S級コーチ養成講習会の現場から2018 受講者レポートvol.3 石栗建さん
2018年06月11日
5月21日(月)からスタートしたS級コーチ養成講習会 国内集中講座の第3週目が6月4日(月)~7日(木)に行われました。
今週は石栗健さんからのご報告です。
集中講習3週目の一番のトピックスは、JAXAでの施設見学と宇宙飛行士訓練模擬体験でした。
6/6水曜日にJAXA筑波宇宙センターで研修は行われました。最初に宇宙ステーションの日本実験棟「きぼう」の運用管制室、震災で今は利用されてはいませんが宇宙ステーションの船外活動訓練のためのプールなどを見学しました。管制室では「きぼう」のリアルタイムの映像が映し出され、管制官がモニターでデータを監視している姿は緊張感を感じさせるものでした。普段宇宙と言われても何か遠い存在としか感じられませんでしたが、「きぼう」が地球上を移動している映像は宇宙への大きな興味を抱かせるものでした。施設見学に続き、宇宙飛行士訓練の模擬体験を行いました。
訓練は、①マルチタスク訓練、②コミュニケーション訓練、③チームビルドアップ訓練、④ディベート訓練の4種類でした。各訓練を行って感じたのは、コミュニケーションを取り、グループで協調して課題を乗り切ることの難しさでした。順序立てて的確な説明が出来なくては相手に伝わらないというもどかしさや、難しい状況でも慌てずに諦めずに協調して解決へ向かう大切さを感じることができました。訓練の総括としてお話ししていただいた中で最も印象的だったのは、宇宙飛行士にとって何よりも大切なのは「心」だという話でした。宇宙空間の閉鎖的で精神的肉体的にもストレスのかかる中で、困難に立ち向かう精神力を持ち、コミュニケーションと傾聴力で仲間と協力して解決して行く。我々スポーツの現場で仕事をする人間にとっても、状況こそ異なるもののこれは非常に共感できるものでした。
指導実践は7つあるテーマを各2回、4人ずつ5グループに分けられた各グループで3週に渡って行ってきました。コンセプトをチームに徹底するために、各グループが監督役の受講生を中心に時間をかけて準備をして臨んでいます。ゲームからの逆算でウォーミングアップからトレーニングを積み上げて行くこと、グループ内でのリレーションの質なども徐々に向上してきています。セッション後のディスカッションでも、オーガナイズやコーチングなど、より深い内容で振り返りが行えるようになってきました。担当をしていない受講生も積極的にディスカッションすることで、多くの学びを得ようと真剣に取り組んでいます。
前期の研修もあと2週間となり、指導実践も7つのテーマを後1回ずつ行うだけになりました。少しでも多くの学びを得られるように努力して行きたいと思います。
来週は武藤覚さん(FC今治/JFAナショナルトレセンコーチ)よりお伝えします。