今年度最後となるJFAエリートプログラムU-14トレーニングキャンプが終了
2021年12月23日
12月19日(日)から千葉県の東金市で活動していたエリートプログラムU-14トレーニングキャンプが22日(水)、4日間のキャンプを終えました。
2日目の20日(月)は、午前に守備をテーマにインテンシティの高いトレーニングを行いました。そして午後には、市立船橋高校を招いて今年度エリートプログラムU-14としては初となる試合を30分3本の形式で実施しました。2学年上の高校一年生という高いレベルを相手にした試合は、一進一退の攻防を見せる白熱したものとなりました。
1本目は、高校生のスピードやパワーに対しても、積極的にボールを奪いにいきましたが、一瞬のスキをつかれて自陣でボールを奪われ、先制点を許す立ち上がりとなりました。しかし、エリートU-14も、午前中のトレーニングで取り組んだ連動した守備からボールを奪うと、素早いカウンターからFW葛西夢吹選手が同点弾を決めます。
2本目は、レベルの高い相手に押し込まれて耐える苦しい展開となりましたが、選手たちは高い集中力で全員がハードワークして、最後のゴールラインは割らせずに1-1のままゲームが続きます。
3本目は、お互いに勝利を目指して一段とギアを上げ、レベルの高い攻防が繰り広げられました。一時は勝ち越し点を相手に許しましたが、コーナーキックのチャンスからFW平家璃久斗選手が豪快に決め、最終スコアは2-2のドローという結果で終わりました。エリートプログラムU-14の選手たちは「勝利」という目標を達成することが出来ませんでしたが、試合中やハーフタイムに選手同士で積極的にコミュニケーションをとり、自発的に修正・改善を試みるなど、勝利への意欲を見せていました。
3日目となる21日(火)は、午前中に前日の試合映像を観て、グループでゲーム分析を行いました。サッカーの4局面やプレーゾーン、数的状況などの観点で分析することで、自分たちの課題と判断する際の具体的な基準を共有できました。午後は、前日の試合の課題からサイド攻撃やゴール前の攻防をテーマにトレーニングを実施しました。
最終日に行った紅白戦では、今回のキャンプで得たものを最大限表現し、それぞれのストロングポイントを発揮しようと、選手たちは自分の良さをチームメイトに積極的に伝え、試合の中でも徐々にチームとして修正を行い、トレーニングで確認したことをプレーで表現しました。チームとして意図を共有した攻守に関わりの多いハイレベルなゲームが展開されました。拮抗したゲームは1-1の引き分けで、最後はPK戦を実施して、選手たちは勝負にこだわる姿もみせていました。
オフ・ザ・ピッチでは、毎晩のミーティングで担当スタッフからメディカル面、フィジカル面、自身の海外でのプロ経験や、コーチングスタッフとして今まで見てきた選手を例にあげながら、日常での意識をいかに高く持つか等、様々なことが選手たちに伝えられ、多方面から大きな刺激を受けている様子でした。
オン・ザ・ピッチ、オフ・ザ・ピッチ両方で様々な刺激を受け、自身をより成長させるために模索した活動期間となりました。U-15日本代表が次の目標となる選手たちは、今回の経験を自チームに持ち帰り、日常でも切磋琢磨して取り組み、来年の代表活動での再会を誓ってそれぞれの帰路につきました。
木村康彦 監督(JFAコーチ)
今年度最後のU14エリートプログラムの活動は、11月のU-14ナショナルトレセンの参加選手から15名を、これまでにU-14エリート活動に参加した選手から12名を選考して計27名で、「自分を知る、味方を知る、サッカーを知る」をテーマに実施しました。全国から集まったタレントと活動することで、自分のストロングポイントや課題を見つめなおし、味方のプレーから刺激を受け、そしてサッカーの本質や基本戦術の理解を深めてもらう機会になるようにスタッフみんなで働きかけました。特に「クリエイティブでたくましい選手」の基本となる「的確な判断をグループやチームで共有し、プレーの精度を高めること」を目指して、オフの準備や予測、そして高い集中力をもって頭をハードワークすることを選手に求めました。市立船橋高校との試合は、チームとして一体感をもって闘い、課題を把握する貴重な機会になりました。積極的にボールを奪いにいき、連動した守備とハードワークで拮抗したゲームをすることはできました。