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川崎勝利で神戸、横浜FMとACLEトップ4入り、広島もアウェイで引き分け無敗をキープ
2024年11月29日
AFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)2024/25の東地区リーグステージ第5節が11月26日(火)、27日(水)に各地で行われ、川崎フロンターレ、ヴィッセル神戸、横浜F・マリノスがそれぞれ勝利。川崎が4位に浮上して、首位の神戸、3位の横浜FMとともに日本から出場している3チームがトップ4入りとなりました。
AFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)2024/25 東地区で既に16強入りを決めているグループEのサンフレッチェ広島は、カヤFC・イロイロ(フィリピン)とのアウェイ戦で引き分けて4勝1分で無敗をキープしています。
川崎、ブリーラムに終盤に3得点をあげ、2連勝で4位浮上
川崎は11月26日(火)、アウェイでタイリーグ王者のブリーラム・ユナイテッドと対戦。試合終盤にDF三浦颯太選手、途中出場のFW遠野大弥選手と公式戦デビューのFW神田奏真選手がそれぞれ追加点を挙げて3-0で勝利。3勝目で勝ち点を9として4位に浮上しました。
前節を終えて勝ち点6で8位の川崎と、勝ち点7で6位のブリーラム。リーグ上位8チームが手にできるノックアウトステージ進出へ勝利が欲しい両チームの一戦は、前半はブリーラムがボールを保持して攻撃を展開。左サイドのDFティーラトン・ブンマタン選手からMFルーカス・クリスピム選手がゴール前で合わせる場面を作るなど、川崎は我慢の時間が続きます。
高温多湿でお互いにスローな展開が続く中、川崎は三浦選手の左サイドからの突破を起点にFWエリソン選手やゴール前に顔を出したDF佐々木旭選手、FW小林悠選手がシュートを狙いますが、相手GKのセーブもあってゴールには至りません。大きな決定機は後半開始早々、MF橘田健人選手のスルーパスにMF瀬川祐輔選手がペナルティエリアへ抜け出してシュートを放ちましたが、これも相手GKに阻まれました。
徐々に攻め込む時間が増えてきた川崎は、63分に遠野選手とFW山田新選手を投入すると、直後に遠野選手の左クロスからエリソン選手が放ったシュートがポスト直撃の場面を作り出すなど、ゴールに迫る場面が増えます。
均衡が破れたのは79分でした。MF山本悠樹選手のスルーパスを受けた瀬川選手がペナルティエリア右からクロス。これを逆サイドから走り込んできた三浦選手が左ボレーで合わせて先制します。
1点を追うブリーラムも90分、途中出場のFWギリェルメ・カンポス選手が川崎DF陣の裏を取ってシュートを放ちましたが、GKチョン・ソンリョン選手が阻止しました。
川崎は後半アディショナルタイム4分に、山田選手の右サイドからのパスをファーサイドで捉えた遠野選手が右足で流し込んで2-0とし、その3分後には直前に交代出場していた神田選手が相手ボールをカット。遠野選手に預けたリターンをゴール前で押し込んで3-0として勝ち点3を手にしました。
川崎は今大会初戦のアウェイ戦で蔚山HD(韓国)に勝利を挙げながら、その後2連敗を喫する苦しい序盤戦を経て2連勝。次節は12月4日(水)にホームで山東泰山(中国)と戦います。
神戸、佐々木選手の決勝ゴールで首位キープ
神戸は11月26日(火)、ホームでセントラルコースト・マリナーズ(オーストラリア)と対戦。FW佐々木大樹選手の試合終盤のゴールで3-2と競り勝ち、勝ち点を13に伸ばしてリーグステージ首位をキープしました。
5大会ぶり2度目の天皇杯優勝達成から中2日で迎えた一戦に、神戸は先発メンバー全員を入れ替えて臨み、出場機会を得た顔ぶれが奮闘します。神戸は前半40分、MF汰木康也選手の左サイドでのFKをニアサイドでDF岩波拓也選手が頭で流し、これをゴール前のDF菊池流帆選手が頭で合わせて先制します。
1点リードで前半を折り返すと、神戸は後半開始4分、汰木選手のサイドチェンジからボールを受けたDF広瀬陸斗選手が右サイドからクロス。MF山内翔選手がゴール前で相手GKと競り合って相手のオウンゴールを誘い、神戸がリードを2点に広げます。
