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みんなPlay! 「補欠ゼロ」で子どもたちの明るい未来を照らす(JFAnews2017年10月情報号より転載)
2017年10月30日
日本サッカー協会機関誌『JFAnews』では、「JFAグラスルーツ推進・賛同パートナー」の活動紹介を行なっています。その第15回目として2017年10月情報号(No.402)に「補欠ゼロ(みんなPlay!)」賛同パートナーである見附小学校サッカークラブ(新潟県見附市)の活動を紹介しました。
■JFAnews2017年10月情報号(No.402)より転載 ■情報提供:サカイク、大塚一樹
新潟県見附市の見附小学校サッカークラブは、2016年4月にグラスルーツ推進・賛同パートナー制度が始まって最初に認定されたクラブの一つだ。2000年のチーム創設時から 「みんなPlay!」を実践している。
JFAから送られた「グラスルーツ賛同パートナー認定証」は、トロフィーや表彰状が並ぶ校内の一角に飾られている。クラブの代表を務める大塚純一さんは「自分たちの活動が いろいろな方から評価されるのはうれしい。われわれも保護者も、そして学校側もグラスルーツの認定団体だという誇りを持って活動している」と語る。
クラブのルーツが「みんなPlay!」であることから、選手全員がプレーできる大会を定期的に催している。2017年6月には、「補欠ゼロ!僕が私が主役!」をテーマに、見附市元町運動公園で「平成29年度見附サッカーフェスティバル大会」 を開催。小学1年生から6年生までの100人と保護者30人が参加した。参加11チームを2グループに分けて総当たり で試合を行うが、順位は付けない。
この大会で、ある男の子がMVPを受賞した。その男の子のチームは同大会でなかなか勝利を挙げられず、無得点だった。最後の試合、残り時間がわずかとなり、この試合もこのまま無得点で終わるかと思われたが、諦めずにプレーしたことで、練習で一度も得点を決めたことがなかった男の子が劇的なゴールを挙げたのだ。プレーの優劣ではなく、一生懸命にサッカーに取り組む男の子の姿勢が評価され、MVPが贈られた。
大塚代表によれば、近隣クラブのコーチから「この大会のコンセプトのおかげで全員を試合に出すことができる」と感謝されることが多く、保護者からもこの方式を歓迎する声が絶えない。
見附小学校サッカークラブが標榜している「補欠ゼロ」には、試合に出場できないことが原因でサッカーから離れてしまう子どもを減らしたい、という願いが込められている。サッカーがうまかろうが下手であろうが、試合に出てプレーする楽しさや喜びはみんな同じ。うまい選手と比べた成長度ではなく、出来なかったことが出来たり、諦めずにプレーした その頑張りが評価されることで、「もっとやりたい」「もっとうまくなりたい」というモチベーションになる。
「試合に勝てなくても、子どもたちが大人になって人生に勝つこと、そして、ここでの経験が価値あるものだったという、二つの『かち』につながる指導ができれば」と大塚代表。地元に根ざした地道な指導で子どもたちの未来を照らす活動は続く。