しかし、攻守の切り替えが早い相手にせっかく奪ったボールをまたすぐに奪い返され、攻撃でも優先順位を意識するあまり無理なカウンターや突破のパスからまた相手にボールを奪われてしまい、主導権をもってゲームを進めることはできませんでした。翌日のグループワークやトレーニングでは、厚みのある攻撃から意図的にチャンスメイクするために、幅をつかってボールを動かして突破の入り口やタイミングを共有することにチャレンジしました。最終日の紅白戦では非常に関わりが多くサイドを有効に使った厚みのある攻撃が何度も観られ、またカウンターとポゼッションするときの判断をチームとして共有した戦術的な攻防がありました。ゲームでの選手の変化と成長を観ながら、彼らのポテンシャルと吸収力の高さを改めて実感しました。
また、オフ・ザ・ピッチにおいても、スタッフ全員がそれぞれの分野を担当し工夫をこらしたミーティングや自らの経験を交えた貴重な話から、選手それぞれが夢や目標にむかって具体的な行動や一歩を踏み出すために考える機会を作ってくれました。参加した選手たちがこの活動を通じて得た刺激や経験をきっかけに、さらに成長していくことを期待しています。
コロナ禍において選手を派遣してくださったチーム関係者と保護者の皆様、対戦してくださった市立船橋高校、そして会場、施設の皆様にもこの場をお借りして感謝申し上げます。
菊池武蔵ジョセフ 選手(清水エスパルスジュニアユース)
まず、このコロナ禍でこのようなエリートプログラムが開催されたこと、そして、このエリートプログラムに携わってくれた全ての皆様に感謝します。また、このような素晴らしい環境の中でプレーが出来たことにも感謝しています。初めは緊張していましたが、みんなと一緒にプレーしていくうちにだんだん緊張がほぐれてきました。普段このようなレベルの高い選手達と一緒にプレーをすることがなく、自分にとって、とても刺激を受けたキャンプになりました。この気持ちを忘れずに、日々の練習の意識を変えてもっと成長出来るように頑張ります。
古賀竣 選手(レノファ山口U-15)
僕はこのエリートプログラムに参加する前に目標としていた『自分の長所を発揮する事と、色々なものを吸収して成長する』という事を意識してオフ・ザ・ピッチとオン・ザ・ピッチで行動しました。僕は自分の長所である左足のキックとゲームを作る事を練習や試合で生かせられる様に意識してプレーしました。合宿序盤の練習では、ゴール前での厚みを作るという所で相手を揺さぶって縦パスを入れたり、テンポを早くしたりする場面でのパススピードが緩かったり、パスを付ける足が逆だったりと、質が悪い時がありましたが、試合の中では、パスを付ける足でパススピードも意識してプレーすることができ、質の高いプレーが出来たと思います。
ミーティングでは、監督やコーチ、トレーナー、フィジカルコーチの話を聞き、プロ選手になる為に必要なことなどをたくさん教えてもらい、今のうちからしっかり体作りをして海外でも戦える体にしたり、何かを犠牲にしてサッカーの時間をなるべく長くするくらいの覚悟を持てるようにしたいです。
また市立船橋高校との試合の振り返りなどをグループで話し合い、良かった所、悪かった所などみんなで共有でき、最終日の紅白戦ではとても良い試合が出来たと思います。その中でまた課題も見つかったのでしっかり整理して、その課題を克服出来る様に自チームに帰ってからも意識して練習します。
今回の自分の経験を生かし、チームメイトへも伝え、チームみんなで成長出来る様にしたいです。U-15の日本代表に選ばれるように、さらに努力し成長します。
12月19日(日) | PM | トレーニング |
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12月20日(月) | AM | トレーニング |
PM | トレーニングマッチ vs 市立船橋高校 | |
12月21日(火) | AM | トレーニング |
PM | オフザピッチプログラム | |
12月22日(水) | AM | トレーニング(紅白戦) |
※全選手は集合・解散時に、全スタッフは集合時にSmartAmp法検査を実施します。
※今後の行政判断次第では急遽開催を取りやめる可能性もございます。
※スケジュールは、チームのコンディションや天候等により急きょ変更する場合があります。
※一般の方におかれましてはトレーニングの見学は一切できません。