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東京オリンピックスタッフのため、神奈川県サッカー協会が「スポーツ救命ライセンス講習会」を開催
2020年02月20日
日本サッカー協会は、ピッチ上の選手の安全を守ることを第一とした「スポーツ救命ライセンス講習会」と「JFA+PUSHコース」(簡易救命講習会)を2017年から実施しています。「スポーツ救命ライセンス講習会」は、(公財)日本スポーツ協会(JSPO)公認アスレティックトレーナーが資格更新のために保有しなければならないBLS(Basic Life Support:一次救命処置)資格取得のための講習会として認定されています。
2月9日(日)に神奈川県サッカー協会フットボールセンター「かもめパーク」にて開催されたこの講習会には、東京オリンピックスタッフとなる神奈川県サッカー協会トレーナー部会の17名が参加しました。神奈川県サッカー協会では今回を含め3回の講習会を実施し、東京オリンピック参加者全員が受講して本番に備えます。
講習会は熱中症・脳振盪(のうしんとう)などの講義と、心肺蘇生の中でも最も重要な胸骨圧迫とAED(自動体外式除細動器)の使い方を実技で学習し、バックボードによる全身固定・搬送法についても学びました。受講者はAEDの重要性を認識し、日常における突発事案に対して設置場所を意識するなど、AEDへの関心も高まりました。
※AEDのご購入・リースは、「AEDのご紹介」をご覧ください。
※講習会開催希望の団体は、「講習会を開催するには」の[問い合わせフォームはこちら]からお問い合わせください。
コースディレクターコメント
高木博 スポーツ医科学部会副部会長
2月9日(日)に神奈川県FAフットボールセンターにて開催されたスポーツ救命ライセンス講習会に、コースディレクターとして参加しました。JFAスポーツ救命プロジェクトメンバーの福島先生にコースディレクター認定試験官として指導して頂きながら、本講習会を滞りなく実施することが出来ました。今回の受講者は全員が医療に関わりのある職種の上、サッカーの現場で選手をサポートしておられました。本講習会の特徴でもある搬送の実技においては、自分たちの活動に直結することもあり熱心に取り組まれており、質疑応答も活発に行われておりました。今回も講義と実技指導は、神奈川県サッカー協会医学委員会のメンバーにて行いました。救命や搬送の基礎知識と実技の経験をする機会として、本講習会は大変有意義であります。今後も神奈川県サッカー協会として定期的に講習会を開催し、多くのサッカーおよびその他のスポーツに関わる人達に講習して頂ける機会を提供したいと考えております。
受講者コメント
神原雅典 スポーツ医科学部会部員
トレーナー活動を行うにあたり、今までも他団体の救命講習会に参加した経験がありましたが、本講習会では心肺蘇生法やAEDの使用方法だけでなく、熱中症や脳振盪、アナフィラキシーショックといった、スポーツ活動場面で往々にして起こりうる事象に対しての知識・対処法の再確認、また様々な状況でのバックボードを用いた搬送法の実技講習が含まれており、スポーツ現場に即した内容を学習することができ、非常に有意義な時間を過ごすことができました。
心肺蘇生法については、普段用いることが非常に稀なので、頭の中では対応する手順を理解しているつもりでも、定期的にブラッシュアップしていくことの重要性を再認識しました。また、搬送法については今まで講義を受ける経験が少なかったので、バックボードの扱い方、ボードへの対象者の乗せ方、固定方法など基本的な技術を再確認する良い機会となりました。講師の先生方も、現場経験が豊富な神奈川県サッカー協会医科学部会の先生方でしたので、ディスカッションする中で、ご自身の経験談も踏まえた貴重な話をお聞きすることができました。
サッカーに関わる人達には、カテゴリーや選手、指導者、保護者といった立場に関係なく共通して知っておくべきであろう内容でしたので、自分の知識・技術をブラッシュアップしていくだけでなく、現場へ還元できるように普及活動にも携わっていければと感じました。
露木聡史 スポーツ医科学部会部員
私自身は薬剤師であり、サッカーの現場においては、必要性があまり感じられない医療従事者だと思っています。そこで、昨年から、現場にいても何かしら出来るようにしたいと思い、他機関が実施するBLS研修を受講しました。そのBLS研修では、心肺蘇生法、AEDの使い方、Heimlich法の研修を受けました。しかし、たった一度の受講のみでは、いざ現場で遭遇した時にとても冷静には行動できないだろうなと実感していました。更には、サッカーとの結び付きについてはイメージできずにいました。
今回、スポーツ救命ライセンス講習会を初めて受講しました。以前受講した他機関の講習会と異なり、この講習会では、サッカーで起こりうるリスクとそれに対する救命、応急処置、搬送方法を結びつけて学ぶことができ、非常によい経験になりました。また、このような講習会は繰り返し受講し、知識やスキルのブラッシュアップも必要だと再確認できました。
特に印象的だったのが、心臓震盪です。ボールが胸に当たり心肺停止してしまうなどと、今まで考えもしなかったことが実際に起こっている事を知り、今回の講習会の大切さを認識することが出来ました。
今後は、リスク回避するための準備をしていきたいと思います。練習や試合グランドにおけるAEDの設置場所の確認やアレルギー歴の把握、熱中症の対応、胸骨圧迫などのスキルの研鑽をしっかり行い、選手が安心してサッカーをできる環境を作っていきたいと思います。
また、この知識や技能は多くの人が持つことでアスリートが安心してスポーツをすることができ、更にはそのスポーツ自体の価値を上げることに繋がると思います。私も、そういった啓発活動を一緒にしていきたいと思いました。
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