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フィジカルフィットネスリフレッシュ研修会「映像を用いたフィジカル測定と分析の演習」を開催
2022年05月19日
5月7日(土)、指導者を対象としたフィジカル測定に関するリフレッシュ研修会を高円宮記念JFA夢フィールドで開催しました。
サッカーのフィジカルトレーニングにおいては、成長段階やケガの状況などの課題に応じたトレーニングの計画と実践ができるよう、目標や課題を意識したトレーニングサイクルを作ることが重要です。そのために、日々のコンディションをチェックするための「測定・評価」が必要となります。今回の研修会では、光電管やジャンプマット等の特殊な機器がなくても、スマートフォンやタブレットを用いて映像を撮影することで簡単にフィジカル測定ができる方法を紹介し、測定及び分析の演習を行いました。
今回は、スマートフォンやタブレットで撮影したスローモーション映像から、跳躍高や通過タイムを算出する方法を紹介し、実際に参加者同士で実践・分析を行いました。グラウンドでは、30m走でのポールの位置や、スマートフォンやタブレットの撮影設定などの測定実施における設定について確認をし、参加者自らが選手役・コーチ役に分かれ測定を行い、撮影した映像から跳躍高や通過タイムを算出する方法について学びました。
講義では、フィジカルフィットネスプロジェクトリーダーの菅野淳氏(U-19日本代表フィジカルコーチ)や矢野由治氏(U-21日本代表フィジカルコーチ)の代表チームやクラブでの経験談を交えながら、サッカーのトレーニングの中でのフィジカル測定の意義や位置付け、実施する際の注意点などを学びました。さらに、映像を用いたフィジカル測定の評価・トレーニングへの活用に関して、動きの評価などを中心にフィジカルフィットネスプロジェクトの谷川聡氏(筑波大学)の話を交えながら学び、5G時代における今後のフィジカル測定のありかたについてそれぞれが考えを深めました。
フィジカルフィットネスプロジェクトでは、現場の指導で求められるテーマについて、今後も定期的にリフレッシュ研修会を実施する予定です。
参加者コメント
阿部響平 さん(大宮アルディージャ)
今回特に学べた点は、映像を用いた測定をすることにより、測定がただの数字比べになるのではなく、その選手は今なぜその数字なのか、修正点はどこなのかということを具体的に学べたことです。特に従来の測定と大きく違う点は映像にすることで言葉だけでは伝えきれなかった動きの違いや修正ポイントの違いを選手個々に具体性を持たせた中で、次へのトレーニングに繋げられるという点は素晴らしいと感じました。また、30m走のスタートも垂直跳びもサッカーの動きに沿ったテストの選択をしている点もとても学びになりましたし、その動きを映像で見ることによりサッカーのための測定に繋がっていくと感じました。 最後に、JFA夢フィールドという環境で実技実践ができたこと、そして、この場所に招集される選⼿を一人でも多く輩出するために今回のことを含め活動で生かせるよう、日々努めていきたいと改めて感じることができました。ありがとうございました。
清水由香 さん(ジェフユナイテッド市原千葉レディース)
半日という短い時間の研修でしたが、内容も濃く、とても勉強になりました。私が指導しているチームでは、毎年フィジカル測定をしていましたが、チームに光電管がないため、光電管のある大学に借りに行ったりと、時間や手間がかかっていました。もう少し簡易に測定をして、日々の選手の変化や改善点を見ながら指導していきたいと思っていたので、今回、パソコンやタブレット、アプリを使ってフィジカル測定ができることを学ぶことができ、とても勉強になりました。研修後、早速個別トレーニングでジャンプ力の測定を行い、選手に評価や改善点をフィードバックすることができました。また、今回の研修で各年代のフィジカルの大切さ、サッカーにおいてのスプリント、方向転換、アジリティの向上など、必要な要素も学ばせていただきました。今後チームのフィジカル向上に役立てていきたいと思います。講師の方々には、とても分かりやすく説明していただきました。チームに帰っても測定できるまで親身に教えてくださり、大変感謝しています。とても有意義な学びの時間でした。