ここまで1分3敗で11位に低迷するセントラルコーストは初勝利を目指して反撃。54分、MFミカエル・ドカ選手がゴール前へクロスを入れると、クリアを試みた神戸選手のボールがゴールに流れてセントラルコーストが1点を返します。勢いを得たセントラルコーストは相手にプレスをかけ、中盤のスペースを使ってボールをつなぎ、74分には途中出場のFWベイリー・ブラントマン選手がドカ選手のパスを左足で流し込み、同点とします。
しかし、この嫌な流れを佐々木選手が一掃。81分、佐々木選手はペナルティエリアの手前でMF鍬先祐弥選手の縦パスを受けると、振り向きざまに右足でシュート。強烈な一撃はセーブを試みた相手GKの手を弾いてゴールネットに突き刺さりました。
競り勝った神戸は4勝1分として無敗をキープ。セントラルコーストは1分4敗です。神戸は次節12月3日(火)にアウェイで浦項スティーラーズ(韓国)と対戦します。
横浜FM、浦項に2-0で2連勝
横浜FMは27日(水)、ホームで浦項と対戦し、FWヤン・マテウス選手とFWアンデルソン・ロペス選手のゴールで2-0と勝利を収め、2連勝で3位をキープしました。
横浜FMが試合序盤から攻撃を展開。マテウス選手、ロペス選手をはじめ、ボランチでプレーしたDF小池龍太選手やFW西村拓真選手らが次々と相手ゴールを脅かします。先制は前半41分、DF松原健選手の右サイドで相手ボールをカットし、パスを受けたロペス選手がペナルティエリアに持ち込んでゴール前に折り返すと、マテウス選手が右足でゴール左隅へ流し込みました。
ここまで2勝2敗で7位の浦項は、週末の国内カップ戦を控えて主力の多くを温存して臨み、前半は守備に追われる展開でしたが、後半は3バックから4バックに変えて、選手交代で左サイドからゴールに迫る場面を作るようになります。
しかし、横浜FMは後半も攻め手を緩めず、ロペス選手を中心に相手ゴールを脅かします。追加点は後半アディショナルタイム。右CKの機会にゴール前で松原選手がファウルを受けてPKを獲得。これをロペス選手が決めて2-0としました。
ところが、その4分後。浦項が最大の得点機を迎えます。FWカン・ヒョンジェ選手がペナルティエリアで倒されてPKを獲得し、18歳のFWキム・ミョンジュン選手がキッカーを務めます。しかし、横浜FM守護神のGK飯倉大樹選手がこれをブロック。クリーンシートを守りました。
横浜FMは今大会初戦をアウェイで光州FC(韓国)に敗れて落としたものの、その後は3勝1分として調子を上げています。次節は12月3日(火)にアウェイでセントラルコーストと対戦します。
このほかの会場では、山東泰山がホームでジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)に1-0で勝ち、光州FCもホームで上海申花(中国)に1-0で勝ち点3を積み上げましたが、蔚山はホームで上海海港(中国)に1-3で敗れて5連敗となりました。
この結果、神戸が勝ち点を13に伸ばして首位をキープ。勝ち点1差で光州が2位、3位に勝ち点10の横浜FMがつけ、これを勝ち点9で4位に浮上した川崎が追っています。5位のジョホールから6位上海申花、7位山東泰山、8位上海海港、9位ブリーラムまでは勝ち点7で得失点差での争いで、これを勝ち点1差で10位の浦項が追っています。11位セントラルコースト(勝ち点1)と12位蔚山(勝ち点0)は厳しい戦いが続いています。
ACLEリーグステージは12チーム中上位8チームまでがノックアウトステージへ進出できます。リーグステージは残り3節となり、次節12月3日(火)、4日(水)以降は来年2月11日(火・祝)、12日(水)に再開。同18日(火)、19日(水)に最終節を迎えます。
広島、FW井上選手の公式戦初得点でカヤFCとドロー
ACL2ですでにノックアウトステージ進出を決めている広島は28日(木)、アウェイでカヤFC・イロイロと対戦。フィリピンの高温多湿の気候と慣れない人工芝に苦しみながらも、FW井上愛簾選手の同点ゴールで1-1と引き分けて、勝ち点を13に伸ばしました。
