尚志は浦和に敗れ、プリンスリーグ降格が決まる ~高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ第18節~
2019年12月09日
高円宮杯JFA U-18サッカープレミアリーグ2019 EASTの第18節が12月8日(日)に同時刻に一斉開催され、各地で熱戦が繰り広げられました。すでに青森山田高校(青森)の優勝が決まっている中で注目を集めていたのは残留争いです。9位の尚志高校(福島)はホームで浦和レッズユース(埼玉)を迎え、「最後まで諦めることなく戦い抜く」(仲村浩二監督)サッカーを見せましたが、1-2と惜敗。プリンスリーグ東北への降格が決まりました。。
尚志高校 1-2(前半0-0、後半1-2)浦和レッドダイヤモンズユース
この試合に選手たちはエスコートキッズを伴って入場しました。「このリーグを通じて少しでも地域の皆さんに貢献したい」という仲村監督のアイデアで今季実施されており、この日は郡山市立赤木小学校のみなさんが選手と一緒に入場。また、赤木小学校は台風19号に伴う浸水被害により現在も厳しい状況にあるため、この機会に尚志と浦和の双方から、少しでも役に立ててほしいとサッカー用品などが贈られました。
そうして始まった試合は尚志にとってはプレミアリーグに生き残るための試合。「Jのユースチームが嫌がるサッカーをしようと思った」という仲村監督は、長身DFチェイス・アンリ選手(#38)を最前線で起用。抜群の高さを誇る1年生へのロングボールを多用した攻めで、浦和守備陣にプレッシャーをかけていきます。
今季はより後方からつないでいく意識を高めている浦和とは好対照のサッカーとなる中で、12分に浦和がペナルティーエリア内をうまく崩して、尚志が17分に直接FKからそれぞれ決定機を迎えますが、どちらのシュートも枠外へ逸れてしまい、ゴールは生まれません。結局、前半は0-0で折り返します。
後半に入ると、尚志の戦い方にも浦和が対応し始めます。「上手いチームではなく、上手くて強いチームになろうと言ってここまで取り組んできた。今日みたいな試合は、まさにそれを見せられるか、だった」と浦和の池田伸康監督は言います。前半は競り負けるシーンも多かったDF陣も果敢に競り勝つようになり、ペースを握っていきます。そして迎えた51分と55分、「本当に良くなった」と池田監督も目を細める成長を見せてきたFW波田祥太選手(#9)が連続得点で尚志のゴールネットを揺らし、試合の流れを決定付けました。
ただ、尚志も「応援してくれる人たちのためにも、絶対に最後まで諦めずに戦うんだ」という仲村監督の鼓舞を受けて、ここから奮戦。アディショナルタイムにFW阿部要門選手(#24)が意地の1点を奪い取りましたが、反撃もここまで。1-2のスコアで敗れたことで尚志の最下位での降格、浦和の3位が確定することとなりました。
プレミアリーグEASTからは他に9位の鹿島アントラーズユース(茨城)の降格も確定。2チームに代わる来季の新規参入チームは、13日(金)と15日(日)に行われる高円宮杯プレミアリーグプレーオフにて決定することとなります。
仲村浩二 監督(尚志高校)
初参戦した2011年のプレミアリーグは、ひたすら自陣のゴールしか見ていないようなゲーム内容で、起用した選手の数も非常に少なかったです。それに比べると、2度目の参戦となった今季はたくさんのメンバーを試合に出しながら、「ああやって攻めよう」と相手のゴールを観てのサッカーをすることができました。本当に得たものだらけの1年でしたので、またここに戻ってきたいと思います。
FW #24 阿部要門 選手(尚志高校)
勝たないといけない試合で勝つための練習をしてこの試合に臨みました。前半はゲーム内容的には自分たちのやりたかったサッカーができていたと思います。ただ、自分たちのペースだったからこそ、そこを0-0で終わるのではなく、1点を取らないといけなかったと思います。ただ、全員で諦めないで最後まで戦うことはできたと思いますし、そういう1点だったと思います。
池田伸康 監督(浦和レッズユース)
3位という結果にまで上がってこられたのは、本当に3年生たちの力だったと思います。僕から厳しいことも言われる中で悔しい思いもしたでしょうが、そこから本当に伸びてきてくれました。最後も3年生の波田選手が2点を入れたのは象徴的だったと思います。徐々に徐々にですが、少しずつやってきたことの成果が出た試合だったと思います。
FW #9 波田祥太 選手(浦和レッズユース)
自分はずっと点を取れなくて、でもずっとチームのために点を取りたいと思っていました。最後に2点を取ることができて本当に良かったです。前の試合では同じような形でパスをもらったのに決められていなかったので、今日は本当に決められて良かったです。自分たち3年生の発信が足りないと(監督から)言われていて、そこを変えようと意識してやってきました。
柏レイソルU-18 7-4(前半4-1、後半3-3)流通経済大学付属柏高校
市立船橋高校 0-4(前半0-0、後半0-4)青森山田高校
清水エスパルスユース 2-0(前半1-0、後半1-0)大宮アルディージャU18
ジュビロ磐田U-18 0-2(前半0-2、後半0-0)鹿島アントラーズユース
流通経済大学付属柏高校(千葉)と対戦した柏レイソルU-18(千葉)は、FW奥田陽琉選手(#9)のハットトリックを含む大量7得点を挙げ、最終節を白星で飾りました。プレミアリーグファイナル進出を決めている青森山田高校(青森)は市立船橋高校(千葉)と対戦。前半は互いにスコアレスでしたが、青森山田が後半に4得点を奪い、3連勝でリーグ戦をフィニッシュしました。ホームで大宮アルディージャU18(埼玉)を迎え撃った清水エスパルスユース(静岡)はMF青島太一選手(#11)とDFノリエガ・エリック選手(#4)のゴールで清水が勝利。ともに残留が懸かったジュビロ磐田U-18(静岡)と鹿島アントラーズユース(茨城)の一戦は、前半に2点を挙げた鹿島が勝利しましたが、得失点差でわずかに届かずプリンスリーグ降格が決まりました。