ニュース
なでしこリーグ現役選手6名が参加した公認B級コーチ養成講習会JFA女子コース前期を福島で開催
2019年07月26日
日本サッカー協会(JFA)が主催する公認B級コーチ養成講習会JFA女子コースは、2018年1月に女性だけとして初の講習会を開催し、今回で3度目を迎えます。このコースは、なでしこリーグ1部・2部の選手・指導者だけではなく広く女性を対象にしたもので、今回は6名の現役選手を含む13名の参加者が集い、前期を7月16日から21日までJヴィレッジで行いました。
梅雨の不順な天候の中での開催となりましたが、実技や指導実践では全天候型ピッチなどJヴィレッジの恵まれた環境で実施することができました。通常のB級講習会の内容に加え、Jヴィレッジの東日本大震災から復興までの道のりを上田栄治副社長から話していただく機会もありました。前期6日間を無事に終えた受講生たちには、約半年後の開催となる1月の後期講習会でのさらなる成長が期待されます。
インストラクターコメント
山路嘉人 ナショナルトレセンコーチ/女子担当/東北チーフ/指導者養成インストラクター(ベガルタ仙台)
なでしこリーグの現役選手や指導者が参加した本講習会は、現役引退後のセカンドキャリアへの準備というだけではなく、B級ライセンスコースを受講する事によりサッカーへの理解を促進し、当該選手の競技力のさらなる向上に繋げる事を目的としています。
今回参加した受講生は、全員がサッカーに対する技術、戦術面の理解度が高く、全体的に実技力が備わっていることから、レベルの高い実技のトレーニングとなり、日を追うごとに指導技術のレベルも上がっていきました。1回目の指導実践では、思うように指導が出来ずに戸惑いを見せる場面もありましたが、指導実践の回数や講義を積み重ねる事により、飛躍的にコーチングスキルが向上し、自信と気付きを掴んでいきました。また、指導実践やレクチャーでのディスカッションも活発に意見が飛び交い、受講生同士が切磋琢磨している様子を感じ取ることができました。
受講生からは、「現役のうちにB級ライセンスコースを受講する事により、選手としてのクオリティアップに繋がる」、「サッカーの仕組みが理解できた」などの意見を頂き、本研修会に臨んだ強い情熱と意欲が伝わってきてました。今回の研修会にあたって、充実した環境をご提供頂いたJヴィレッジの皆様、補助プレーヤーとして参加頂いた、ふたば未来高校女子サッカー部の皆様に感謝いたします。
受講者コメント
有町紗央里 さん(マイナビベガルタ仙台レディース)
とても楽しかった。答えを言うのは簡単だが、導くためにこちら側も考えないといけないし、それが伝わったらとても嬉しいと思う。オーガナイズにも意味があって、少し設定が異なるだけでぜんぜん違うトレーニングになってしまうことを実感できたし、分析を間違えると全く別物になってしまうところがすごく面白かった。考えてプレーする人が増えれば、指導者も大変だが、お互いに良いトレーニングを考えられるようになると思うと、ぜひ選手の皆さんにも受けてほしいと思った。
水谷有希 さん(浦和レッドダイヤモンズレディース)
1日の中でこれだけ長い時間サッカーについて考え学ぶことは今までなかったし、様々な経歴のある方とサッカー以外の事も含めて話をする機会もなかったので、とても充実した時間を過ごせました。1人のサッカー選手として、サッカーを学ぶことができました。普段から意図を持ってプレーするよう心がけていますが、自分のプレーを言語化したり、他人の考えを聞いたりすることは年々少なくなっており、サッカーについて再び整理できたので、良い機会となりました。
松林美久 さん(日本大学女子サッカー部監督)
実技、講義、指導実践すべてが自分の財産になるもので、体験した人にしかわからない成長が得られたと思っています。「百聞は一見にしかず」とはまさにこのことで、是非サッカーファミリーの皆さんで共有できたらと思います。指導者として学んだことが多いのはもちろんのこと、沢山の仲間(受講生)との実技や指導実践を通して、選手としてのスキルも向上したと実感しています。指導者を目指す人はもちろん、現役の選手にも、現役中に受講することでたくさんの気づきがあり、指導者との信頼関係をより深めることにつながるのではないかと思いました。