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JFAファミリーフットサルフェスティバル2010 with KIRIN スペシャルステージ in 静岡 9月18日にエコパアリーナで開催
2010年09月23日
「JFAファミリーフットサルフェスティバル2010 with KIRIN スペシャルステージ in 静岡」が9月18日、静岡県・エコパアリーナおよびサブアリーナで開催された。県内各地から24チームが参加。サッカーが盛んな静岡県らしく、ハイレベルなゲームやフットサル教室が展開された。
ファミリー賞
ファミリー賞に輝いたのはカルピスホワイト。浜松市の佐藤スポーツ少年団に所属する4年生の子どもたちの3家族を中心に、その友達や矢澤薫コーチ(42)の家族などが参加した。子どもたちはいつも一緒に練習をしているが、お父さんやお母さんはやったことのない人がほとんどだった。 即席チームはぶっつけ本番で臨んだが、結果はなんと3戦全勝。前線は子どもたちに任せて、お父さんはキーパー、お母さんは後方で守りに徹した。子どもと初めて一緒にプレーし、汗を流したことがよほど楽しかったようで、みんなニコニコ顔だった。
そんな姿を見て矢澤さんは「この結果には正直驚いています。きょうはみんなが主役。これでさらに家族の絆(きずな)が強くなったのではないでしょうか」と話した。矢澤さんはお母さんのまとめ役で、静岡県西部社会人フットサルリーグレディースO|30(オーバー30)J1の「SATO FS」の現役選手。守備をしながら、またベンチから指令を出した。長男の優次君(中2)は司令塔兼守備で、長女の七瀬さん(小4)はアシストでチームに貢献した。
この日の得点はすべて子どもたちによるもの。中でも少年団4年生キャプテンの今田黎玖(りく)君はシュートを5本(10点)決めた。「全勝できてうれしかった。しかもすべて完封勝ちでした。将来はサッカー日本代表になりたい」と胸を張り、ほかの子どもたちも「サッカー日本代表を目指す」と口をそろえた。
フットサル賞
フットサル賞はヴィオラ藤枝(藤枝市)が獲得。こどもが同じサッカースクールに通う3家族6人で、昨年も出場。チーム構成はこども3人、大人3人で、作戦は「親がボールを前線に出すので、子どもたちでゴールを決めてくれ」(堀田正隆代表=46)だった。
その言葉通り子どもたちは3試合とも出ずっぱりでコート狭しと走り回った。6ゴールを決めた田中裕也君(小5)は「シュートがよく決まりました。何点でもいけそうな感じでした。目標は本田圭佑選手」。5ゴールの谷沢晃大君(小3)は「最初は足が動かなかった。2試合目から決まるようになった。目標は岡崎慎司選手」と夢を語ったが二人とも「正直言って疲れました」。
堀田代表は「こういう企画に感謝しています。しょっちゅうは大変だけど、たまにはいいですね」と話していた。
フェスティバル賞
フェスティバル賞はフュンフシュリット(静岡市)に贈られた。同じ学校の少年団仲間2家族、7人で参加した。大人4人と小学2年の男の子2人と5歳の男の子1人という顔ぶれ。3カ月前に行われた親子サッカー大会に出場。杉山尚代表(38)は「これで味をしめて今回も出場することにしました。家族で楽しめるから楽しいですね」という。
子どもたちにフルに動いてもらって、大人たちはアシストする作戦。3カ月前の試合はわずか1ゴールだったが、この日は2年生コンビの杉山子竜君と山下陽向君が各2本を決めた。杉山君は「大人との対決で得点できてうれしい」。山下君は「2本目はゴール前に出たボールを、右足で合わせた」と喜んだ。
杉山監督は「前回よりも明らかにレベルアップしていました。子どもも大人も同じ時間を共有できて楽しかったです」と話した。
キリンフットサル教室
昼休みを利用して「キリンフットサル教室」が開かれた。スペシャル・インストラクターは元フットサル日本代表の相根澄氏(37)、約100人が参加した。まず2人で手をつないでの鬼ごっこからスタート。スタッフが歩いたまま追い詰めていくが、スペースを見つけて巧みにかわしていく。続いて2人で手をつなぎ、1人がボールをキープしながらの鬼ごっこ。ボールを持たない人が状況判断してこれも難なくクリア。
慣れてきたところで、相根氏は指導法を変えた。ふだんはこのあとゲーム形式でフットサルの楽しさに触れてもらうのだが、この日は違った。2対2の態勢から相手ディフェンスを引きつけておいてフェイント。抜け出した味方にパスを通してシュートを打つという一段上の練習を行った。
「最初の動きを見て、かなりレベルが高いことが見て取れました。だからプログラムを変更したのです。こちらがいったことをすぐに実践する理解力がすごかった。さすがは静岡県ですね」と感心していた。
キリンビール静岡支社副支社長 南秀明さんとキリンビバレッジ静岡支社長 徳永一さん
協賛のキリンビール南秀明静岡支社副支社長(48)とキリンビバレッジ徳永一静岡支社長(47)がスタンドから熱心にイベントを見守った。同県はサッカーの登録人数が人口比日本一という土地柄。それだけに日本代表を32年間応援し続けている同社の「サッカー=キリン」というイメージがしっかり浸透している。二人は「この地で営業出来ることは非常に幸せなことです」と話した。
南氏は国際試合はよく見ているが、フットサルを見るのははじめて。親子チームが激しくも楽しそうに対決するさまに、見入っていた。「スピード感やテクニックがすばらしかった。親子が一つのチームになって戦うので本当に楽しそう。こんなイベントはなかなかないのでは」と感心した。
徳永氏は現在もグループ会社のフットサルチームに所属して、短い時間ではあるが試合に出場しているという。「とてもいい感じでした。家族そろってプレーしたことで、いい思い出になったことでしょうね。小さい子どもが頑張っているのを見たら思わず手をたたいていました」。
同グループはサッカー全般だけではなく、さまざまな地元イベントも積極的に応援している。「地元の方々に愛されて、製品を手にしていただくことが最高の喜びです」(南氏)と話した。
静岡県サッカー協会 フットサル委員長 鎌田晃司さん
静岡県はサッカー同様フットサルも盛んで、個人登録数は全国で4番目。四つの地域で社会人フットサルリーグを展開。年代別やレディースの活動も活発だ。鎌田晃司県フットサル委員長(58)は「オーバー30レディースは8年目ですが、21チーム、204人が登録しています。50歳以上が19人、最高齢は56歳です。フットサルは生涯スポーツと言えますね」と話す。
6チームからスタート。最初は働きながら、子育てしながらということで「そんな時間はない」と敬遠されたが、今では大変な盛り上がりだという。さらに現在取り組んでいるのは協会への登録者をふやすこと。コートは年々増えているが登録していない人も多い。「有料ですが、登録することで自覚を持っていただけるし、どんな試合にも出ることができます」とPR。底辺拡大を目指している。
来年からはミックス戦もスタートする。Fリーグチームを静岡から出すための対策準備室も立ち上がり、ますますフットサル熱が高まっていく。
文・写真提供:日刊スポーツ