週末に優勝のかかるJ1リーグの試合を控えて主力温存のメンバーで挑んだ広島でしたが、勝てば16強進出の望みをつなげるカヤFCの攻撃に苦戦します。
前回9月の広島での対戦では0-3と敗れたカヤFCは、試合開始からFW堀越大蔵選手を中心に左サイドから積極的に攻撃を展開。これが18分のFW駒木秀人選手の先制点に結びつき、カヤFCが前半を1-0リードで折り返します。
広島は後半開始からDF新井直人選手、DF中野就斗選手、MF松本泰志選手を投入して反撃に出ますが、その8分後に新井選手が足を痛めて負傷交代を余儀なくされ、MF柏好文選手を投入します。松本選手とFW満田誠選手を中心に攻撃が活性化した広島は、60分過ぎから相手ゴールを脅かす場面が続くようになり、68分に待望のゴールが生まれます。
松本選手の左クロスを満田選手がペナルティエリア右サイドに走り込んでダイレクトで折り返し、MFマルコス・ジュニオール選手が相手DFと競り合いながら落とすと、井上選手がゴールネットを揺らしました。井上選手は公式戦初ゴールです。
広島はその後も左サイドのスペースを使って攻撃を展開しますが追加点はならず、1-1で引き分けました。
この結果、カヤFCは勝ち点4となり、2位のシドニーFC(オーストラリア)が東方(ホンコン・チャイナ)とのアウェイ戦を4-1で勝って勝ち点を9に伸ばしたため、1節を残してシドニーの2位が確定。3位のカヤFCの突破の可能性はなくなりました。
広島は次節12月5日(木)のグループステージ最終節、ホームで東方と対戦します。
監督・選手コメント
鬼木達 監督(川崎フロンターレ)
今日のミッションである勝ち点3を取れたことをうれしく思います。我慢が必要なゲームでしたが、選手たちは交代選手も含めて全員で雰囲気良く戦おうと、最後まで良い試合をしてくれました。その結果が3-0の勝利になったと思います。自分にとっては(川崎での)ACLEアウェイ戦ラストでしたが、来年につなげるために勝たなければいけないという思いで戦いました。頑張ってくれた選手たちに感謝しています。
DF 三浦颯太 選手(川崎フロンターレ)
前半と後半の立ち上がりであまりうまくいかない中、瀬川選手から優しいボールが来て、ボレーシュートは抑えて打つことができました。先制点を自分が決めるとは思っていませんでしたが、落ち着いて合わせることができたと思います。最終的には気持ちの部分が結果につながったと思います。
FW 佐々木大樹 選手(ヴィッセル神戸)
毎試合毎試合意識はしていますが、今日は本当に全力を出し切ったなという感じです。天皇杯決勝に出られなかったメンバーもいて、みんなが力を出し切って手にした勝利です。チームとしては後半から距離感を大事にしようと話していて、その結果僕がフリーになれて、思い切って振った結果がゴールになってよかったです。(前半にあったチャンスにも)決めきれないと今日のように追いつかれるので、FWとしてはもっと早い段階にゴールがほしかったなと思います。
ジョン・ハッチンソン 監督(横浜F・マリノス)
いい結果ですし、いいパフォーマンスでうれしく思います。低い位置にブロックを作ってきた相手の守備やカウンター攻撃に難しいところもありましたが、後半のチャンスに2得点で、もう少しゴールを取れていてもおかしくなかったと思います。今大会序盤は苦しみましたが、その後は良い勝利が続いています。選手たちが良くやってくれていて、監督としてうれしい限りです。
FW ヤン・マテウス 選手(横浜F・マリノス)
相手の守備ブロックに難しい時間帯もありましたが、後半相手が4バックになってサイドのスペースが生まれて1対1のチャンスが増えました。もっと得点していてもおかしくなかったと思いますし、勝ちに値するパフォーマンスをしたと思います。得点を求め続けた結果で、次に進むために大事な勝ち点を取れてよかったです。
FW 井上愛簾 選手(サンフレッチェ広島)
チームとしてもFWとしてもゴールが欲しかった展開で、ああいうところで泥臭く決められてよかったです。このあとJリーグとACLがありますが、どちらも大事なゲームです。リーグは優勝が懸かっているので、厳しい日程ですが、チーム一丸となって勝ちに向かって進んでいきたいです。