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【j-futsal連動企画】キューポラの町・川口でフットサルを通した心地よい第3の居場所づくり
2018年10月26日
日本サッカー協会公式エンジョイフットサル総合サイト「j-futsal」では、様々なフットサル情報をお届けしています。今回は“きゅぽらスポーツコミュニティ”の活動を紹介します。
古くから鋳物の町として栄えた埼玉県川口市。かつて鋳物工場の屋根から突き出したキューポラと呼ばれる煙突が多く見られました。そんな川口の町のシンボルともいえるキューポラから名付けられたのが、 “きゅぽらスポーツコミュニティ”です。
きゅぽらスポーツコミュニティが活動を始めたのは2011年のこと。スポーツを通じて地域の人たちが交流を深める場を目指し、代表の石井邦知さんが一人で立ち上げました。石井さんが学生時代を振り返りながら設立のきっかけを話してくれました。
部活の引退後に、気軽にスポーツを楽しめる環境がなかった
「高校まで野球をやっていました。強豪校ではありませんでしたが、土日も休みがないようなところでしたから、いざ引退をしたとき、もちろん受験勉強はしないといけないのですが、どう身体を動かせばいいのかと考えてしまいました。スポーツをやろうと思っても参加する場所がなかったのです。今、自分は30代ですが、当時は個サルのように気軽にスポーツを楽しめるところもありませんでした。」(石井邦知さん)
こうしたスポーツに対する想いを胸に抱きながら大学に進学した石井さんは、都市計画を専攻したこともあり、希薄になった地域のつながりや地域経済が縮小する課題を“まちづくり”を学ぶ中で感じたといいます。
「大学では、『どうしたら地域が盛り上がるのか?』を考えたのですが、学校の勉強だけでは机上の空論でした。もともとスポーツ全体が好きだったこともあり、スポーツを通じた地域貢献を考えていたのですが、提案だけで終わってしまうのではなく、実際に自分で取り組んでみたいと思うようになっていきました。」(石井邦知さん)
やがて、石井さんの頭の中にあったアイデアが少しずつ具体化され、いよいよ、きゅぽらスポーツコミュニティとして形になったのです。
家庭と会社や学校以外の3つ目となる居場所を目指して
そんな、きゅぽらスポーツコミュニティが大切にしているのが“サード・プレイス”です。
「川口のようなベットタウンの町は、地域のつながりが希薄になってしまいますが、家庭とも仕事場とも違う心地よい第3の居場所を地域につくることで、地域の繋がりを作ることができます。そのためのアイテムになる力がスポーツには備わっています。
社会人になると仕事以外の関係で人と知り合う機会も減ってしまいますが、きゅぽらスポーツコミュニティのような、誰もが参加できるスポーツ(フットサル)であれば、様々な業種や世代を超えた交流ができます。フットサルという共通の楽しみがあるからこそでしょうね。」(石井邦知さん)
平日夜のフットサルは仕事の活力剤
j-futsalの取材当日は火曜日の夜8時から開催されるフットサルのイベント日でした。平日ということもあり、参加者の多くは出先から直接フットサルコートに駆けつけた様子で、作業着のままだったり、スーツに革靴だったり、あるいは学生服の高校生もいたりしました。そこで参加者の声を聞いてみました。
「自分のチームでも週に1回はボールを蹴っているのですが、もっとフットサルがやりたくて、ここ(きゅぽらスポーツコミュニティ)にも参加しました。うちのチームはもう少しハードなのですが、ここは和気あいあいと楽しくプレーできますね。みなさん優しいですし、和気あいあいとしているので、毎回来たいと思ってしまうのでしょうね。」(小松利彰さん)
小松さんは、常連メンバーの一人です。平日の夜で仕事の疲れはあっても、フットサルでストレスを発散させて、次の日の仕事もがんばれるのだと明るく語ってくれました。
初対面でも和気あいあいになれる場所
「ここ(きゅぽらスポーツコミュニティ)は、チームではないけれどまとまりがあるんです。個サルとの違いは参加者同士で交流があるところです。いろいろな人が来ます。初めての人もいるし、よく来る人もいますけれど、不思議とまとまりがあって、チームと個サルの中間に位置するような感じでしょうか。ちょうど良い人間関係ができます。そういうところが面白くて通っています。」(城間健市郎さん)
城間さんも常連メンバーです。ときどきフットサルが終わってから飲み会もあるようで、初対面や顔見知りに関係なく一緒になって盛り上がれるのも、きゅぽらスポーツコミュニティの魅力だと言います。
苦手だったスポーツが楽しいと感じる環境
「それほど運動神経が良いとは思っていなかったので、これまでは観戦専門でプレーするのは苦手でした。ただ、ここ(きゅぽらスポーツコミュニティ)では楽しむことができているし、気が付いたらもう100回を超えていましたね(笑)。フットサルをするようになって川口の知り合いや仲間が増えました。プライベートが充実して楽しくなりました。自分にとって第3の居場所になっています。」(藤田大介さん)
そう話すのは、きゅぽらスポーツコミュニティのフットサルの最多参加記録を持つ藤田さん。この日は、胸トラップからのボレーシュートを放っていたのが印象的でした。
参加者たちはフットサルのプレーを思い思いに楽しんでいましたが、参加者たちがより楽しめる工夫もあるようです。石井さんがこう話します。
「初参加の方がいらっしゃることも多いので、参加者名簿を配布するなどコミュニケーションがとりやすいように工夫しています。また、メンバー構成によって変更することもありますが、基本的にはゲーム時間を長めにとり、初心者の方も経験者の方も一緒になって楽しめるようチーム分けを工夫するようにしています」
スポーツを通じて地域の人たちが交流を深める場を――。キューポラの町・川口に心地よい『第3の居場所』があります。
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