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第62回サッカードクターセミナーを大分で開催
2018年03月19日
全国の医師・歯科医師を対象としたサッカードクターセミナーが3月10日(土)と11日(日)の2日間、大分で開催されました。今回のセミナーでは、1日目は「サッカードクターネットワークをベースにしたスポーツ障害防止プロジェクト~メディカルマネージャー制度」を大場俊二先生に、「高身長女性アスリートのスポーツ医学」を松田貴雄先生に講演をしていただきました。特別講演として、なでしこジャパンの高倉麻子監督には、「なでしこジャパン(日本女子代表)監督が語る、代表チームの体調管理について」をテーマに、トークショー形式で選手時代の経験や、監督としての選手やドクターとの関わり方を講演していただき、約60名の医師・歯科医師の方々が熱心に耳を傾けていました。
2日目は宮本宣秀先生による、「スポーツにおける突然死予防(循環器疾患を中心に)」についての講演に続き、現役のアンプティサッカーの選手である加藤誠氏による「アンプティサッカーを通して」について講演、アンプティサッカーのデモンストレーションをしていただきました。
講演終了後には、大分スポーツ公園だいぎんサッカー・ラグビー場に移動し、アンプティサッカーの体験、選手の皆さんと一緒にサッカーを行い、2日間のセミナーを終了しました。
講師コメント
松田貴雄 先生(国立病院機構西別府病院臨床研究部・スポーツ医学センター)
第62回セミナーが大分県担当で開催されました。初日は成長期障害予防、女性スポーツ医学の講義、ユニバーシアード女子、U-17ワールドカップ男子の帯同報告があり、海外遠征帰国直後の高倉麻子監督のワールドカップ予選(AFC女子アジアカップ)へ向けてのトークセッションが行われました。2日目は突然死予防の講義ののち、障がい者セッションとしてアンプティサッカーを紹介していただきました。実技でも幅広い年齢のドクターに加え、アンプティ選手のプレー参加で交流がはかりました。高倉監督にはワールドカップ予選に向けて熱い思いを語っていただき、また障がいがあってもサッカーに情熱を傾ける方たちに接することで、サッカードクターとして学んでいかないといけないこと、そしてドクターを必要としてくださる方がまだまだいらっしゃることが感じられた2日間でした。
加藤誠 選手(FC.九州バイラオール)
まずは今回このような機会を頂けましたこと誠に有難うございます。これまでもアンプティサッカーの普及活動の一環として講演会をさせて頂く機会がありましたが、今回初めてドクターの方に講演をさせていただきとても緊張しました。内容についても、アンプティサッカーの競技性や面白さだけでなく、これまであまりクローズアップしたことがなかった怪我や病気等のテーマにも触れ、私たちにとっても新たに学ぶ、大変いい機会になりました。質疑応答ではドクターの見識から大変貴重なご意見・ご感想をいただき、昨年のヨーロッパ遠征時にGKが怪我をし、対応に困ったこともあったため、帯同ドクターの必要性を非常に強く感じました。
午後からの実技では、実際にアンプティサッカーを体験していただき、そこでもドクターという立場ならではの感想を聞くことができ、我々選手としても感覚で分かっていたようなことも、その理由を医学的に知ることができ、より一層この競技の奥深さを感じることができました。またチームに分かれての対抗戦に混ぜていただいた際には、講義の時とは別人に思えるほどの動きと、生き生きとした表情のドクターの皆様ととても楽しく交流することができ、「サッカー」という競技の魅力を改めて感じました。今回のセミナーをきっかけに、今後は他の障がい者サッカーを含め、様々な競技とドクターの関係性がより密に、そしてその輪が少しでも広がってくれればと思います。
受講者コメント
千賀佳幸 先生(三重県立総合医療センター 整形外科)
サッカードクターセミナーには今回で7回目の参加になりますが、思い返すと、初めて参加した際は全く知り合いがいませんでした。しかし、参加される方々はサッカーを愛する方ばかりで、さらには懇親会・サッカーの実技もありますので、普通のセミナーと違ってすぐに打ち解けることができました。今では、このセミナーに参加してサッカー関係者の皆様と交流することが毎年の楽しみになっています。講義では、自分の専門科に限らずあらゆる側面からスポーツ医学を学ぶことができるので毎回とても勉強になります。今回は、スポーツ障害防止プロジェクト、女性アスリートのスポーツ医学、スポーツにおける突然死について勉強させて頂きました。また、帯同報告では現場のリアルな状況やメディカルサポートの実際についての話を聞くことができ、そのような仕事に携わっている先生を羨ましく思うと共に、今後自身が帯同する機会に恵まれたら、その内容を活かせればと思いました。
今回の特別公演では、現なでしこジャパンの高倉監督に女性選手特有の対応や監督としてドクターに求めるものなど、日常生活では決して聞くことができない大変貴重な話を聞かせて頂きました。そして、今回の懇親会も参加者の皆様と楽しく交流することができ、素晴らしい時間を過ごすことができました。この懇親会の時間は私にとって本当に貴重な時間です。そんなサッカーを愛する方ばかりですので、実技のサッカーはいつも大変盛り上がります。今回も楽しくサッカーをしながら、より一層交流を深めることができました。また、アンプティサッカーを体験させて頂いたり、アンプティサッカーの選手の方々と一緒にサッカーしたことも大変貴重な思い出になりました。最後になりますが、このような貴重な機会を設けて頂きました日本サッカー協会・大分県サッカー協会の関係者の皆様に深く感謝を申し上げます。
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