アルビレックスとベレーザがWEリーグ同士の対戦を制して準々決勝へ 皇后杯 JFA 第43回全日本女子サッカー選手権大会
2021年12月26日
皇后杯 JFA 第43回全日本女子サッカー選手権大会は、12月25日(土)に4回戦の8試合を実施しました。雪がちらつく長野Uスタジアムでは、WEリーグクラブの4チームが相対しました。
ちふれASエルフェン埼玉 0-2(前半0-1、後半0-1)アルビレックス新潟レディース
WEリーグで現在11位のちふれASエルフェン埼玉(WEリーグ/埼玉)と、同9位のアルビレックス新潟レディース(WEリーグ/新潟)の対戦は、拮抗した展開ながら決定力の差が勝敗を分けました。
前半はセンターバックやボランチからのフィードをシュートにつなげたエルフェンがアルビレックスを押し込みます。右サイドの浅田真理奈選手の攻撃参加もエルフェンに勢いを与え、祐村ひかる選手がフィニッシュに絡みました。
しかし、アルビレックスは6試合ぶりの出場となったGK平尾知佳選手を中心に守り、村松大介監督は34分に茨木美都葉選手を投入。この采配が試合の流れを変えました。前半終了間際、滝川結女選手のクロスボールから茨木選手を経由し、最後は山谷瑠香選手がゴールを決めて、劣勢だったアルビレックスのリードで前半を終えました。
すると後半立ち上がりにもアルビレックスが得点を重ねます。48分、道上彩花選手のパスを受けた茨木選手が、ペナルティーエリア内左からゴールを決めて0-2としました。アルビレックスはその後も滝川選手のシュートがクロスバーに当たるなど攻撃を続け、62分には川村優理選手が今季初出場。久々にピッチに戻ってきた川村選手へ、会場から大きな拍手が起きました。
一方、2点を追うエルフェンは66分に山本絵美選手をボランチに、加藤千佳選手を左サイドに配して攻めようと試みます。しかし後半は思うようにパスがつながらず、CKも多く得ましたが0-2のまま試合終了。前後半の好機を得点に変えたアルビレックスが、準々決勝進出を決めました。
AC長野パルセイロ・レディース 0-4(前半0-3、後半0-1) 日テレ・東京ヴェルディベレーザ
WEリーグで現在6位のAC長野パルセイロ・レディース(WEリーグ/長野)と、同5位の日テレ・東京ヴェルディベレーザ(WEリーグ/東京)の対戦は、皇后杯4連覇中のベレーザをパルセイロがどう攻略するかに注目が集まりました。
パルセイロはともに18歳の稲村雪乃選手と川船暁海選手が先発に名を列ね、ベレーザはベテランの岩清水梓選手がセンターバックで先発し、ゴールを守ります。
地元・パルセイロの活躍を見ようと多くの観客が会場に訪れましたが、幸先よく得点したのはベレーザでした。11分、清水梨紗選手のクロスボールを北村菜々美選手が豪快に決めてベレーザが先制します。
パルセイロはボールの取りどころが定まらず、相手を追い掛ける時間が増えると、33分にベレーザの植木理子選手がミドルシュートで追加点。その1分後にも小林里歌子選手が得点を挙げ、ベレーザがリードを広げました。
パルセイロの小笠原唯志監督は、積極的な交代で泊志穂選手や藤田理子選手に攻撃の変化を託しますが、なかなか好転しません。ボールを前へ運ぼうとすると、戦列復帰したベレーザの三浦成美選手が的確なカバーリングで、パルセイロの攻撃の芽を摘み取りました。
ベレーザは海外移籍を発表した遠藤純選手や、若手選手をピッチに送り出すと、19歳の山本柚月選手が73分に今季初ゴールを決めて4-0としました。
パルセイロは後半終了前に藤田選手がシュートを放つも右に外れ、伊藤めぐみ選手がCKを蹴るも、ベレーザGK田中桃子選手がキャッチ。5連覇を目指すベレーザがパルセイロに完封勝利し、ベスト8に進みました。
MF #5 瀬戸口梢 選手(ちふれASエルフェン埼玉)
前半は思うようにボールを動かしてチャンスを生み出せましたが、点が取れなかったところがこの結果につながったと思います。後半は攻勢に出ましたが、逆に相手に隙を与えてしまいました。ただ、リーグ前期の終盤から攻撃に力を入れて練習してきたことが、形になっていると感じたので、ボール保持からどう得点するかに取り組んで勝てる試合を増やしていきたいです。
MF #20 山谷瑠香 選手(アルビレックス新潟レディース)
負けたら終わりというノックアウト方式の皇后杯で、チームとしても引き締めて試合に臨み、次につなげられたので良かったです。(先制点は)サイドで(滝川)結女がドリブルで駆け上がっていったので、絶対にセンタリングが来ると思いました。GKも見えていて、割と冷静にシュートすることができました。最後までみんなが集中して、無失点で終われたことがうれしいです。
小笠原唯志 監督(AC長野パルセイロ・レディース)
たくさんのサポーターに来ていただいたのですが、残念な結果となりました。今日はメニーナ(ベレーザの育成組織)がレオネッサに勝ってますし、それを含めベレーザのうまさ、積み上げてきた歴史で差を感じる試合でした。それを埋めるべく準備をしてきたのですが、最後まで戦う姿勢を見せた選手たちには感謝しています。来年のWEリーグ後期に向け、頑張っていきたいです。
FW #19 山本柚月 選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)
今季は点が取れていなかったのですが、(菅野)奏音さんからいいクロスが上がり、狙い通りではなかったんですけど点が取れました。代表選手がいない中、チームの練習をしながら個人のレベルアップにもつなげようと意識してきました。昨年度までメニーナ所属だったので、レオネッサへの勝利も追い風と受け止め、次もベレーザとして勝てるよう頑張りたいと思います。
開催期間:2021年11月27日(土)~2022年2月27日(日)
【準々決勝】12月29日(水)
テレビ放送:
NHK-BS1 12月29日(水)13:00~(生中継) サンフレッチェ広島レジーナ vs 三菱重工浦和レッズレディース
NHK-BS1 12月29日(水)16:00~(生中継) 大宮アルディージャVENTUS vs 日テレ・東京ヴェルディメニーナ
【準決勝】2022年1月5日(水)
NHK-BS1で生中継(16:00~、19:00~)
【決勝】2022年2月27日(日)
NHK-BS1で生中継(14:00~)