「新しくなった国立競技場のピッチでサッカーの歴史に名を刻みたい」武藤雄樹選手(浦和レッズ)インタビュー ~天皇杯 JFA 第99回全日本サッカー選手権大会~
2019年05月16日
天皇杯 JFA 第99回全日本サッカー選手権大会が5月25日(土)に開幕します。ここでは前回大会王者の浦和レッズから武藤雄樹選手に、天皇杯の思い出や連覇への意気込みを聞きました。
※このインタビューは4月11日に実施しました。
――武藤選手は流通経済大学1年時の第87回大会から12大会連続で天皇杯に出場しています。
武藤 そんなに長く出ているんですね。学生時代の天皇杯でパッと思い浮かぶのはガンバ大阪に敗れた試合です。
――それは3年時の第89回大会ですね。1年時は初戦で鹿屋体育大学と対戦しています。
武藤 鹿児島まで遠征したんです。そのときは4年生の多くがプロになるような強いチームで、総理大臣杯全日本大学サッカートーナメントでも優勝していたので自信がありました。僕も1年生ながら総理大臣杯に出場して、ちょっとブレークしたところもあって。でも、PK戦で敗れてしまったんです。
――2年時は武藤選手のハットトリックなどもあり、Y.S.C.C.(現Y.S.C.C.横浜)を破って2回戦に進出しましたが、3回戦でソニー仙台FCに敗れました。
武藤 確かに2年生のときはハットトリックしました。それで3年生のときに前年王者のG大阪に敗れて、4年生のときは、勝ったら次が鹿島アントラーズ戦ということで楽しみにしていたら、初戦でアルテ高崎に負けてしまいました。
――先ほど、パッと思い浮かんだのが3年時のG大阪戦とのことでしたが、やはり大学生にとってJ1クラブとの対戦は印象深いものですか。
武藤 そうですね。大学生でもプロと真剣勝負ができるところが、まさに天皇杯の醍醐味だと思います。学生時代は天皇杯でプロチームと対戦し、自分の力を試したいという気持ちが強かった。特に流通経済大は多くの選手がプロを目指していて、監督からも「勝てなかったらプロで活躍できないぞ」とハッパを掛けられていたので、僕たちも「1、2年後、自分たちが真剣勝負をする相手なんだ」という意識で、本気で向かっていったのを覚えています。
――プロになってからは下位カテゴリーのチームから挑戦を受ける立場になりました。
武藤 浦和レッズに来てからは、YS横浜やグルージャ盛岡(現いわてグルージャ盛岡)と対戦して勝つことができましたが、どのチームも立ち上がりから積極的に挑んでくるので、自分たちのリズムをつくれずにいると、流れを持っていかれるような感覚があります。スタジアムの雰囲気も、J1での試合のような感じではなく「やってくれるんでしょ」という空気で、苦戦するとザワザワし始めるので難しい(苦笑)。ベガルタ仙台時代には奈良クラブに負けたことがあって(第94回大会2回戦)、サッカーの難しさを痛感しました。
――その難しい天皇杯で浦和は昨年、優勝しました。その要因はどこにあったのでしょうか。
武藤 昨年は(オズワルド・)オリヴェイラ監督がシーズン途中に就任したのですが、リーグ戦は順調とはいえませんでした。そういったこともあって、監督は早い段階から「天皇杯は絶対に取るぞ」と言っていました。それでみんなも「天皇杯で優勝するぞ」という気持ちになっていた。それに、普段は、試合前は前泊なんですが、天皇杯では3回戦くらいから前々泊をしたりと、チームとして天皇杯で優勝するための準備を万全にしていたんです。戦い方に関しても、まずは守備から。しっかりと守備ブロックを築いて手堅く試合を進めました。また、セットプレーの練習にも多くの時間を割きました。そうしたことが優勝につながったと思います。
――では、天皇杯連覇への意気込みを聞かせてください。
武藤 近年、レッズは毎シーズン、何かしらのタイトルを獲得しています。レッズがさらに強いクラブになるためにも、タイトルを取り続けることが重要だと思います。もちろん、リーグ優勝も狙っていますが、前年王者として天皇杯のタイトルをなんとしても守りたい。しかも、今大会の決勝は新しい国立競技場のこけら落としになるので、その舞台に立てるのは本当に名誉なことです。国立競技場のピッチで喜び合えたら、日本サッカーの歴史に浦和レッズの名を刻むことができるので連覇を目指して頑張ります。
本インタビューの全編は、試合会場などでご購入いただける大会プログラムに掲載しています。
1回戦から3回戦までの組合せ、ならびに1回戦、2回戦のマッチスケジュールはこちら
【1回戦】5月25日(土)、26日(日)
【2回戦】7月3日(水)、10日(水)
【3回戦】8月14日(水)
【ラウンド16(4回戦)】9月18日(水)
【準々決勝】10月23日(水)
【準決勝】12月21日(土)
【決勝】2020年1月1日(水・祝)