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広島が5年ぶりの16強進出、鹿島はアウェイ黒星で決定持ち越し ~AFCチャンピオンズリーグ2019~
2019年05月09日
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)2019のグループステージ第5節が5月8日(水)に行われ、グループFのサンフレッチェ広島がホームで中国強豪の広州恒大に1-0で勝ち、1試合を残して5年ぶりの16強入りが決定。グループEの鹿島アントラーズはアウェイでジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)に0-1で敗れて、16強進出は最終節に持越しとなりました。
広島、前半の得点を守り切る
2度の大会優勝経験のある広州恒大に勝点2差で上回り、引き分け以上で16強入りが決まる広島は、前回3月のアウェイでの対戦で0-2で敗れた相手に今回はホームで反撃。試合開始から積極的にサイドから仕掛け、前半15分にCKから先制します。
MF森島司選手のCKに日本代表DF佐々木翔選手がニアサイドで右足を軽く後ろに流すように合わせると、ボールは相手DFに当たってゴールネットを揺らしました。
この先制点で主導権を握った広島は、直後にも佐々木選手がピッチ中央をドリブルで持ち上がってシュートを放ち、30分過ぎにはFWパトリック選手がFKに反応してシュートを狙い、相手ゴールを脅かします。
広州は今大会4ゴールを挙げているMFアンデルソン・タリスカ選手を負傷で欠き、ブラジル代表MFパウリーニョ選手や中国代表FWガオ・リン選手を中心に反撃を試み、42分にはMFジャン・シウェイ選手がペナルティエリアの外からシュートを放ちますが、広島DF野上結貴選手が素早い反応でゴールエリアに入り、これをクリアします。
広州は後半開始から交代カードを2枚使って攻撃的な選手を投入し、ボールを持つ時間が長くなり、ゴールへ迫る場面も増えますが、広島は組織的な守備で冷静に対応。相手としっかり競り合います。
それでも、ガオ選手が75分に右サイドからシュート放ち、88分には正面から右足のボレーでゴールを狙いますが、GK大迫敬介選手がセーブ。ゴールを割らせません。
広島は終盤、途中出場のFW皆川佑介選手がFKに頭で合わせ、これは相手GKに阻まれて追加点はなりませんでしたが、チームは最後まで安定したプレーを見せて1-0で4連勝。2014年大会以来となるノックアウトステージへ進出を決め、日本から出場4チームで一番乗りとなりました。
他会場では大邱FC(韓国)がホームでメルボルン・ビクトリー(オーストラリア)に4-0の大勝で勝点を9として2位に浮上。3位に後退した広州との最終節で、いずれかの突破が決まります。
鹿島、後半の失点で2連敗
グループEで2位に付ける鹿島は、引き分け以上であれば他会場の結果次第で突破条件の2位以内が確定するところでしたが、前回3月の鹿島での1-2の敗戦を含めて1分3敗で最下位に沈むジョホールに、高温多湿の厳しい環境の中で苦戦を強いられました。
鹿島は、出場停止が解けたDF町田浩樹選手とDF犬飼智也選手の両センターバックが戻り、右サイドバックにMF永木亮太選手を起用して臨み、アウェイでも攻めの姿勢を見せて、MFレオ・シルバ選手やMF安部裕葵選手、FW伊藤翔選手らが相手ゴールに迫りますが、得点には至りません。
試合が動いたのは後半でした。
FWジオゴ選手を出場停止で欠きながらも、ジョホールは69分にスルーパスを受けたMFシャフィク・アハマド選手が左サイドを抜けてペナルティエリアに切り込むと、ゴールを決めて均衡を破りました。
前回大会優勝の鹿島は直後にMF土居聖真選手、その後もFW金森健志選手、FW山口一真選手をベンチから送り込みますがゴールは奪えず、0-1で2連敗。ACL初出場のジョホールは、大会初白星を手にしました。
他会場では、首位の山東魯能(中国)がホームで慶南FC(韓国)を2-1で下して勝点を11に伸ばし、1位での突破が決定しました。
この結果、慶南に勝点2差でリードを保っている鹿島は、最終節のホームでの山東戦に勝つか引き分けであれば、他会場の結果に関係なく、ノックアウトステージ進出が決まります。敗れた場合は、慶南とジョホールが引き分けであれば突破となり、勝敗がつくと鹿島の敗退となります。
東地区の最終節は5月21日(火)、22日(水)に行われます。
監督・選手コメント
城福浩 監督(サンフレッチェ広島)
選手がタスクを全うして、90分集中して戦ってくれました。試合は我々のゲームプラン通りで、相手は最後に個の力でガオ・リン選手やパウリーニョ選手のキープ力を使って湧き上がるような攻撃を仕掛けてくることも分かっていました。そこでどう蓋をしていくかという準備もして、想定内のところでしっかりできました。初戦のアウェイでの広州戦が非常に良い学びの機会になって、前半の入りを間違えると難しい試合になることもアウェイの難しさも感じることができました。あの試合を経験した若手が今日の試合で力を発揮したことに、大きな意義を感じます。メンバーを替えながら突破できたことをうれしく思います。
GK 大迫敬介 選手(サンフレッチェ広島)
突破がかかった大事な試合で、完封で勝利できて良かったです。最近はリーグ戦を含めてゼロで抑えた試合がなかったのですが、全員で守る意識がありましたし、意思の疎通ができていました。最終ラインの上げ下げもコントロールもうまくできていたと思います。ノックアウトステージではもっと強い相手と対戦できますし、強い相手に勝つことでチームの自信にもなります。どんどん厳しい試合になりますが、今日のような試合を続けていきたいと思います。
DF 佐々木翔 選手(サンフレッチェ広島)
広州での初戦では自分たちのサッカーができなかったので、今日はリベンジのつもりで戦いました。自分たちの力をしっかり発揮することが鍵だったと思います。CKでチャンスも作れていて、得点場面は良いボールが来て僕のゴールになりましたが、みんなの得点だと思っています。チーム全体で非常に良いトレーニングをしていますし、それを出せたことで、この結果につながりました。1試合1試合、広島らしいサッカーをしたいです。
MF 清水航平 選手(サンフレッチェ広島)
勝てば1位突破が決まる試合で、難しい試合になりましたが、勝点3を獲って1位突破できてうれしく思います。アウェイの対戦では、後半自分たちのプレーがうまくいったところがあったのですが、その考えでいくと危ないと思い、今日は全く別のチームと切り替えて臨みました。それが勝点3につながったと思います。
ファビオ・カンナバーロ 監督(広州恒大)
この結果は想定外でした。前半15分で失点したことで、我々がやりたかったことができなくなってしまいました。後半、交代を使って戦術を変えて対応して、少し良くなりましたが得点はできませんでした。この試合が大事なことも難しい試合になることも分かっていました。ドローで終われていたら1位突破の可能性があったのですが、これで最終戦には勝たなくてはならなくなりました。
大会期間:
プレーオフ:2019年2月5日(火)~19日(火)
グループステージ:2019年3月4日(月)~5月22日(水)
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