「楽しみながら今、持っているものを全て出してほしい」スタンボー華選手(INAC神戸レオネッサ)インタビュー後編 JFA 第24回全日本U-15女子サッカー選手権大会
2019年07月23日
JFA 第24回全日本U-15女子サッカー選手権大会が7月27日(土)に開幕します。ここではJFAアカデミー福島の選手として第18回大会に出場し、準優勝したスタンボー華選手(INAC神戸レオネッサ)に、自身の中学時代の思い出などを聞きました。
インタビュー前編「この大会にかける思いは強かった」スタンボー華選手(INAC神戸レオネッサ)
※このインタビューは7月16日に実施しました。
――GKを始めたきっかけを教えてください。
スタンボー 小学1年生からサッカーを始めたのですが、周りは幼稚園から始めた子ばかりで技術面で見劣りしていました。ただ、当時から身長が大きかったので、指導者から「やってみないか?」と声をかけてもらったのがきっかけです。始めた当初は攻撃の選手がボールを触ることが多かったため、GKを楽しめずにいました。でも、シュート練習で男子のGKがボールを避けたのに対して、私は食らいついて止めることができたのを機にGKが好きになりました。それまで劣等感を感じていた私にとって周りに勝てる長所を見つけられたのがうれしかった。何より止めるのが楽しかったのは鮮明に覚えていて、だから今でもシュートストップが大好きなんだと思います。
――その後は、中学生になるタイミングでJFAアカデミー福島に入りました。
スタンボー もともとは日テレ・メニーナのセレクションを受けていたので、JFAアカデミーに入ろうと思っていなかったのですが、声をかけていただき、セレクションに参加しました。実際に参加すると小学校の時は男の子の中に混じってプレーしていたので、女の子がたくさんいる環境がすごく楽しかったので入校を決めました。
――入校直前に東日本大震災が発生しましたが、当時の心境について教えてください。
スタンボー 親はとても心配していましたが、私自身はまだ震災の深刻さをよく理解できていませんでした。ただ、JFAアカデミーに入ってから何度か福島に行き、住民の人たちから話を聞かせてもらったり、Jヴィレッジの様子を見させてもらってから深刻さが分かりました。福島県は小学校時代からスーパー少女プロジェクト(現・女子GKキャンプ)などでお世話になっていたので、大好きな場所でした。高校でお邪魔させてもらった際には「頑張っているJFAアカデミーの姿が、復興の力になっている」と声をかけてもらい、「もっと頑張らないといけない」とも感じました。福島の人たちは中学に入ってから高校を卒業するまでの間ずっと応援に駆けつけてくれて、とてもうれしかったです。中学からの6年間を過ごした静岡県だけでなく、福島も故郷だと思っています。
――中学時代に学んだことはありますか?
スタンボー JFAアカデミー福島は全員がサッカーで高みを目指して頑張る選手たちでした。周りに刺激されてサッカーに対して真剣に取り組む重要性と楽しさに気付けたのは大きかったです。気が強い女の子ばかりで言い争いもありましたが、今となっては面白い毎日でした。
――中学時代に印象に残っている出来事を教えてください。
スタンボー 中学3年生の時の全日本U-15女子サッカー選手権大会は今でもよく覚えています。無失点で大会を終えるつもりだったのですが、2回戦で2失点しました。準決勝くらいで初失点を許すならまだ許せたのですが、あまりにも早い失点だったので悔し涙を流しました。また、中学1年生にポジション争いで負けて試合に出られなかった2年生の選手も泣いていて、悔しさはそれぞれですが全員が必死で頑張っていることに気付けました。ただ日常生活を送っているだけでは、悔しさを感じることはできません。限られたチームだけが立てる舞台だからこそできる素晴らしい経験だったと思います。
――最後に大会に挑む選手にメッセージをお願いします。
スタンボー 大会はこれからも続きますが、その時に経験できる大会は一度しかありません。一度しかない貴重な舞台で悔いを残さないために楽しみながらも今、持っているものを全て出してほしい。力が足りないと感じればまた練習し、通用するプレーがあれば次の試合で自信を持って披露してください。全力でやらなければ感じられないことがたくさんあるので、多くのことを学んで今後のサッカー人生に生かしてください。
インタビュー前編「この大会にかける思いは強かった」スタンボー華選手(INAC神戸レオネッサ)
大会期間:2019年7月27日(土)~8月3日(土)
大会会場:J-GREEN堺(大阪府堺市)