたいと思っております。日本サッカーをサポートいただいている全ての皆様、今年も日本サッカーにご支援、ご声援いただきますようよろしくお願いします。
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