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S級コーチ養成講習会2022 Module4・集中講習⑩ 受講者レポート Vol.12
2022年11月11日
Module4も残すところあと2週となりました。指導実践はmodule4で2巡目を迎え、最終試験前最後の実践の場となりました。試験のための実践ではなく、よりよい指導ができるようになるために必要なことは何か、目の前の選手たちのためにできることは何か、受講生とチューターが一緒になって考えディスカッションをしていきました。
Module4・集中講習⑩
期間:10月31日(月)~11月3日(木・祝)
10月31日(月) | 午後 | 「スポーツマネージメント」 原田宗彦(大阪体育大学 学長) 「競技規則とVAR」 東城穣(JFA審判マネジャー Jリーグ統括) |
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11月1日(火) | 午前 | 指導実践 |
午後 | 「フィジカルコンディショニング・実践振返り」 菅野淳(JFAフィジカルフィットネスプロジェクト) 「プロフェッショナルコーチング論」 浮嶋敏(S級チューター) |
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11月2日(水) | 午前 | 指導実践 |
午後 | 「メディア論」 大住良之(ジャーナリスト) 「クラブマネージメント」 鈴木満(鹿島アントラーズ) |
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11月3日(木・祝) | 午前 | 指導実践 |
午後 | 「学校運動部活動と日本のスポーツの未来」 影山雅永(JFAユース育成ダイレクター) 「事例共有」 東城穣(JFA審判マネジャー Jリーグ統括) |
サポートプレーヤー派遣協力:江戸川大学、順天堂大学、千葉サッカークラブ、Wings、明治学院大学、日本体育大学、筑波大学、ソルティーロサッカースクール、和魂サッカースクール
受講者コメント
林雅人 さん(FC今治)
1日目の講義は①スポーツマネージメント 原田宗彦氏、②競技規則とVAR 東城穣氏の講義でした。
スポーツマネージメントではサッカーを含めたスポーツビジネスの特徴から始まり、「行政&企業&地域の3つの柱が時代と共に変化してきている。SDGSや脱炭素、気候変動を考えたスポーツと健康、街づくりが主軸になるスポーツによる地域活性化が重要になってくるであろう。そのために我々が考えなくてはならないスポーツ街づくりなど」について詳しく講義していただきました。価値観とライフスタイルの変化した時代に人間性重視のスポーツマネージメントが必要になってくると実感させられる講義でした。
競技規則とVARの講義では、近代の様々なルール変更についてのレクチャーに加えてオフサイドの映像を使った説明のほか、VARの原理原則と実際の試合映像を活用したケーススタディを行いました。
普段レフェリーがどのような考え方でジャッジをしているのか、実際のVARでの生の声、映像で理解できたことは我々指導者にとって有意義な時間になりました。
2日目の講義は①フィジカルフィットネス 菅野淳氏、②プロフェッショナルコーチング 浮嶋敏氏の講義でした。
フィジカルフィットネスでは10月26日に日本体育大学で行われたフィジカルトレーニング実践を振り返り、GPSでの計測結果とトレーニングの狙いの照らし合わせを行いました。実践で行ったTRは(W-up、スピードTR、中強度有酸素TR、高強度有酸素TR、スプリント持続力)で、オーガナイズの大きさによってフィジカル要素(加減速、心拍数、スプリントの強度など)に影響することを確認しました。世界基準(平均)と比べることは指導者、選手双方にとって良い指標になることも確認できました。
プロフェッショナルコーチングでは指導実践のポイント(スライド、立ち位置)などについてのレクチャーに加えて「チーム編成」についての講義が行われました。Jリーグ、世界の選手、監督の平均年俸の把握やスタイルに合った選手を編成するのに適した人数や選手情報の把握、強化部とのコミュニケーションの重要性を感じました。受講生は来年度に監督をする可能性があるので、そのためのしっかりとした準備が必要と実感しています。
3日目の講義はジャーナリストの大住良之氏による①「マスメディアと監督」、②鈴木満氏による「クラブマネージメント」についての講義でした。
マスメディアと監督では、メディアとは何か、相手が何を求めているのか、また若手のメディア対応やインターネット・SNSなどの知識やメディア教育の重要性に加え、監督としてメディアと接する際にどの様な事に気をつけないといけないかを学びました。その後、実際に監督インタビューの実技が行われ、その難しさや言葉の力・重要さを実感しました。
クラブマネージメントではJクラブの監督・選手の選定と評価についてお話しいただきました。成功した選手や監督の特徴や監督の制定基準、GMと監督の関係性など、今後監督になる受講生にとって現場の生の声が聞ける貴重な時間になりました。
4日目の講義は①学校部活動と未来のスポーツのあり方 影山雅永氏、②審判事例共有 東城穣氏の講義でした。
学校部活動と未来のスポーツのあり方では学校部活動の意義と課題についてレクチャーがあり、今後どの様な段階を踏んで変化していくのか、Japan’s Wayに照らし合わせながら進められました。
我々サッカー指導者もスポーツに関わる人間としてこの様な課題意識を持つことは非常に大切であると考えます。審判事例共有では、実際の判定に疑問がある映像を検証する形で行いました。いくつかの事例のなかで実際の判定と見解をディスカッションし、競技規定の理解とレフェリーがどういった考え方でジャッジをしているのか理解を深めました。指導者として常にレフェリーのジャッジへの理解と敬意を払う必要があると理解しました。
次週は村上和弘さん(ベガルタ仙台)よりお伝えします。