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日本のグラスルーツサッカーの好事例を共有 ~「JFAグラスルーツ推進・賛同パートナーカンファレンス2019」を開催~
2019年12月10日
日本サッカー協会(JFA)は12月8日(日)、JFAハウス内の日本サッカーミュージアム・ヴァーチャルスタジアムで「JFAグラスルーツ推進・賛同パートナーカンファレンス2019」を開催しました。
カンファレンスの冒頭で田嶋幸三JFA会長より「スポーツには、トップアスリートだけでなくグラスルーツの選手でも様々な感動を生む力があり、グラスルーツをしっかり行っていくことは日本サッカーの価値を高めることにも繋がると思います。全国のサッカーファミリーと一緒に、一人ひとりの生活にスポーツがある社会を作っていければと思います。」とグラスルーツの発展に期待を込めた挨拶があり、中山雅雄JFA技術委員会普及部会長からは世界のグラスルーツにおける取組みの紹介と共に、JFAにおけるグラスルーツの方向性を説明しました。その後、「女子サッカー」「障がい者サッカー」「施設の確保」「補欠ゼロ」のテーマで、パネルディスカッションを行いました。
【パネルディスカッション①】女子サッカー / 障がい者サッカー
パネラー:辰巳義和(特定非営利活動法人FC.TON/理事長)、御姓達哉(皐月フットボールクラブ/代表)、神一世子(特定非営利活動法人CPサッカー&ライフエスペランサ/理事)、今井純子(JFA女子委員長)
「女子サッカー」と「障がい者サッカー」。カテゴリーは異なりますが、共に日常的に活動できる場所が少ないという共通の課題もあり、2つのテーマを合わせてパネルディスカッションを行いました。各パネラーからは「(女子サッカーチームまたは障がい者サッカーチームを)立ち上げた当初は片手で数えるほどの選手しかいませんでしたが、定期的に継続して活動をすることで人が集まるようになりました。」とチーム立ち上げ当時の苦労や悩みなどの話もありました。
【パネルディスカッション②】施設の確保
パネラー:幸野健一(FC市川GUNNERS/代表)、垣本右近(カフリンガ東久留米/代表)、前田晋吾(スポーツクラブエストレラ/代表)
サッカーをするにあたって欠かせない「施設」について、「施設を造る、または優先的に借りられる」という事例を各パネラーから紹介してもらいました。幸野氏からは日本のスポーツ施設としてPFI(プライベート・ファイナンス・イニシアティブ)を初めて活用した事例が、前田氏からはネットワークを拡げながら資金を集めた事例が、垣本氏からは地域貢献活動を継続的に行うことで、市内のグランドを優先的に利用できるようになった等の事例が紹介されました。
【パネルディスカッション③】補欠ゼロ
パネラー:中塚義実(筑波大学附属高等学校、特定非営利活動法人サロン2002/理事長)、鈴木裕大(KAZU SOCCER CLUB/代表)、池内豊(JFAユース育成ダイレクター)
レベルに応じて、みんなが試合に出場できる環境を作るという「補欠ゼロ」をテーマとしたパネルディスカッションでは、各パネラーから「補欠ゼロ」に取り組んだ経緯が説明されました。中塚氏からは、高体連の公式戦がカップ戦のみであった当時の現状を変えるために年間を通したリーグ戦(DUOリーグ)を作った事例が、鈴木氏からは、試合の出場機会が少ない控え選手を中心としたリーグ戦(KANAGAWA ROOKIE LEAGUE)を作った事例が紹介されました。
コメント
中山雅雄 JFA技術委員会 普及部会長
全国からサッカーに対する情熱を持った方々が集まり、非常に有意義な時間を過ごすことができました。特に、パネリストとしてご参加いただいた方々は、ご自身の経験や知見などを語っていただき、個人的にも非常に刺激的なお話を聞くことができました。今回のカンファレンスを通じて、今後の日本のグラスルーツの発展のためには、今回参加された方々と同じように全国で情熱をもった方々がみんなで力を合わせて、努力していかなければならないと感じると同時に日本のグラスルーツのサッカーの発展の可能性を強く感じました。
垣本右近 氏(カフリンガ東久留米/代表)<パネラー>
JFAグラスルーツ推進・賛同パートナー制度で設定しているテーマのそれぞれにおける課題から好事例まで知る機会があり、大きな学びとなりました。特に、「補欠ゼロ」のテーマで試合出場の機会が少ない選手のリーグ戦を運営していることや、「女子サッカー」のテーマで継続的に活動を続けることで人が集まってくる事例が印象的でした。このグラスルーツ活動というのは本当に素晴らしいことだと思いますので、こういった事例を多くの方に知ってもらい、そして多くの団体が賛同パートナーとなって、クラブとJFAでお互いに何かをしていくことができればと良いと思います。
御姓達哉 氏(皐月フットボールクラブ 代表)<パネラー>
今回のカンファレンスに「女子サッカー」のパネラーとして参加させていただき貴重な経験をさせてもらいました。パネラーや参加者のサッカーに対する強い愛情と情熱がストレートに伝わってくる熱く素晴らしい時間でした。「グラスルーツを見れば、その国のサッカーがわかる」という言葉があります。この国のグラスルーツはまだまだこれからかもしれないですが、いつか独自のグラスルーツが花ひらく時が必ず訪れるであろうということを予見させてくれるカンファレンスでした。
森本朋高 さん(あかしユニバーサルフットボール連盟&HYOGO CHANCEN SV)<参加者>
去年に引き続き、JFAグラスルーツ推進・賛同パートナーカンファレンスに参加させて頂きました。カンファレンスに参加することで、他の団体の取り組みを知ることができ、また情熱を持って事業を推進している方々と、情報共有や意見交換ができたことは非常に有意義でした。私は、女子チームや7つの障害全てに関わっており、障がいの有無や障がいの枠を超え、スポーツが持っているユニバーサル(普遍的な)力を活かして、豊かで多彩な交流の機会を作るために活動しています。今回のカンファレンスは、私が取り組んでいる活動において非常に参考になったので、地域に持ち帰りどう発信・共有していけるか検討したいと思います。
田所弘之 さん (一般社団法人行徳スワローアカデミクラブ)<参加者>
今回開催されたJFAグラスルーツ推進・賛同パートナーカンファレンスのパネルディスカッションやJFAグラスルーツの取り組みなど、全てを興味深く聞かせて頂きました。特に弊クラブが認定を受けている「施設の確保」「補欠ゼロ」については、登壇されたパネラーの方々が、様々な課題やリスクに対して情熱と信念を持って草の根の立場で活動されていることがよくわかりました。本カンファレンスでは参考になる取り組みがたくさんあったので、今後の活動に生かしていきたいと思います。
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