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JFAファミリーフットサルフェスティバル2010 with KIRIN スペシャルステージ in 宮城 7月25日に宮城県サッカー協会松島フットボールセンターで開催
2010年07月30日
「JFAファミリーフットサルフェスティバル2010 with KIRIN スペシャルステージ in 宮城」が7月25日、宮城県サッカー協会松島フットボールセンターで開催された。今年から会場を変更し、人工芝のグラウンドで行われた。燃えるような夏空の下、東北各地から25チームが参加。ゲームやフットサル教室などが行われ、快い汗を流した。
ファミリー賞
ファミリー賞に輝いた蹴球ゴレンジャーは、仙台市の少年団、上野山FCの子ども4人と保護者、コーチの計10人で参加した。日本代表MFの今野泰幸は同チームのOB。責任者の田名部慎さん(36)は「W杯の期間中はことさら盛り上がりました」と話した。
少年団は前日から会場に隣接した施設に泊まり込みミニ合宿、この日は4チームに分かれて試合に出場した。「何か目立ったことをしたい」ということで、お母さんたちはおそろいの赤に白の水玉模様が入ったスカートを着用、大人の男性は同じ模様のネクタイを身に着けて注目された。
この日は4戦して2勝2敗。「みんなが楽しめて親子が同時にプレーできるように」という田名部氏の配慮もあって、各家族は「さらに親子のつながりが深まったような気がします」。
この日5本のゴールを決め大活躍した佐藤侑生斗君(小6)は「絶好調でした」と胸を張った。1年生から右サイドハーフ。フットサルは大会に合わせて年に1、2回練習する程度だが「お互いの動きややり方がわかっているので、戸惑いはありませんでした」と話した。将来の夢はプロサッカー選手か消防士になること。目標とする選手はスペインのセルヒオ・ラモスだという。
母親の小百合さん(45)も子どもと一緒にゲームを楽しんだ。「いいところで決められなくて、白い目で見られました」と言いながらもうれしそう。「初心者だから仕方ないです」と侑生斗君に慰められていた。
フットサル賞
フットサル賞のFF美郷は、秋田県中東部に位置する美郷町のサッカー少年団。今回は3家族10人(子ども7人、大人3人)で参加した。子どもの内訳は幼稚園の年長から中学1年まで。車3台に分乗し午前4時30分に自宅を出発、約4時間をかけて試合場に駆けつけた。
3勝1分けの好成績。越中和範監督(40)は「子どもが主役で大人はしっかり守って、いいパスを出すことに専念しました。勝ちたいという気持ちを持つことは上達につながるのでしっかりサポートしました」と話した。
女子日本代表を目指す越中海瑠さん(中1)はゴールを3本決め、妹の碧海さん(小2)は愛らしい動きで場を和ませた。ストライカーの佐藤佑哉君(小6)はアシストで貢献。大村七哉君(小5)は2本決めた。越中監督は「いい結果も出たし楽しかった。帰りの運転も全く苦になりません」と笑顔を浮かべた。
フェスティバル賞
フィスティバル賞を獲得したビーストは、川本守監督(34)長男の彪雅君(小6)と友人2人、祖母のとせさん(60)の5人で戦った。参加を予定していた監督のお姉さんのおめでたが直前に判明、急きょとせさんが出場することになった。
青森県むつ市から車で約5時間30分かけてやってきた。「私は寝ないで車を運転してきたのでボロボロでしたが、子どもたちが頑張ってくれました」と川本監督。大橋一騎君(小6)が6本、彪雅君が3本のゴールを決め、4戦全勝だった。2人はむつFCの所属で、7月中旬に行われた青森県ヒーローズ杯サッカー大会で優勝したばかり。
もともと大橋君はセンターバック、彪雅君はFWだが、この日は立場が入れ替わった。ともに将来はプロのサッカー選手を目指している。4試合出ずっぱりのとせさんは「足手まといになるのは分かっていたけど、孫と息子のために頑張りました」。
キリンフットサル教室
昼休みを利用して「キリンフットサル教室」が開催された。スペシャルインストラクターは元日テレ・ベレーザ、なでしこジャパンGKの小野寺志保さん(36)で、約100人が参加した。このスペシャルステージで女性が講師を務めたのは初めて。
「私のことをオヤジと呼んでください」と呼びかけると、全員が「?」。実は小野寺を別の読み方にしたもので、それが分かると一気に場が和んだ。まずはグラウンドを広く使っての鬼ごっこ。捕まった人は鬼と、逃げる方も手をつないでゲームを続行。ここではコミュニケーションの大事さを指導した。
続いてドリブルをしながらの鬼ごっこで、笛が鳴ったら近くにいる人とジャンケン。勝った方はどんどん列を長くして行く。逃げ方にもコツがあって「顔を上げてスペースを見つけながら走る」ことをアドバイスした。
シュート練習では、ボールのどこを蹴るかを意識することの重要性やキーパーが止めにくいボールの蹴り方などを伝授した。最後は小野寺さんがキーパーを買って出てPK対決。小野寺氏さん5人中4人のシュートを止めて勝利した。小野寺さんは「この経験をぜひ次につなげてほしい。何事も本気で取り組まないと進歩は望めない」と話した。
キリンホールディングス コーポレートコミュニケーション部広報担当主務 大貫浩嗣さん
「このイベントを見るのは初めて。ファミリーで楽しめるのが素晴らしいし、勝ち負けに関係なく相手のレベルに合わせて笑顔でできる。皆さんレベルが高いですね」と熱戦に見入った。 自身はテニス愛好家、奥さんはソフトボール、長女はバスケットボールと種目は違うが、一家でスポーツを愛している。「皆さんはこの日の試合をビデオカメラに収めて、ご自宅で鑑賞したりされるんでしょうね」と話した。
キリンビールはサッカー日本代表を応援し続けているが、W杯南アフリカ大会前から期間中にかけて量販店店頭キャンペーンを展開したところ、W杯開幕後2週間の売り上げが6%ほど伸びたという。「日本代表の盛り上がりと合わせて、皆様に弊社商品を飲んでいただき感謝しております」。
宮城支社では地元のサッカーチーム、ベガルタ仙台も応援している。飲食店11店とタイアップ。ホーム戦の日は、チケットの半券または年間パスの提示で生ビール1杯無料サービスやうれしい特典をプレゼントする「ワンモア ビア」キャンペーンを実施している。地元チームの話題で盛り上がるようですが「テニスの話ではそうはいきませんね」と笑った。
宮城県サッカー協会理事でフットサル委員会委員長 渡辺秀一さん
新しい会場での開催に満足げだった。ある学校法人から松島市に寄贈された施設で、フットサルコートが6~9面取れる広さで、新たに人工芝を張った。コート外の木陰にはテントを張るスペースもあって、体育館も利用できる。
昨年は23チームだったが今年は25チームが参加。同施設は宿泊設備もあり、夏休み合宿とゲームを楽しむ5チームが出場した。フットサル人口は年々増えているが、専用施設が少なく、体育館もなかなか借りることができないのが現状だという。「いろいろなものを壊してしまうというイメージが強いようです」。そんな中で願ってもないプレゼントとなった。
「最近は1、2部リーグ戦が盛んです。東北リーグに2チームが出て優勝したりもしています、女子リーグは確実にチーム数が増えています。U-14やU-15も含めたランク別の大会も増加中」と渡辺氏。力強い手応えを感じている。
文・写真提供:日刊スポーツ