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フットサル場からパラリンピック復活を目指す取り組み ~年齢も性別も国籍も障がいの有無も関係なく~
2016年03月01日
7人制サッカー(CPサッカー)は、1984年からパラリンピックの正式種目として採用された、脳性麻痺、脳卒中などの脳血管障がい、脳外傷や頭部外傷により身体に麻痺を持つ選手によって行われる障がい者サッカーの一種目です。11人制サッカーのルールをもとに、ピッチやゴールのサイズを小さくし、オフサイドをなくし、スローインの代わりにアンダースローでの再開が認められています。脳性まひの程度が競技パフォーマンスに与える影響に応じて、競技のクラスが分かれています。
このCPサッカーを通したダイバーシティ&インクルージョン(一人ひとりの違いを認めあい、一緒に考えること)の取り組みの一環として行われた日韓交流のフットサル大会「エスペランサ・サッカーフェスティバル」が、2月20日、東京都江東区の「フットサルクラブ東京 豊洲テントドーム」でに行われました。フェスティバルでは、CPサッカーの日韓交流試合「TOKYO SEISHO CUP」とサッカー元日本代表の選手らも参加したワークショップなどが行われました。
フットサルクラブ東京 豊洲テントドーム
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日韓交流試合には、韓国からCPサッカーチーム「ゴムドゥリ愛の会」を招待。チームの来日をサポートした、東京韓国青年商工会のチームとともに、4チーム総当りの試合を行いました。その後行われたワークショップには、交流試合に参加しなかった子どもも加わり、サッカー元日本代表の小島伸幸さん、名良橋晃さん、フットサル元日本代表の相根澄さん、元プロサッカー選手の奥野僚右さんの指導のもと、しっぽ取りゲームでウォーミングアップを行い、グループごとにドリブルやシュートなどに挑戦。最後はインクルーシブサッカーと称した、性別や障がいの有無などに関係なく一緒のチームでプレーする試合の時間が設けられました。フェスティバルの運営には、早稲田大学ア式蹴球部の皆さんが協力しました。
CPサッカーはブラジル・リオデジャネイロで行われる今年のパラリンピックを最後に、正式種目から外れることが決まっています。関係者は、CPサッカーを競技として世界的に普及させ、夢や目標の舞台であるパラリンピック正式種目への復活を願っています。今回のフェスティバルを主催したNPO法人「サッカー&ライフエスペランサ」は、神奈川県で活動するCPサッカーのチームです。エスペランサが韓国との交流を持ったきっかけは、日本国内にCPサッカーの情報がない中、1988年に行われたソウルでのパラリンピックを契機に発足した韓国初のCPサッカーチームであるゴムドゥリ愛の会の存在を知ったことからでした。その後エスペランサはゴムドゥリ愛の会との交流を続け、チームの活動は広がっていきました。4年前からは韓国から日本への受け入れが始まり、3年前からはエスペランサの「子どもたちの夢を大切に育て、身体的格差がチャレンジ精神の格差にならない社会を目指す」という理念に共感した「東京韓国青年商工会」がこのフェスティバルを支援しています。
フェスティバルの最後には、障がいの有無、性別、年齢、国籍が異なる人達が一緒のチームになって交流する「インクルーシブサッカー」が行われました。一つのサッカークラブの取り組みが、多様性を認めあう社会の実現を願う多くの方々を動かしています。CPサッカーの普及とパラリンピック種目への復活の動きが、フットサル場から広がっています。
コメント
早稲田大学ア式蹴球部監督 古賀聡 さん
学生にはサッカーだけでなく、地域や社会のためになる活動の大切さを伝えています。活動への参加は志願制で、今日は怪我で出られない選手が中心でしたが、試合に勝つだけでは何の意味も無い。勝つことで社会にいい影響を与えることに意味があると思っています。最近では、地域の皆さんも蹴球部の活動を応援してくださるようになりました。
元フットサル日本代表 相根澄 さん
障がいの有無にかかわらずに一緒にできることはすばらしいことですし、それに加えて韓国からこのために来日し一緒に交流ができているということで、あらためてフットボールのつながりの持つ意味の大きさを感じることができました。これまでフットサル選手がこういったイベントに参加しているという話を聞いたことはありましたが、なかなかチャンスがなかったため、今回は参加できてとてもよかったです。私も東北全体でフットサルを通した活動を行うこともあり交流を継続することでこういった活動を広げられればと思いますし、フットサル場で行われていたという縁もありますので、これからも協力していきたいです。
韓国青年商工会会長 洪正敏(ホンジョンミン)さん
みなさん、こんにちは。当会がこの大会に関わるようになったのは、3年前からだったと記憶しています。約4年前にCPサッカーの日韓交流大会があると聞いた時には、びっくりしました。本来であれば、私達のような団体が両国の架け橋となって、韓国のチームを呼ばなければならないところ、エスペランサ代表の神さんが中心となって動いていただいているというお話を聞いた時には、大変感銘を受けたことを覚えています。そして、いまでは私達の会がこのイベントに協力出来ていることを嬉しく思っています。
NPO法人サッカー&ライフエスペランサ
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