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S級コーチ養成講習会2022 Module4・集中⑪ 受講者レポート Vol.13
2022年11月18日
講習会で最も長い4週にわたって開催したModule4も最終週を迎えました。受講生それぞれが自身の課題と向き合うだけでなく、その課題をみんなで共有して考え、残り少ない大切な時間を過ごしました。
Module4・集中⑪
期間:11月7日(月)~11月10日(木)
11月7日(月) | 午後 | 「プロフェッショナルコーチング論」 森山佳郎(U-16日本代表監督) 「プロフェッショナルコーチング論」 吉田義人(元ラグビー日本代表) |
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11月8日(火) | 午前 | 指導実践 |
午後 | 「フットサル日本代表の取組み」 木暮賢一郎(フットサル日本代表監督) | |
11月9日(水) | 午前 | 指導実践 |
午後 | 「Jリーグアカデミーの取組み」 増本伸弘(Jリーグフットボール本部育成部部長) 「クラブマネージメント」 小原光城(FC東京フットボールダイレクター) 「プロフェッショナルコーチング論」 内山篤(S級チューター) |
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11月10日(木) | 午前 | 指導実践 |
午後 | 指導実践振返り・まとめ ガイダンス |
サポートプレーヤー派遣協力
江戸川大学、中央学院大学、順天堂大学、ジェフユナイテッド市原・千葉アカデミースタッフ、千葉サッカークラブ、Wings、ソルティーロサッカースクール、和魂サッカースクール
指導実践を行うにあたりましては、今年も多くの大学・クラブ・サッカースクールより選手を派遣していただきましたこと、受講生・スタッフ一同、心よりお礼申し上げます。
受講者コメント
村上和弘 さん(ベガルタ仙台)
Module4も最後の週になりました。
初日はU-16日本代表監督の森山佳郎氏と、ラグビー元日本代表の吉田義人氏の講義があり、森山氏の講義では、「日本の育成年代に必要なこと」をテーマにお話しいただきました。選手のルーツの話に始まり、世界のスタンダードの共有、そこに向けて日本のユース年代に必要な要素を話していただきました。基本の質・個人戦術・シュートへの意識・プレー強度などいくつかのポイントを挙げていた中で「主体性・当事者意識」に関してはより深く考えさせられました。「日本の子供たちはコーチに言われないと何もできない」と言われることがあるそうで、自分事ではなく他人事という意識の選手が多いとおっしゃっていました。自分に矢印を向けるとよく言いますが、我々指導者が自分にしっかりと矢印を向けて選手以上に努力し、指導力や人間力を磨き、情熱を持って選手に向き合うことが大事だと感じました。
吉田氏の講義では「矜持」(自分に打ち勝ったものが持つ誇り)という言葉に始まり、“Chance・challenge・change”の3つの“Cha”、心・技・体は心が充実してなければ成り立たないこと、ラグビーの精神「品位・情熱・結束・規律・尊重」などのお話をしていただきました。「強くなるためには指導者は欠かせない」「指導力や情熱が選手を引きつける」という言葉に色々と感じるものがありました。
2日目はフットサル日本代表の木暮賢一郎監督による講義と、アリーナでの実技を体験させていただきました。木暮氏の攻撃モデルの考え方は、守備の原理原則に基づきフリーな選手と優位性を作り出すこと、相手に対してシステムや戦術の下で選手がどうプレーして解決するかなど、サッカーにもつながる貴重なものでした。
3日目はFC東京フットボールダイレクターの小原光城氏、Jリーグ育成部の増本伸弘氏、S級のチューターでもある内山篤氏の講義を受講しました。小原氏には監督に必要な要素やチーム編成のこと、リーダーシップのある選手は特に重要だとお話しいただきました。増本氏の講義では「世界トップクラスで活躍する選手を多く輩出するリーグとなる!」ために、Jリーグの理念に基づいた様々なJリーグアカデミーでの取り組みを紹介していただきました。Jリーグに所属している21歳以下の選手392名中200名が公式戦未出場という現状も考えさせられる話の一つでした。内山氏には日本代表が世界のトップ10になること、また2050年までのFIFAワールドカップ優勝を実現するために、U-17/U-20ワールドカップでチャンピオンになって自信をつける必要性など、目標達成のために育成年代で必要なことなどを話していただきました。継続と一貫性、トップカテゴリーでは結果を求め、アンダーカテゴリーでは育成に重きを置く考えや、日本代表が掲げるアイデンティティ「誇り・覚悟・団結・礼節・責任」は教えるものではなく、自分たちで感じ作るもので、アンダーカテゴリーの代表に招集した選手たちには自分たちで読んでもらっていると仰っていました。初日の森山氏の講義にもつながりますが、選手だけでなく我々指導者も当事者意識を改めて持ち、指導力や人間力を磨く努力を続けて、どのカテゴリーの選手に対しても責任と情熱を持って関わっていかなければならないと感じました。
最終日はチューターの浮嶋敏氏から、これまで取り組んできた指導実践の振り返りや押さえるべきポイントの再確認が行われ、また受講生がグループに分かれて指導実践のテーマについて改めて整理する時間になりました。
S級講習もModule4を終えて大詰めになってきましたが、まだまだ終わりの見えないコロナ禍で、無事に全員がカリキュラムを終えられるように協力してくださるたくさんの方々への感謝を忘れず、努力し続けたいと思います。
次回は、町中大輔さん(ガンバ大阪)よりお伝えします。