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JFAファミリーフットサルフェスティバル2012 with KIRIN スペシャルステージ in 宮城 7月22日に松島フットボールセンターで開催
2012年07月27日
「JFAファミリーフットサルフェスティバル2012 with KIRIN スペシャルステージ in みやぎ・松島」が7月22日、松島フットボールセンターで行われた。東日本大震災から1年4カ月余、いまだに傷痕が残っているが、20チームが参加、フットサルを通じてスポーツができることの素晴らしさ、家族の絆の大切さを改めて確認した。
宮城県サッカー協会 渡辺秀一フットサル委員長さん
大会の会場となった松島フットボールセンターには天然芝コート、人工芝コート、フットサル専用コート(体育館)があります。人工芝コートは地震の影響で地面が波打ったため、昨年中に整地して人工芝を張り替えました。フットサル専用コートは野球の室内練習場を改装、6月にフロアは完成しましたが雨漏り修理中という状況です。フットサルはもともと体育館の確保が難しく、震災の影響でさらに厳しくなっています。県リーグ(1・2部)は辛うじて開催していますが、当分の間苦労することになりそうです。東北リーグで使用していた古川の体育館が秋ごろには何とか復旧しそうというのが、唯一の明るい話題です。
キリンビールマーケティング(株)宮城支社長 松本克彦さん
キリングループは日本代表をはじめ幅広い形でサッカーを応援しています。今回のイベントはクラブに参加していなくてもみんなが楽しめ、底辺拡大に最適だと感じました。親子連れが多く、ユニホームも華やかで見ているだけでワクワクしました。キリンの工場は昨年の震災でビールタンク4本が倒壊し、製品倉庫も大きな被害にあいました。地元の皆様の「もう一度ここでビールを作ってほしい」という声に押され、今年2月に完全復旧することができました。たくさんの方に復活を喜んでいただき、仙台工場製造のキリン指名をいただいたと聞いています。皆様のご期待にお応えできるように、これからも地元の企業として応援していきたいと思います。
ファミリー賞
大甕(おおみか)SSSは、福島第一原発から半径20㌔以内の福島県南相馬市で活動している。海沿いの町で、県内で津波の被害を最も受けた地域である。参加した子供たちの多くが通う大甕小では、生徒が一人亡くなり、家族が津波にさらわれたり、家が流されたりと重大な被害を蒙った。現在でも仮設住宅に住んでいる人、避難生活を送っている人も多い。
チームは84年に結成、今年で17年目を迎えた。この日は10家族20人がメンバー登録した。それでもまだ人が戻ってきていないという。朝6時に車で出発、2時間以上かけて会場入りした。末永亨代表(36)は「震災後は制約が多くて、活動する場所がありませんでした。その後市に掛け合ったりして、体育館が貸してもらえるようになったのは11月からでした」と話した。 この大会への参加は初めてだった。試合前は「とにかく勝ちたいね」と意気込んでいたが、初戦を落とすとすぐに「思いっきり楽しもう」と方向転換した。20人全員が出場を果たし、大満足の様子。「皆さんに助けられて参加することができました。夏休み最初の日曜日にいい記念ができました」(末永氏)と喜んだ。
フットサル賞
フリースタイルFC(A)は3年連続3回目の出場だった。今回はA・Bの2チームに分かれて参加。Aチームは宮城県古川中サッカー部の二人と小学生一人の3家族7人で編成。原谷宏代表(41)は就任3年目で、部員は約50人いる。この日の合言葉は「プレーも試合後の食事もとことん楽しもう!」だった。
この日は中学1年の鎌田直樹君(DF)と原谷莞汰君(MF)のどちらが初得点を挙げるかでヒートアップ。先制したのは鎌田君。ミドルシュートがポストに当たり、ゴール。「狙い通りで気持ち良かった。今後は中学総体の県代表になりたい」と喜んだ。原谷君もドリブルで敵陣深くまで持ち込み、相手ディフェンスをかわして得点したが「先にやられて悔しかった。もっとレベルアップが必要」とちょっぴり浮かぬ顔。それでも仲良く車で打ち上げ会場に向かった。
フェスティバル賞
S・T・Aは埼玉県越谷市から車で4時間かけて駆け付けた。チームは時田忠義代表(39)の家族5人で「三男の亜詩寿(あしす=小5)が小学生の間は家族単位で参加しよう」と申し込んだ。男ばかりの3人兄弟で柊人君(しゅうと=中3)、剛留君(たける=小6)、亜詩寿君とサッカーにちなんだ名前が並ぶ。
試合は全勝で、3人ともゴールを決めた。3ゴール3点の柊人君は「思うようにできました」、4ゴール8点の剛留君は「もっと決められたと思うので納得ができない」、亜詩寿君は2ゴール4点で「ドリブルもパスもよかった」と三者三様だった。母親の陽子さん(40)は「家族全員で楽しめました。子供たちの成長ぶりも確認できてうれしかった」と心から喜んだ。子供たちに両親のプレーぶりについて尋ねると「まあまあ頑張ったんじゃないですか」と素っ気なかった。
キリンフットサル教室
全試合が終了したあと、少年少女を対象にした「キリンフットサル教室」が開かれ、約100人が参加した。講師は元フットサル日本代表キャプテンで2年ぶりに現役復帰した藤井健太選手(36=湘南ベルマーレ)、元ブラジル「バスコダガマ」GKの古庄亨さん(34)、女子フットサルチーム「ガッタス ブリリャンチスH.P.J」の是永美記さん、菅原佳奈枝さんが務めた。自己紹介の後は藤井が「みんなは4人の先生の名前を覚えているかな」と問いかけ、首をひねっている子には「うまくなるためには集中力と話しを一回で理解することが必要です」と話して聞かせた。また考えながらプレーすることの重要性や見えないところでの努力の必要性も話した。最後は大人対子供のミニゲームで盛り上がった。「1日1日を大切に過ごせば、夢はかならずつかめる」というアドバイスに子供たちは真剣に聞き入っていた。
文・写真提供:日刊スポーツ