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神奈川県で医師を集めて初のスポーツ救命講習会開催
2019年02月18日
2019年2月11日(月・祝)、神奈川県横浜市の神奈川県FAフットボールセンター「かもめパーク」で、一般社団法人神奈川県サッカー協会医学委員会の方々を対象に「スポーツ救命ライセンス講習会」が開催されました。
神奈川県には、国内で有数の収容人員を誇る日産スタジアムを控え大規模な国際試合も開催されること、また、2020年東京オリンピックのサッカー競技の開催地となることが決定していることから、世界に誇れる試合運営のメディカル部門を充実させるべく、まずは医学委員会の医師自らが救命講習会で腕を磨く機会を持つため、今回は神奈川県FA医学委員会の医師11名に対しての開催となりました。
本講習会の講義は、スポーツ現場で起こる可能性の高い症例である心臓突然死、脳振盪(のうしんとう)、熱中症、アナフィラキシー、窒息についての予防・対応策を、実技では心停止からの心肺蘇生法とAED使用、頸椎損傷からの頭頸部固定と搬送の方法を行いました。スポーツ中だけではなく、日常生活の中でも対応できる内容となっており、今後は身近な救命講習会としても広く開催をしていきます。
本講習会の合格者には修了証(3年間有効のライセンス証)が発行されます。また、本講習会は、公益財団法人日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナーが資格更新のために保有していなければならないBLS(Basic Life Support:一次救命処置)資格取得のための講習会として認定されています。
※講習会開催希望の団体は、公益財団法人 日本サッカー協会技術部宛にメール(jfa-igaku@jfa.or.jp)にてお問い合わせください。
コースディレクターコメント
福島理文 JFAスポーツ救命プロジェクトメンバー
2月11日(月・祝)に神奈川県サッカー協会主催により、横浜市の「かもめパーク」にてスポーツ救命ライセンス講習会を開催しました。神奈川県サッカー協会医学委員の先生方11名に受講していただきました。講習会では、スポーツ現場で起こりうる心臓突然死、脳振盪(のうしんとう)、熱中症などについての講義と、心肺蘇生法とAEDの使用方法、頭頸部外傷を受傷した場合のバックボード(担架)を用いた搬送の実技を行いました。今日の受講生の皆さんは、今後県内でこの講習会を広げていくことになる先生方であり、講義、実技ともにとても熱心で、多くのディスカッションをしながらの実り多い講習会となりました。本講習会はサッカーに限らず、スポーツに関わる方に受講していただけますので、ご興味をお持ちの方はぜひご参加いただけますようお願いいたします。
講師コメント
高木博 神奈川県サッカー協会医学委員会副委員長
講習会では「脳振盪」の講義を担当させていただき、いつも神奈川県サッカー協会医学委員会で仕事をしている仲間達と、質疑応答の時間などで現場での経験を踏まえた討論が出来たことは、有意義でした。今回は参加者全員が医師であり、サッカーでの現場での経験を基に、講義や実技を今後の経験に活かせるよう真剣に取り組み、とても充実した講習会になったと考えております。今後は、私達が医療関係者以外の方々に、スポーツ救命の知識を広めていくことが必要であると考えます。スポーツの現場で起こることに対応するのは、われわれ医療従事者のみならず、選手、指導者や保護者などの機会が一番多いと思われます。一人でも多くの方が、救命や搬送の基礎知識と実技の経験をすることによって、いざというときに冷静に対応出来るように、神奈川県FAとしても講習会を開催したいと希望しております。今回の講習会がその第一歩になるよう、今後も神奈川県FAのみんなで協力していきたいと思います。
受講者コメント
高橋誠 神奈川県サッカー協会医学委員会副委員長
突然死や脳震盪、熱中症、アナフィラキシーなどについて知識の再確認や新たな知見が得られ有意義な時間を過ごすことができました。また講師の先生方と参加者の熱のこもったディスカッションは大変勉強になりました。講師の一人が我々の同僚の高木先生であったことも緊張せず自由に意見を交わすことができた大きな理由の一つでした。午後の実技はインストラクターのご指導のもと汗をかきながらの真剣なロールプレーをしたお陰でAEDやバックボードの使い方をしっかりマスターすることができました。5時間という時間はあっという間で今回の参加者は皆、有意義で楽しい時間だったと話していました。今後この経験を神奈川県のすべての指導者にフィードバックしていきたいと思います。