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都道府県サッカー協会取り組み紹介‐第3種の取り組み(東京都サッカー協会)
2015年08月03日
各都道府県サッカー協会の方針や活動内容を、「シニア」「第1種」「第2種」「第3種」「第4種」「キッズ」「女子」「フットサル」「ビーチサッカー」「審判委員会」「施設委員会(環境整備)」「技術委員会」「障がい者サッカー」の13テーマの下、紹介しています。全国各地でどのような活動が行われているのか、この機会にぜひご一読ください。
今回も引き続き第3種の取り組みを紹介いたします。
※以下の寄稿記事は、JFAnews2015年7月情報号「REGIONAL NEWS」コーナーにも掲載されています。
第3種の取り組み~東京都サッカー協会
高橋武良 3種委員会 副委員長
《「中学生交流リーグ」を創設して試合の機会を増やす》
東京都の3種では、2013年度の日本サッカー協会(JFA)登録数が、中学校259チーム/8286名、クラブチーム93チーム/7014名でした。これは実際に都内でプレーしている選手の約半数にすぎません(※)。この状況を改善することは、われわれ 3種委員会の長年の願いであり、目標でもありました。
そこで 2014年度、3種委員会が中心となって「中学生交流リーグ」を創設しました。これは中学校でプレーする選手に定期的に公式戦を戦える環境を整備しようという取り組みで、チーム(中学校)の単位を越えて合同チームで参加することも可能にしました。また、サッカー専門の指導者がいない中学校でも、隣接地区や都内全域でサッカー専門の指導者の協力を得られるようにしました。現在の部活動の状況を見ると、各チームで選手を育成しながら試合環境を整えるのは、特に専門でない指導者にとっては負担が大きく、大変なことです。以前は指導者同士が個別に連絡を取り合って練習試合の調整などを行っていましたが、リーグ戦の実施によって 2、3カ月先の予定が組めるようになり、指導者がスケジュールを立てやすくなっただけでなく、選手も試合に向けて目標を持って準備ができるようになりました。
2014年度のJFA登録数は、中学校が309チームと前年から約50チームも増えました。今回のリーグ創設が全ての問題を解決するわけではありませんが、改善のきっかけになることを期待しています。
ただし、まだ課題もあります。最大の課題はグラウンドの確保です。都内の中学校のグラウンドの多くはテニスコート2面分からサッカーコート半面の広さです。クラブチームでも専用のグラウンドを持っているのは数チームしかありません。さらに多くの学校では土曜も授業を実施しているため(私学は毎週、公立は月1、2回)、試合を開催できる日が日曜と祝日に限られてしまう上、他種別の試合日などと重なることもあり、3種委員会だけでは解決できない問題となっています。そこで、2種(特に高校)や1種(特に大学)との連携を図り、それぞれの指導者に選手の強化だけでなくグラスルーツの大切さを訴えて、グラウンドの提供や試合環境の整備(審判員を務めるなど)に協力してもらえる体制づくりを進めていくことが必要です。
ぜひ全国の皆さんからもアドバイスをいただき、東京都の3種年代の選手にできるだけ多くのプレーの機会を提供できるよう努めていきます。ご協力をお願いします。
(※)中学校体育連盟(中体連)加盟 818校のうち、サッカー部設置校は 655校(2015年5月15日現在)
*写真説明:「中学生交流大会」の顧問会の様子