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ずっとEnjoy♫ みんなPlay! だれでもJoin♪ ドイツに学ぶ 心を育てる総合型スポーツクラブ(JFAnews2016年12月情報号より転載)
2017年01月11日
日本サッカー協会機関誌『JFAnews』2016年8月情報号(No.388)から「JFAグラスルーツ推進・賛同パートナー」連載がスタートしまた。その第4回目として12月情報号(No.392)に「引退なし(ずっとEonjoy♫)」「補欠ゼロ(みんなPlay!)」「障がい者サッカー(だれでもJoin♪)」賛同パートナーである特定非営利活動法人 春日イーグルス(福岡県春日市)の活動が紹介されました。
■JFAnews2016年12月情報号(No.392)より転載 ■情報提供:サカイク、大塚一樹
福岡県春日市で活動している春日イーグルスは、地域に密着した総合型スポーツクラブだ。1980年に小学生を対象としたサッカー教室からスタートし、卒業生にサッカーができる環境を整えていく中でジュニアチーム、ジュニアユース、ユース、社会人と組織ができあがっていった。
小学生年代だけを見ても市内10校の子どもたちが所属するなど、春日市内を幅広くカバーしている。今では女子、シニアなどのカテゴリーに加え、バドミントン、3B体操教室、走り方教室なども行っている。クラブから巣立った卒業生のうち6人が、現在、強豪校ひしめく福岡県内の高校チームでキャプテンを務めているという。
イーグルスの育成方針について、「大切なことは子どもたち一人ひとりの成長」だと話す井上恵悟会長。その背景にあるのは、ドイツのケルン体育大学に留学しているときに感じた“サッカークラブのあるべき姿”におけるドイツと日本との違いだ。「少年サッカーもフィロソフィーがないと、競争ばかりに目が行って、勝った、負けたと、その瞬間だけにとらわれる。ドイツはそうではなかった。サッカーのあるべき姿があった」(井上会長)。
帰国後、イーグルスに関わるようになってからは老若男女、地域のすべての人々が関われるコミュニティーを形成しようと奔走した。「百聞は一見にしかず」ということで、まずは地域の人たちやコーチを連れてイタリア、オランダなどヨーロッパ各国に研修に行った。ある小さなクラブで、寒空の下での練習を終えた少年たちに地域の人々が温かい飲み物を提供する光景を見た井上会長は「これが本来のスポーツのあり方、クラブ文化じゃないかと思った」と話す。
井上会長の熱意に促されるように、年々クラブは大きくなり、今では1000人を超えるクラブに成長した。その活動はサッカークラブの枠組みを超え、総合スポーツクラブとして、地域コミュニティーや教育にも深く関わることになる。
その一つが、春日市からの依頼で行っている不登校の中学生を対象としたスポーツ活動だ。「不登校の問題は居場所をつくると言うことが解決の糸口。クラブがそのきっかけになる可能性はあると思うんです」と井上会長。サッカーだけではなく、さまざまなレクリエーションを提供しながら、「無理強いするのではなく、楽しそうだなと思ったら来てみてよというスタンス」で取り組んでいる。
「私たちの願いはイーグルスを通じて『心が育つ』ということ」と言う井上会長は、こうも続ける。「手段はサッカーでも何でもいい。子どもたちの“居場所”をつくってあげることが、イーグルスが地域に果たす役割なんじゃないかと思っているんです」。健全なる精神は健全な身体に宿る――。その逆もまた真なり。イーグルスは地域に密着したクラブとしてこれからも春日市に欠かせない存在であり続ける。
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