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鹿島は逆転勝ちで次へ望み、浦和は敗退決定 ~AFCチャンピオンズリーグ第5節1日目~
2015年04月22日
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2015は4月21日にグループステージ第5節が行われ、グループHの鹿島アントラーズが敵地で昨年大会覇者のウェスタン・シドニー・ワンダラーズ(オーストラリア)にFW金崎夢生選手の後半アディショナルタイムのゴールで2-1の逆転勝ちを収め、ノックアウトステージ進出の望みをつなぎました。
グループGの浦和は、ホームで水原三星ブルーウィングス(韓国)に2-1で敗れ、最終節を残して大会敗退が決まりました。
グループステージ突破の希望をつなぐために勝利が必要な鹿島は、シドニーで激しい雨と風の中での戦いとなり、前半24分にFWニキータ・ルカヴィチャに先制点を決められます。鹿島はMFカイオ選手やDF山本修斗選手らが積極的にシュートを放ち、前半37分にはMF遠藤康選手がミドルシュートで狙いますが、相手GKに阻まれて得点できません。
後半に入ると、鹿島は60分にDF植田直通選手に代えてFW高崎寛之選手、61分に遠藤選手に代えて怪我から復帰したMF小笠原満男選手を投入します。すると、66分にMF青木剛選手からのロングパスを受けたMF土居聖真選手が、右足を振り抜いて同点弾を叩き込みます。
鹿島はその後も攻め続け、後半アディショナルタイムに速いパス展開から左サイドでパスを受けた山本選手がクロスボールを送り、これをゴール前へ走り込んだ金崎選手が右足で捉えて相手ゴールに押し込みました。
2試合連続の終了間際の決勝点で鹿島は2連勝で勝点を6に伸ばし、グループHで3位に浮上。5月5日の最終節で2位のFCソウル(韓国)に勝てばラウンド16進出が決まります。ソウルは首位の広州恒大(中国)と0-0で引き分けて勝点で鹿島と並び、ウェスタン・シドニーは勝点5で4位になりました。
一方、ここまで4戦1分け3敗の浦和はホームで水原と対戦。16強入りの望みをつなぐためには勝利が必要でしたが、リーグ戦から大幅にメンバーを入れ替えて臨んだ前半は攻守でリズムがつかめず、特に守備では相手を捉えきれずに攻め込まれる苦しい展開になりました。
20分には、ここまで4戦3得点のソ・ジョンジン選手に、30分にはDFヤン・サンミン選手、40分にはMFクォン・チャンフン選手にシュートを打たれますが、GK西川周作選手の再三の好セーブに助けられます。
0-0で迎えた後半、浦和はMF阿部勇樹選手、MF梅崎司選手、FWズラタン選手の3人を一度に交代で送り込みます。すると、チームの動きが改善され、速いパス展開から好機が生まれるようになります。
58分、59分にはMF高木俊幸選手が立て続けにシュートを放ってゴールを狙い、68分にはズラタン選手が相手ゴールを脅かします。そしてその1分後、左サイドでパスを受けた高木選手からのクロスボールに、ファーサイドで相手DFの裏に走り込んだズラタン選手が頭を合わせて、ゴールネットを揺らしました。
しかしその後、浦和は前掛かりになったところを水原に左サイドから攻め込まれます。そして74分、MFヨム・ギフン選手の左クロスにゴール前へ走り込んだMFコ・チャウォン選手に頭で合わされて、同点にされました。
勝てば16強入りが決まる水原は、その1分後にもMFペク・ジフン選手がゴールを狙います。そして88分、ヨム選手の左クロスに、交代出場のFWカイオ選手がニアに走り込んで左足で合わせてゴールネットを揺らし、勝ち越しました。
2007年には大会を制した浦和でしたが、今大会では5戦で勝点1。最下位を抜け出せないまま、敗退が決まりました。なお、この日の勝利で水原は勝点10。ブリスベン・ロアー(オーストラリア)が敵地で首位の北京国安(勝点10)に1-0で勝って勝点を7にしました。
監督・選手コメント
トニーニョ・セレーゾ 監督(鹿島アントラーズ)
非常に強い相手との対戦で、我々の勝利の価値が高まりました。我々はやるべきことをしっかりやって勝利を手にし、勝ったことでグループステージ突破の望みを引き寄せることができました。ただ、まだ1試合残っているので、そう簡単にはいかないと思っています。(次の試合でも)グループステージ突破をしたいという強い意志を持って、ピッチの中で表現しなければなりません。
ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(浦和レッズ)
今日我々に残っていたチャンスをつかみ取ることが出来ず、最終節を前にグループステージ敗退が決まって非常に残念です。最後まで我々を信じて応援してくれたサポーターに申し訳なく思います。前半は今季最悪の出来で、相手に決定機を何度も作られて0-3でもおかしくない展開でしたが、西川選手のおかげで乗り切りました。後半は我々がチャンスを作ってリードしたのですが、追加点のチャンスに決めきれず、相手に得点を許してしまいました。今回のACLでは初戦のアウェイでの水原戦から歯車がかみ合わないところがありました。何かが足りなかったということだと思います。
GK 西川周作 選手(浦和レッズ)
勝つための努力を90分やって負けた結果を、真摯に受け止めたいと思います。(敗因は)ちょっとしたところが足りないのだと思います。そこを詰める作業を一人ひとりが責任感を持ってやるしかないと思います。
MF 梅崎司選手(浦和レッズ)
勝負のむずかしさというか、決めるべきところで決めないと、こういう結末が待っているのだと改めて感じましたし、フィニッシュの重要性を痛感しました。
ソ・ジョンウォン監督(水原三星ブルーウィングス)
体力面とレギュラー選手6人を怪我で使えない状況だったので、大変な試合になることは予想していましたが、選手たちがよくやってくれました。前半チャンスがあったのに活かせず、後半先に失点して苦しい流れになりましたが、Kリーグでもそうであるように、後半盛り返すことができました。カイオ選手とコ・チャウォン選手の交代起用が成功したと思います。浦和のことはJリーグの試合を全て見て分析していました。それが選手たちのハードワークと今日の結果につながったと思います。