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S級コーチ養成講習会2022 Module2・集中講習③ 受講者レポート Vol.4
2022年06月15日
2021年度はオンラインでの開催となったModule2ですが、今年度は予定通りの日程で高円宮記念JFA夢フィールドにて開催することができました。Module1終了後から約1ヶ月の「間の学習」期間ではインストラクターによるクラブ訪問が行われたほか、多くの課題にも各自で取り組みました。昨年から導入したModule2で実施するプレゼンテーションでは、ヨーロッパで活躍する監督について担当を決め、その経歴や戦術などを調べてまとめ、発表しました。各自で作成する資料は、映像の編集技術も構成も年々クオリティが高くなってきています。
Module2・集中講習③
期間:5月30日(月)~6月2日(木)
5月30日(月) | 午後 | 「Module2 ガイダンス/プロフェッショナルコーチング論」 浮嶋敏(S級インストラクター) 「チームビルディング」 福富慎也(東京電機大学 講師) |
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5月31日(火) | 午前 | 指導実践 |
午後 | 「プレゼンテーション」受講生 「JFAの取組み・普及」 中山雅雄(JFA普及ダイレクター) 「プロフェッショナルコーチング論」 浮嶋敏(S級インストラクター) |
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6月1日(水) | 午前 | 指導実践 |
午後 | 「Japan's Wayを考察する」 影山雅永(JFAユース育成ダイレクター) 「プレゼンテーション」 受講生 |
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6月2日(木) | 午前 | 指導実践 |
午後 | 「プレゼンテーション」 受講生 「プロフェッショナルコーチング論」 石井正忠(ブリーラム・ユナイテッドFC 監督) |
サポートプレーヤー派遣協力:江戸川大学、中央学院大学、筑波大学
受講者コメント
北慎さん(FC東京U-15むさし)
Module1終了後、受講生はそれぞれチームに戻り、自分の課題に向き合いながら実践を積み上げる「間の学習」期間を過ごしました。その間、インストラクターの方々が受講生を訪問するなかで指導実践を行い、終了後にアドバイスをもらうという貴重な機会も得ることができました。
「間の学習」を経て5月30日にスタートしたModule2集中講習③では、受講生たちの緊張もほぐれ、より積極的に参加する姿勢が見られたように思います。
指導実践では、7つのテーマに沿ったトレーニングを実施。監督としての戦術的なコンセプトを、いかに明確に選手に落とし込めるかを意識しながら臨みました。それぞれのコンセプトの違いによって、指導実践後のディスカッションでは、これまでよりも活発な意見が出て議論が深まり、次の段階につながる有意義な時間となりました。
プレゼン実習では、欧州で活躍する監督の人物像や戦術について順番に発表。講義で学んだ「伝える力」を活かしたプレゼンでは、完成度の高い映像を用いて視覚的に伝えたり、抑揚のある話し方で聴く人の心に訴えたりと、受講生それぞれの個性や工夫が見られました。
東京電機大学の福富慎也さんからは、リーダーシップとフォロワーシップによるチームビルディング手法を学びました。「監督のみが決断を行うリーダーシップは、条件によっては有効なマネジメント手法になる。ただし、リーダーである監督の限界が組織の限界になりやすい」と話されました。一方で、「コーチも決断に関わるフォロワーシップでは、リーダーの発想を上回る意見が出てくる。チームとしての力も発揮されやすい」との説明があり、絶対解が存在しないサッカーや予測困難な時代に立ち向かえるマネジメントであることを学びました。
JFA普及ダイレクターの中山雅雄さんからは、「JFAグラスルーツ宣言」についてお話いただきました。サッカーとの出会いや関わりを、多くの人に生涯にわたって提供するための取り組みや、多様なグラスルーツカテゴリーのサッカー環境の整備と充実などについて学びました。すべてのトップアスリートはグラスルーツから生まれていることや、グラスルーツなくして代表の強化なしなど、サッカーを愛する仲間が増えることが、日本サッカーの強化にもつながるという、グラスルーツの大切さを改めて強く感じました。
Japan’s Wayの講義では、受講生が日本人の強み・弱みや、日本サッカーの成長の機会やそれをおびやかす脅威について分析し、様々な角度からディスカッションを行いました。JFAの影山雅永ユース育成ダイレクターは「多くの日本人が海外で活躍しており、日本人選手の能力の高さが証明されてきている。日本がワールドカップで優勝するために、サッカーを取り巻く環境を世界基準に高めることが大切」と話されました。私たち指導者ひとりひとりが日本サッカーのために力を合わせて行くべきであると強く感じました。
プロフェッショナルコーチング論では、浮島敏インストラクターからチームマネジメントについて受講。「監督が、クラブやスタッフ、選手と良好な関係性を保つことは、目標達成に欠かせない要素」との説明がありました。最終日には、鹿島アントラーズや大宮アルディージャでの監督経験があり、現在、タイのブリーラム・ユナイテッドFCで監督を務める石井正忠さんが講師として参加してくださいました。石井さんのお話のなかでも「クラブ、オーナー、スタッフや選手など多岐にわたるチームマネジメントの重要性」や「コーチとして監督を長く支えてきたが、実際に自分が監督になってみると、決断を迫られる回数が格段に増えた。的確な決断をするには、監督としてのコンセプトをしっかりと持っていることが大切」など、貴重な現場での生の声を聞かせてくれました。
今回もインストラクターや講師の方々、また受講生の仲間たちから多くの「気づき」があり、多くの「学び」を得ることができました。充実した時間を過ごせたことに心から感謝申し上げます。
最後になりましたが、サポートプレーヤーとして参加していただいた学生の皆さん、開催にあたりご協力いただきました多くの関係者の皆様に心から感謝申し上げます。引き続きよろしくお願いいたします。
次回は、久保山由清さん(清水エスパルス)よりお伝えします。