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障がい者サッカーの歴史的一戦が実現
2015年05月13日
知的障がい者サッカー日本代表とろう者サッカー日本代表・東日本選抜のエキシビジョンマッチが5月5日(火・祝)、東京京浜ロータリークラブ主催のもと、東京都品川区の大井ふ頭中央海浜公園陸上競技場で開催されました。知的障がい者サッカーとろう者(聴覚障がい者)サッカーの対戦は、これまでも様々なレベルで行われたことはありましたが、両団体が正式に代表チームを編成しての試合は初めてとなりました。
知的障がい者サッカー日本代表は、国際知的障がい者スポーツ連盟(Inas)が開催する世界大会を目指して編成されるチームで、昨年のブラジル大会では16チーム中4位に入賞しています。対するろう者サッカー日本代表は、国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)開催のデフリンピックを目指すチームで、2013年にブルガリアで行われた前回大会では19チーム中14位でした。
試合に先立ち、濱野健(はまのたけし)品川区長が、「品川区ではブラインドサッカーの試合も開催されており、障がい者スポーツの拠点になればいいなと考えております」と挨拶し、選手を激励しました。また、選手入場の際は、拍手とともに手話を使って選手を送り出す姿も見られました。
ルールやピッチサイズ、ボールは11人制サッカーのものがそのまま適用され、試合時間は40分ハーフで行われました。主審は、FIFA U-20ワールドカップニュージーランド2015に選ばれている国際副審の山内宏志氏が務め、片方の手に笛を、もう片方の手に旗を持って、ファウルが起こるたびに笛と旗を使って選手に知らせました。
試合は前半に知的障がい者サッカー日本代表とろう者サッカー東日本選抜、後半は知的障がい者サッカー日本代表とろう者サッカー日本代表が対戦し、前半2-0、後半2-1でろう者サッカー日本代表・東日本選抜が歴史的な一戦に勝利しました。
監督・選手コメント
小澤道晴 知的障がい者サッカー 日本代表監督
平均年齢19歳の新チームになっての一試合目で、合宿最終日で疲れもある中、いい試合ができました。ろう者のチームとの対戦は初めてでしたが、ハーフタイムで我々は何ができるかを考え、後半は意識して声出しをするようにしました。観客のいる場での試合機会は貴重なので、2018年の世界大会に向けて良いスタートが切れました。
山内康勝 知的障がい者サッカー 日本代表キャプテン
初めて、ろう者のチームと対戦しましたが、プレスも強く想像以上に強かったです。前半と後半で相手のメンバーも変わったので、いちから集中して後半に臨みました。
植松隼人 ろう者サッカー 日本代表監督代理
試合が決まってから、どんな試合になるかとずっとドキドキしていました。思っていたとおり本格的で、思っていたより感動的な試合になりました。選手にとっては、プレーを観てもらえて嬉しかったと思いますし、「観られる嬉しさ」を感じたと思います。緊張感のある試合になり、知的障がい者日本代表も聴覚障がい者日本代表もともに良い試合を見せてくれ、ずっとワクワクしながらベンチにいました。
細見尚史 ろう者サッカー 日本代表キャプテン
お互い力の限り戦うなかで自分たちのサッカーを表現できました。機会があればぜひまたやりたいです。多くの人に、自分達がこうやってサッカーをやっていることを知ってもらいたいです。そして、聴覚障がいの子どもたちに代表を目指してもらえるようになっていきたいです。
松本弘 ろう者サッカー日本代表
身体能力はそれほど変わりませんが、プレーのやり方が違うなと感じました。相手チームと比べ、我々の方が、年齢が高く経験値も違っていたのかなと思います。今回の機会を通して知的障がいの方々も聴覚障がい者も頑張っていることをより多くの人に知ってもらいたいです。我々だけでなく、障がい者サッカー全体を皆さんに知っていただけるようにしていきたいです。そういう目標が、今後の糧になると考えています。