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フットサルを通じてソーシャルインクルージョンを!「フットサルオープンリーグ交流会2016」を開催
2016年08月24日
精神障がい者・ひきこもり・不登校等の方々へのフットサルの活動普及・推進を行う千葉『共に暮らす』フットボール協会が7月17日(日)、千葉ポートアリーナ(千葉市)で「フットサルオープンリーグ交流会2016」(後援:千葉県サッカー協会、日本ソーシャルフットボール協会)を開催しました。
このイベントは、「障害の有無に関わらず共にフットサルを楽しめる方ならどなたでも」という参加条件のもと、様々な方がフットサルを通じた交流を通してソーシャルインクルージョン(※)を実践することを目的とし、当日は精神障がいを抱えた方や支援施設スタッフ、医療従事者、ひきこもり経験者、高校のサッカー部員など総勢約100名が参加しました。
交流会には、精神障がいフットサルチームが複数参加。くじびきにより、既存チームの垣根を超えたミックスチームを10チーム結成しました。まずは初対面のメンバー同士で自己紹介し、チーム名とリーダー、チーム目標決定のためのミーティングを行い、その後、フットサルゲームを実施しました。
昼休みには40歳以上の選手と女性による特別ゲームも実施し15名が参加しました。ゲーム終了後は目標の達成具合とチームのキャッチフレーズについて話し合って発表してもらい、最後にチーム内で寄せ書きを行いました。
※ソーシャルインクルージョン:「社会的包摂」。障がいのある方々が社会から隔離排除されるのではなく、社会の中で共に助け合って暮らしていこうという考え方。
参加者コメント
永井淳一 さん
私は初対面の人たちと関わるのが苦手です。相手がどんなバックグラウンドをもった人物か、わからないからです。しかし、一つのボールを皆で無心になって追いかけているうちに一体感が出てきました。フットサルのパワーを感じました。そして、バックグラウンドなんて関係ないことに気づきました。昔からワールドカップやオリンピックなどはバックグラウンドの同じ「国」や「地域」で分けられてスポーツが大々的に行われてきました。今回の交流会のように障がいの有無に関係なく、多様な人々が集まりスポーツを一緒になって楽しむことは、言葉や人種、国境を越えていく力があると感じました。交流会を通じて、フットサルは私にとって、人と人を結ぶ架け橋のように感じられました。
主催者コメント
降屋守 さん(千葉『共に暮らす』フットボール協会 副理事長)
わずか数時間一緒に同じチームとしてプレーしただけでメンバー同士が打ち解けあい、その思いが寄せ書きに現わされ皆さん感激した様子が見られました。主催者側も本当にやってよかったと感じられる会となりました。精神障がい者やひきこもりの中にはその特性や背景からコミュニケーションを苦手とする人もいますが、フットサルを通じてグループワーク形式で話し合いと交流を進めていく今回の様な形を「コミュニケーションフットサル」として今後も継続していくことで障害の有無に関わらない交流を促し、ソーシャルインクルージョンの理念を普及していきたいと考えています。
中津乃 さん(交流会実行委員)
私は本フットサル交流会の実行委員として、出会ったばかりの参加者で編成したその日限りのチームでファシリテーター(司会進行)を務めました。最初の話し合いの中で、「チームみんながフットサルを楽しむためにはどうすればいいでしょう?」という私の質問に「一人ひとりがチームメンバー全員にパスをしよう!」「そのためにニックネームを呼び合いながらパスをしよう!」という目標を共有しました。いざフットサルゲームが始まると、次第にそれぞれのチームの特色が形成され、最後の振り返りの時にはメンバー全員にパスをするという自分たちのチーム目標も達成できており、一期一会チームとは思えない一体感を得ました。また、実行委員の私たちのコンセプトは様々な人を隔てることなく、みんなで楽しむことでしたので、私もチームメンバーの一人として夢中にプレーすることができました。チームみんなに感謝しています。