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「チーム内でのMVPは…」ビーチサッカー日本代表・赤熊卓弥選手、奥山正憲選手、大場崇晃選手 FIFAビーチサッカーワールドカップロシア2021準優勝鼎談後編
2021年09月22日
FIFAビーチサッカーワールドカップロシア2021(8月19日~29日)でビーチサッカー日本代表は準優勝に輝きました。ここではチームの主力として活躍した赤熊卓弥選手(ラソアペーゴ北九州)、奥山正憲選手、大場崇晃選手(共にレーヴェ横浜)に、大会で機能した戦術面などについて聞きました。
○オンライン取材日:2021年9月9日
――大会の中でチームとしての戦術や連係が機能した試合や、印象的だったプレーを教えてください。
奥山 セネガル戦は自分の形でプレーできました。アラの選手が高い位置でプレーできていたので、短いパスがピヴォに入ってくるシチュエーションが多くて。茂怜羅オズ選手からパスを受けてオーバーヘッドシュートを決めた場面もその形でしたし、事前練習で取り組んでいたことをゴールに結びつけることができました。
赤熊 僕は決勝のロシア戦で決めた1点目(キックオフのボールを茂怜羅選手が浮かし、赤熊選手がダイレクトでオーバーヘッドシュートした)ですね。田畑輝樹コーチがロシアの試合を分析し、キックオフ時の相手の壁の動きと、それに対してどう対応すべきかを試合前に助言してくれて。それが本当に得点につながりました。
大場 僕も決勝なのですが、今までになかった新しい守備戦術に急きょトライし、それによって崩されての失点がなくなったことが印象に残っています。ビーチサッカーの守備戦術はローテーション、ボックス、2-1-1の3つが主なパターンなのですが、ロシア戦では1-2-1のような菱形をつくりました。フィールドの4人が相手選手の間にポジションを取り、ボールの出所に対して1人がファーストプレスに行くと、後ろの3人がそれに連動したポジショニングを取ります。相手はどの選手も常にプレッシャーがかかっている状態で攻撃をするので、当然ミスも増え、比較的早くボールを回収できました。リスクがありそうで「大丈夫なのかな?」と思ったんですが、いざやってみると面白いようにはまり、相手は明らかに嫌がっていました。
――では、やりづらかった相手はいますか?
奥山 グループステージの時のロシアですね。GKを含めた5人で攻撃を仕掛けてくるので、守備で後手に回るシチュエーションがすごく多く、攻撃に転じた時にはパワー不足になっていました。決勝でその部分を改善できたのは良かったですね。
赤熊 僕もグループステージのロシア戦がすごくやりづらかったですね。ボールを回されましたし、真ん中に絞って守備をしてくるので、日本の攻撃の時には思うようにボールを触らせてもらえませんでした。
大場 僕は意外にもアメリカ戦がやりづらかったです。こちらがピヴォに当てた瞬間に周りの選手が一気に絞ってボール奪取するという戦術を徹底していて、アラもピヴォも苦戦しました。そこで田畑コーチがプランを変更し、GKからいったんアラにボールをつないでピヴォに入れるなど工夫したところ、相手の戦術にズレが生じるという戦術のせめぎ合いが色濃く出た試合でした。
――チーム内でMVPを選ぶとしたら、誰を挙げますか?
奥山 僕にとってのMVPはチーム総務の今井祐樹さんですね。コロナ禍の影響で準備や調整が本当に難しかったと思いますが、なるべく選手にストレスをかけないように働きかけてくれました。本当に頭が下がる思いです。選手を1人挙げるなら大場選手だと思います。常にピッチに立って戦い方を示してくれましたし、スピーディーな展開になればバランスを取り、勝負どころでは点を決めてくれて、すごく心強かったです。
赤熊 僕も大場選手ですね。大会を通じて試合に出続けていたので疲労感は人一倍だったと思いますが、タヒチ戦でチームを救ってくれたゴールなどを考えると“大場さまさま”という感じです。
大場 僕は田畑コーチの偉大さを感じました。前回大会には選手として一緒に出て、そこから立場が変わったんですけど、「選手時代にやりたかったことが逆に今できている」と話していた通り、熱く、それでいて冷静な言動でチーム全体をしっかりまとめてくれました。選手からは赤熊選手を挙げたいです。あれだけゴールを決めてチームに貢献し、自分の力でブロンズスコアラー賞をつかみ取ったので、心から尊敬しています。
FIFAビーチサッカーワールドカップロシア2021
大会期間:2021/8/19(木)~2021/8/29(日)
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