様々なカテゴリーの大会へのアプローチ
ーはじめに、JYDパートナーになった背景について教えてください。
村石:以前からトレーナーの方々を通じて弊社のテーピングをJFA様でも使用頂いていることがきっかけで、JYDのお話しをお聞きしました。2016年からオフィシャルパートナーとして参加しています。
パートナーとなった理由は、JFA様の「サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する」という理念と弊社の基本理念にある「私たちは絆を大切にニチバングループにかかわるすべての人々の幸せを実現します」といった考えが合致したのがいちばんの理由です。
ー実際のスポンサーメリットとしては、どういったことを感じているのでしょうか?
村石:オフィシャルパートナーなので、育成年代やシニアカテゴリー、レディースカテゴリーなど様々なカテゴリーへアプローチできることです。幅広い世代の選手、関係者の方々と直接関わることができるのは、圧倒的なメリットですね。
様々なカテゴリーで安心・安全にプレーを楽しんでいただけるような環境づくりのお手伝いをメディカルの領域で支援していきたいと思います。
アクティベーションを通じて
お客様と「直接コミュニケーション」をとる現場に
ー実際に大会では、どういったアクティベーションを実施しているのでしょうか?
村石:例えばシニア大会やレディース大会でのテーピングサービスです。ブースを出展し、大会に出場される選手へ弊社契約トレーナーよりテーピングサービスを行います。そこで弊社のテーピング等の製品を使用頂くことで体験の機会を創出しています。また、協賛大会で救急絆創膏の「ケアリーヴ」等のサンプリングも行なっています。
村石:メーカーは、小売を通じて販売することが多いです。お客様に直接製品を渡して、声を聞く機会は意外と少ないです。アクティベーションを通じて弊社社員自らが製品について説明し、その場で使っていただける機会は貴重です。「お客様とのコミュニケーション」という課題に、JYDを通じて取り組めています。
観戦者の方々に楽しんでいただける企画作りにも、力を入れています。例えば天皇杯でのブース出展時には、サンプリングだけではなく来場されたお客様に楽しんでいただける様にキックターゲットや抽選会を開催して、お客様に楽しんで頂ける空間作りを行なっています。
ートレセンのセミナーも実施されていますよね。
村石:はい。U-12カテゴリーの保護者様向けにセミナーを行ないました。ケガ予防や応急処置についての動画を見てもらったり、テーピングの使い方を実演したりしました。
熱心な親御さんが多かったですね。具体的な場面をイメージしながら理解を深めていただけたようで、非常に勉強になったという声をいただきました。
正しいメディカル知識の普及。パートナーとして一致している思い。
ーアスレティックトレーナーを対象とした育成プロジェクト「SOCCER MEDICAL CAMP」の開催も、JYDならではの取り組みかと思います。
村石:次世代のアスレティックトレーナー育成を目的に「SOCCER MEDICAL CAMP」を開始しました。サッカー日本代表のアスレティックトレーナー・ドクターをはじめ、日本サッカー界のメディカル領域で活躍するそうそうたる講師陣から受講生へ、サッカーの現場で求められる知識、経験、考え方を伝えるセミナーを実施しています。メディカルの領域から安心、安全にプレーできる環境づくりを支援出来ればと思いスタートしました。2019年にスタートし、2020年は新型コロナウイルスの影響で実施を見送りましたが、2021年はオンラインを中心に実施しました。
(左)日本代表チームにも帯同するアスレティックトレーナーによるテーピング実践指導(右)受講生も実践
村石:2021年は、新たにグループワークを実施しました。アスレティックトレーナーの環境について課題や改善策を話し合い、グループごとに発表してもらいました。当事者意識を持って熱心に取り組んでいるのが印象的でした。
また、第1回の参加者が、今回は講師として来てくれました。受講生が教える立場になって戻ってきてくれることは、非常に良い循環だと思います。
メディカルキャンプで学んだ方々が将来現場で知識や考え方を広げていき、サッカー界だけでなくスポーツ界全体におけるメディカルへの理解が深まる様になればと思います。
ー今後、JYDのパートナーとして取組んでいきたいことをお聞かせください。
村石:若い世代に、ケガ予防の重要性を認識していただきたいです。「ケガが少なくなり、競技パフォーマンスが上がった」といった声が挙がる環境を作りたいと考えています。ここの思いがJFA様とも一致していますし、JFA様と組むことがわれわれの事業の発展にも繋がっています。
コロナ禍を通じて、世間の健康意識は高まり、必然的に、日常生活の中で健康について考える機会が増えました。時代の流れに応じて、スポーツシーンにとどまらず日常生活の中から支えていけるような取り組みを行っていきたいと考えています。