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女子サッカーデー説明会と女性リーダーシップシンポジウムを実施 JFA女性リーダーシッププログラム 全モジュールが終了
2021年03月01日
日本サッカー協会(JFA)は2月28日(日)、JFA女子サッカーデーに関する説明会とJFA女性リーダーシップシンポジウムをオンラインで開催しました。
JFA女子サッカーデーに関する説明会には今井純子JFA女子委員長とアディダス ジャパン株式会社のトーマス・サイラー副社長が登壇しました。JFAは2019年、「国際女性デー」にあたる3月8日を「JFA女子サッカーデー」に定めました。今井委員長は20年の取り組みとして、なでしこジャパン(日本女子代表)がアパレルプロバイダーの株式会社ビームスからご提供いただいた黄色のスカーフやアームバンドを着用したこと、朝日新聞でステートメントの全面広告が掲出されたことなどを報告しました。
アディダス ジャパンとJFAが実施した「HER TEAM」プロジェクトについてはサイラー副社長から説明がありました。中学生年代の女子チーム設立をサポートする同プロジェクトには67チームもの応募があったそうで、2021年もプロジェクトを継続することが明かされました。
今井委員長は2021年のJFA女子サッカーデーの計画について「3月の1カ月間を通じて全国でさまざまな取り組みをしていきます」と説明。「普及」と「社会」を注力テーマとし、女子サッカーの人口増加と社会における女性活躍の後押しを目標に掲げました。
また、3月5日(金)に東京都文京区がオンライン開催する文京区国際女性デーシンポジウムに協力することや、3月13日(土)に高円宮記念JFA夢フィールドでJFAガールズフェスティバルとウォーキングフットボールを開催すること、サッカー漫画『さよなら私のクラマー』とコラボレーションすることなどを発表しました。
続いて行われたJFA女性リーダーシップシンポジウムでは、公益財団法人日本オリンピック委員会の山口香理事がファシリテーターを務め、田嶋幸三JFA会長と岡島喜久子WEリーグチェア、そして公益財団法人日本バスケットボール協会の三屋裕子会長、公益財団法人日本ラグビーフットボール協会の岩渕健輔専務理事が登壇し、女性活躍やリーダーシップをテーマに語り合いました。
日本では女性の社会進出の割合が欧米諸国に比べて低いと言われており、スポーツ庁も2019年、競技団体の運営指針「ガバナンスコード」で女性理事を40パーセント以上登用するよう定めました。しかし女性役員の割合は今も低く、現場からは「人材がいない」「引き受けてくれる女性がいない」という声も出ているそうです。
岩渕専務理事はラグビー協会の現状について「理事24名中、女性は20パーセント超にあたる5名」と明かし、「人材がいないのではなく、しっかり探していないのではないか。年齢や性別にとらわれず、いろいろな人材が入ることで成長できるという認識で動く必要があると思います」と問いかけました。
また、三屋会長も「理事就任を依頼した際に『やったことがないから』とおっしゃる女性の方も多い。『やります』と言える方をいかに多く育てるかが大事です。やってみなければ分からないですし、失敗してもいいので、自分でできることをやっていけばいいんじゃないでしょうか」と後押ししました。
これからのスポーツ界で求められるリーダーシップについての議論では、岡島チェアがWEリーグにおいて自身が担うべき役割についてこう語りました。
「女性の仕事の選択肢を増やすためにいろいろな道筋を整えていきたいですが、私だけ、サッカー界の力だけでは実現できません。いろいろな相手の協力が必要なので、WEリーグのチェアとして、全てを巻き込んで渦をつくれるようなリーダーになっていきたいです」
田嶋会長は「ぶれてはいけないものからは絶対にぶれない。常にそのことを意識していられる人間でなければいけない」とリーダーの立場について述べ、「女性が活躍する社会づくりを、他に先駆け、リーダーシップを取ってどんどんやっていきたいと思います」と語りました。
なお、このシンポジウムは2月27日・28日に行われた「JFA女性リーダーシッププログラム」最終モジュールの最終講義として受講生も視聴しました。
シンポジウム後にはプログラムの修了式をおこない、一期生12名全員に修了証と記念のボールが授与されました。田嶋会長、そして岡島チェアから「修了おめでとう。これからは皆さんの時代。失敗を恐れず、たとえ失敗してもそこから学んで解決していく姿勢を忘れず頑張ってください。期待しています」「今回のプログラムで学んだことを今後の糧にして、大きな力につなげていって欲しいです」と激励の言葉が贈られ、4ヶ月間にわたり行われたプログラムの全日程が無事終了しました。
シンポジウムについては後日詳しくレポートします。
受講生コメント
手塚貴子 理事(公益財団法人日本サッカー協会)
今回の最終モジュールでは、個人課題やグループ課題発表の中で受講生の皆さんのそれぞれの熱い思いにふれ、更に気付きがありました。
今後重要なのは、この研修で得たことや自分の思いをどれだけ行動に移せるかだと思います。受講生の皆さんや講師の先生方との繋がりを絶やさずにこの社会の様々な問題に立ち向かっていく覚悟ができました。
巽由香利 理事(一般財団法人フットサル連盟)
JFA女性リーダーシッププログラムへ参加しないか?とのお声がけを頂いた時、正直私には荷が重いと感じました。
研修がスタートしいろいろな立場でサッカーに関わる受講生の皆さんのお話を聞きながら、初めて聞くようなお話や正直今まで気に止めなかった女性活躍について考える機会をいただき、研修を終える毎に今回のプログラムの内容に向き合ってゆく自分に気付きました。
今まで私が歩んできた道にもう少し自信を持って、一歩先の私へと成長し、これからの関わり方を考えていきたいと思うようになりました。
私の中で大きなきっかけになりそうな、この機会をいただけたことにとても感謝しています。