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障がいのあるなしにかかわらずみんなで楽しもう! フットサルオープンリーグ関東交流会2018を開催

2018年06月27日

障がいのあるなしにかかわらずみんなで楽しもう! フットサルオープンリーグ関東交流会2018を開催

今年で4回目となるフットサルオープンリーグ関東交流会が、6月16日(土)、千葉ポートアリーナ(千葉県千葉市)で開催されました。

このイベントは、NPO法人日本ソーシャルフットボール協会などが共催、一般社団法人日本障がい者サッカー連盟や公益社団法人千葉県サッカー協会などが後援し、サッカー・フットサルを通じて精神障がい者、ひきこもりの人、そして様々な困難を抱えている人が楽しみや誇りをもって生活できる社会を目指す「千葉『共に暮らす』フットボール協会(トモフト)」が主催しています。

今年はテーマに「ルールを作ろう!」「コミュニケーションの工夫をしよう!」を掲げました。

集まった人がランダムにチーム分けされ、初めて会った人とチームを組み、「新しいルール」を考えます。試合のたびに考えたルールを、対戦相手と何を採用するかを協議して決定するので、ルールはその都度相手によって変わっていきます。

「コミュニケーションの工夫」は主にチーム内で話し合われます。自分から意見を言い出しにくい参加者も多いので、各チームにファシリテーターがつき、参加者の意見交換を促します。ゲームを通じでルールやコミュニケーションの工夫は変化し追加されます。

最初は意見を言える人がリードしたり、なかなか意見の出ないグループもありましたが、ゲームと時間を重ねる中で様々な意見が出たり、笑い合う場面が増え、ゲーム前にルールの協議をする際も、自然とチーム全員が集まっていました。

昼休みには、県立千葉高等学校サッカー部員を交えた通常ルールのフットサル対決、また女子選手同士によるゲームも行い盛り上がりました。

ゲーム終了後、それぞれのチームで、できたことや、もっと工夫すべきことを振り返り、最後にチーム全員での寄せ書きを作りました。全員がうちとけ、自然なコミュニケーションが取れていました。今回のような取り組みで、障がいの種類、性別や年齢、様々な困難を抱えた人も一緒にフットボールを通じて仲良くなれ、より深いコミュニケーションを図った1日となりました。

参加者コメント

山本大聖 さん(県立千葉高校1年)
「フットサルオープンリーグ関東交流会2018」に参加してみて、サッカー、フットサルの持つ可能性を感じることができました。今回のオープンリーグでは基盤となるフットサルのルールから発展させて、みんなが楽しめるような環境をつくるために、ルールを設けることから始まります。性別や持っているブランク、サッカー経験の有無など多様な人が楽しむために、どうルールをプラスしていくか、スポーツの絶対的部分であるルールを変えるという発想自体、最初は想像がつきませんでした。それぞれのチームが持ち寄ったアイデアをミックスして、1回1回の試合ごとにオリジナルのルールでフットサルを行っていきました。人数、ボール数、ワンゴールに入る点数、手によるロングボールのトラップの是非…。1回1回のゲームを新鮮な気持ちで取り組むことができたので、これまで10年近く親しんできたサッカーにも新たな可能性を発見することができました。男性と女性、健常者と障がい者、若者とご老人のようにたとえ置かれた立場が違うとしても、「サッカーが好きである」という共通した気持ちがあれば、そんな些細なことは乗り越えて繋がれると、確かにこの体験から感じられました。事実イベント中、僕はプレーに熱中し、心から楽しむことができました。

今日感じたサッカー、フットサルの人と人とを結ぶ力を忘れずに、これからも日々部活動やサッカーに対する探求を続けていきたいと思います。本日はこのような意義あるイベントに参加させていただき、本当にありがとうございました。

参加者コメント
今回のフットサルオープンリーグではチームで色々なルールを決めました。色々なチームと対戦したことが面白かったです。それは相手チームの考えたルールと自分たちのチームが考えたルールで違いがあったからです。相手チームは頭より高いボールに対して手を使ってプレーしてよいというルールがあったり、女性がボールを保持しているときに男性は歩くことしかできなかったり、色々なルールが考えられていて面白いと思いました。

もう一つ面白かったことは、昼休みに高校生たちがコートでフットサルを始めたりするなど、そういう普段の生活にはないものを見ることができたことです。普段接することのないカテゴリーの人たちと過ごす時間はとても新鮮でした。

7時間以上の時間をアリーナ、オープンリーグのこの空間で過ごしましたが、時間がとても短く感じました。今回は5試合、全10チーム中5チームとゲームをしましたが、全てのチームと試合をできたらもっとよかった、総当たり戦であったらもっと良かったと感じました。普段もこれくらいの時間は何かをしていますが、いつもと比べてあっという間の時間、密度の濃い時間でした。

ファシリテーターコメント

原田洋行 さん
私が競技性フットサルであるソーシャルフットボールを始めて7年目。フットサルオープンリーグ関東交流会(以下オープンリーグ)に参加を始めて3年目になります。年々ソーシャルフットボールの参加者は増えています。千葉県内でも活発に試合や交流会が行われるようになってきました。その中でも、『障がいの有無にかかわらず交流し楽しもう!』が主旨であるオープンリーグは、ソーシャルフットボール日本代表の私としても毎年注目している大会です。

今回も千葉県立千葉高等学校サッカー部の一年生を始めとした皆様、医療従事者及び様々な障害を抱えた当事者達の三者が非常に楽しめる内容になっておりました。番号によってチーム分けされた参加者たちがルールを自分たちで相談して作りあげる試みが面白かったと感じました。具体的なものを挙げると、①ハンドトラップ(手を使ってトラップしてもハンドの反則を取られない)。②女性の得点は2点扱い。③全員全試合出場させなければならない。の3つのルールが特に楽しめました。また、私はこの3つのルールによって『障がいの有無にかかわらず交流し楽しもう!』の趣旨が達成に相当程度近づいたように感じました。①は、技術的に自信のない方向けに考案したルールでしたが、経験者でもヘディングの届かない高さのボールのトラップに使えたり、なかなかにテクニカルなルールでした。②は、男女分けされていないソーシャルフットボールで体格に差のある両者の得点能力を近づけるルールでした。③は、技術差による出場時間の格差を平準化し、健常者サッカーでもありがちなレギュラーの選手とベンチの選手の温度差を軽減するルールでした。この様に3つのルールはそれぞれに目的があり、経験の差、体力の差、及び熱意の差といったものを埋めていきました。お気づきの方も居るかもしれませんが、それこそがまさに精神障がい者と健常者のありがちな差になります。それを埋めるために両者が話し合いルールを決める。その結果、皆が楽しめる。現実社会では『必要な配慮』という言葉で当たり前に行おうとしている事です。サッカーでも『必要な配慮』のある分野があってもいいのではないか。そのように私は考えます。

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