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ずっとEnjoy♫ みんなPlay! サッカーを愛する全ての市民のために(JFAnews2016年10月情報号より転載)

2016年11月01日

ずっとEnjoy♫ みんなPlay! サッカーを愛する全ての市民のために(JFAnews2016年10月情報号より転載)

日本サッカー協会機関誌『JFAnews』2016年8月情報号(No.388)から「JFAグラスルーツ推進・賛同パートナー」連載がスタートしました。その第3回目として10月情報号(No.390)に「引退なし(ずっとEnjoy♫)」「補欠ゼロ(みんなPlay!)」賛同パートナーである白岡市サッカー協会(埼玉県白岡市市)の活動が紹介されました。

■JFAnews2016年10月情報号(No.390)より転載 ■情報提供:サカイク、大塚一樹

※『サカイク』はJFAグラスルーツ推進・賛同パートナー制度のメディアパートナーです

埼玉県の白岡市サッカー協会のように、市町村のサッカー協会がグラスルーツ推進・賛同パートナーになる例はまだ少ない。白岡市協会が参加した理由について秋月邦雄会長は、「賛同パートナーに応募することで、われわれの思いやこれからの活動のPRになると思ったんです」と明かす。

秋月会長の目標ははっきりしている。「私は今75 歳。できるだけ早く、引退までに“みんなPl ay(補欠ゼロ)”と“ずっとEnjoy(引退なし)”を定着させたい」。サッカーの楽しさを一人でも多くの市民に伝えたいというその願いを「サッカー楽しい」というシンプルで力強いスローガンに込めた。

目標に向けて、熱心な活動が続く。まずは、サッカーができる環境づくりだ。中学のサッカー部は夏になると中3の選手が引退してしまう。高校に進学するまでの間、サッカーから離れることで興味が薄れてしまうのではないかと、秋月会長は危惧していた。

「中学を卒業するとき、みんなで一緒に楽しくサッカーをやる機会があれば」。考えた末に思いついたのが、「卒業記念大会」だった。これは、学校対抗の大会で、サッカー選手だけでなく、野球部や運動部に所属していない生徒も参加する。通常、登録の関係でクラブチームに所属する選手と部活動でプレーする選手は同じ試合に出場できないが、学校単位の催しであれば、その縛りを受けることはない。スタートしたのは4年前、「今後も続けていって、白岡の名物になるといい」と秋元会長は将来を見据える。

また、母親向けに女子サッカーの初心者講習会を実施するなど、さまざまなカテゴリーの活動にも力を入れている。シニアに対しては、今年からオーバー40のリーグを立ち上げた。次はオーバー50も視野に入れている。

会長職に就いてから、サッカー愛好者を増やすと同時に、「いかにサッカー好きな人を減らさないか」にも目を向けた。考えた結果、「いろいろなステージをつくっていくことが大切」という結論に至った。現在、年齢や性別はもちろん、職業や生活環境も踏まえ、それぞれのニーズに合った環境づくりを進めている。

一方で、地域特有の問題もある。少子化や都心への転居、保護者がスポーツ少年団の手伝いができないなどの理由から、最も多い時で8チームあった少年団は1チームにまで減少した。4種(小学生年代)は8人制でリーグ戦に参加しているが、「みんなが試合に出て、『サッカーを楽しんでくれ』というのが私の本心ですが、全体に向けてそういうアクションを起こすチャンスはまだありませんね」と残念そうに語る。

小中学生から勝利至上主義を植え付け、厳しい指導をする風潮にも「違うんだよな」と首を横に振る。なぜなら、「サッカーっていうのは楽しみだからね。楽しむために練習をしてうまくなる」が持論だからだ。それを形にするために「リーグ戦の他にみんなが楽しめる、全員が出られる試合があればいい。補欠ゼロを掲げた協会の冠大会をやりたい」と次のアイデアは浮かんでいる。

秋月会長が撒いたグラスルーツの種は確実に芽吹き始めている。ある大会で子どもたちの前で話をしたとき、こんなことがあった。その大会では毎年、スローガン「サッカー楽しい」をみんなで言って締めくくるのが恒例になっていたが、ある時、「今日はいいかな」と思い、言わなかったそうだ。すると、一人の子どもが「今日は言わないんですか?」と不思議そうに言った。「結局、みんなで『サッカー楽しい!』って叫んで締めくくった。そうやって浸透してくれると嬉しいなと思っているんです」と秋月会長は相好を崩した。

白岡市サッカー協会の歩みはゆっくりかもしれないが、着実に前進している。サッカーを愛する全ての白岡市民のために。秋月会長のチャレンジは続く。

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