第99回天皇杯 準々決勝~鹿島vsHonda~ J1クラブの意地を見せ、鹿島アントラーズが準決勝に進出
2019年10月24日
3大会ぶり6度目の優勝を狙う鹿島アントラーズとアマチュアで唯一勝ち残ったHondaFCの一戦は、1点を巡る攻防の末、鹿島が制してJ1クラブの意地を示しました。大岩剛監督は「自分たちが主導権を握ることは少なかったが、難しくなるということは想定していた。しっかりと勝ち切ったことは評価して、次のラウンドのための準備をしたい」と準決勝をにらみました。
HondaFCはJ1浦和レッズなどを次々と撃破して勝ち上がってきました。勢いそのままに前半から鋭い出足を見せ、鹿島のミスを数多く誘発します。攻撃では巧みなパスワークで敵陣への進入を試みます。ただ、ペナルティーエリア付近でプレーの精度をやや欠き、決定機には結びつけられません。一方、受けに回った鹿島が前半に放ったシュートはわずかに1本。パスがずれるシーンが多く、攻撃が機能しません。
後半も試合の構図は大きく変わりませんでしたが、65分に鹿島が先制に成功して均衡が崩れます。遠藤康選手が右サイドから左足で斜めに入れたクロスを土居聖真選手が頭で合わせてネットを揺らしました。追うHondaFCも反撃に出ますが、直後の佐々木俊輝選手のシュートはわずかに枠の左へ外れます。終盤にも猛攻を仕掛けたものの、左クロスに反応した佐々木選手のヘディングシュートは左ポストをたたき、左折り返しを右足で合わせた大町将梧選手のシュートは枠の右へそれました。鹿島は苦しい展開を強いられましたが、リードを守り切って準決勝へ駒を進めました。
両者の対決は2大会連続。2回戦でぶつかった前回大会は6-1で鹿島が快勝しましたが、今大会はHondaFCが接戦を演じて鹿島を追い詰めました。それでも、HondaFCの井幡博康監督は「強くなって、もう一回アントラーズに向かいたい。後半にいくら攻めても、いくらチャンスをつくっても、ボールを握っても負けは負け」と悔しさをあらわにしました。
大岩剛 監督(鹿島アントラーズ)
試合内容はHondaさんが素晴らしい戦いをしたことによって、われわれは自分たちで主導権を握ることが少なかったのですけれども、こういうふうに難しくなることは想定していました。その中でしっかりと勝ち切ったところは評価して、次のラウンドのための準備をしたいと思います。われわれはJリーグのための重要な試合がありますので、それに向けてしっかり準備したいと思います。
MF #8 土居聖真 選手(鹿島アントラーズ)
今日の試合も難しかったです。個人的に(前節のリーグ戦)松本戦の反省で、下がりすぎというのを言われていました。でも下がらないとボールは回らないし、前にいないと点は取れない。悪循環になっていました。今日はほぼポジションから下がらず、前線でなんとか待って意図的じゃないボールだったり、クリアボールもマイボールにできるようにすごく意識していました。決定機まではなかなか持っていけてませんでしたが、逆に何回も決定的なチャンスがあって外すよりはその1本をチャンスが来たときに決めないといけないという危機感みたいなのが逆に良かったかなと思います。
井幡博康 監督(Honda FC)
ゲームプラン的に前半を無失点にというところは、チーム全体で守ることができたところですが、前半は自分たちのミスが非常に多くて、ゴールに向かうことに対しての強みを出せなかった。そこにもう少し自分が何かを変えることができれば良かったと思います。後半いくら攻めても、チャンスをつくってもボールを握っても負けは負け。言い訳なしの勝負ですから良いゲームだったねというふうに一番言われたくないゲームをしてしまったと思います。
DF #5 鈴木雄也 選手(Honda FC)
勝たないとダメなゲームだったと思います。正直相手はけが人も多くて、勝てない相手ではなかったとみんな感じたと思います。その中で、相手もミスがありましたが、こっちもミスが多く精彩を欠いた前半でした。僕のところでマークが外れて決定的なミスになってしまったので、そこは申し訳なく思っています。あそこは僕個人の弱さです。
【1回戦】5月25日(土)、26日(日)
【2回戦】7月3日(水)、10日(水)
【3回戦】8月14日(水)
【ラウンド16(4回戦)】9月18日(水)、25(水)
【準々決勝】10月23日(水)
【準決勝】12月21日(土)
【決勝】2020年1月1日(水・祝)