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ACLE初戦で川崎が勝利、神戸ドロー発進も横浜FM大敗、ACL2の広島は快勝スタート

2024年09月20日

ACLE初戦で川崎が勝利、神戸ドロー発進も横浜FM大敗、ACL2の広島は快勝スタート

アジアクラブのトップを決めるAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)2024/25の東地区リーグステージが9月17日(火)に開幕。いずれもアウェイ戦となった日本勢は川崎フロンターレが蔚山HD(韓国)に1-0で勝利し、ヴィッセル神戸もブリーラム・ユナイテッド(タイ)に0-0で引き分けて勝ち点を手にしましたが、昨季準優勝の横浜F・マリノスは光州FC(韓国)に3-7の大敗を喫しました。

また、AFCチャンピオンズリーグ2(ACL2)2024/25の東地区グループステージも始まり、サンフレッチェ広島が19日(木)にホームでカヤFC・イロイロ(フィリピン)に3-0の快勝で好スタートを切りました。

川崎、アウェイで蔚山HDに勝利

川崎が過去6大会で対戦している韓国Kリーグ王者の蔚山HDとのアウェイでの対戦を、ハードな守備とFWマルシーニョ選手の後半のゴールで1-0と勝利しました。

川崎はチーム全体で守備の意識が高く、FW小林悠選手、MF脇坂泰斗選手らが前線から相手にプレッシャーをかけて、蔚山に思うような攻撃の形を作らせません。守備で試合のペースをつかむと、攻撃では荒れたピッチコンディションを考慮して、足元でつなぐスタイルにとらわれずに柔軟にプレー。前半の途中から徐々に攻撃の時間が増えるようになります。

川崎は0-0で前半を折り返すと、後半序盤からマルシーニョ選手が左サイドで抜け出してゴール前にクロスボールを送る場面が続きます。そしてその直後の54分、左サイドで仕掛けたマルシーニョ選手が中央に切り込んで右足を振りぬき、先制に成功しました。

昨季Kリーグで2連覇を達成し、現在もリーグ首位に立つ蔚山は、今年7月から指揮を執るキム・パンゴン監督の下、後半半ばからロングボールを使って反撃を試みます。71分にはFWチョ・ミンギュ選手と途中出場のMFコ・スンボム選手が連続シュートで川崎ゴールを脅かしますが、DF三浦颯太選手が鋭い反応でどちらも阻止します。

蔚山は途中出場のFWギオルギ・アラビーゼ選手が85分に、FWヤゴ・カリエロ・リベイロ選手が後半アディショナルタイムに、それぞれゴールを狙いますが、川崎守護神のGKチョン・ソンリョン選手が好セーブを披露してゴールを割らせません。守備のハードワークと冷静な試合運びを見せた川崎が、“宿敵”を相手に初戦をモノにしました。

川崎は次戦、10月1日(火)にホームで光州と対戦します。

横浜FM、初戦で7失点の大敗

前回大会で決勝に進出した横浜FMでしたが、アウェイで対戦した昨季Kリーグ3位で大会初出場の光州FCに、守備の甘さを突かれて序盤から2失点を許す苦しい展開となり、FWエウベル選手が2得点を奪うも立て直せないまま、初戦で痛い黒星を喫しました。

9月13日(金)のJ1リーグ京都戦の先発からエウベル選手とMF渡辺皓太選手以外、GKと最終ライン4枚を含めた9人を入れ替え、主力を温存して臨んだ横浜FMでしたが、光州はイ・ジョンヒョ監督の下、アグレッシブなプレーを披露。横浜は競り合いで勝てず、失点を重ねます。

前半2分でMFヤシル・アサニ選手に、15分にはMFオ・フソン選手に決められて2点のビハインド。前半34分にDF上島拓巳選手のロングフィードを起点に、DF加藤聖選手のパスを受けたエウベル選手が1点を返しますが、後半も相手の攻勢に対応できず、55分にアサニ選手に右サイドから中に入られて2点差とされます。

その4分後にエウベル選手がMF天野純選手のパスを受けて再びゴールネットを揺らして点差を詰め、さらに選手交代で流れを変えようとしますが、守備の甘さは変わらず、68分、72分、74分と連続失点。さらに、78分にはDFエドゥアルド選手が途中出場から1分後に一発退場で、数的不利になります。

横浜FMは途中出場のFW西村拓真選手が85分に1点を返しましたが、後半アディショナルタイムに、アサニ選手にハットトリック達成となる7点目を許して終了。初戦で躓いた昨年大会に続き、厳しいスタートになりました。

横浜FMの次戦は10月2日(水)、ホームで蔚山と対戦します。

神戸、粘り強い戦いでブリーラムとドロー

2020年大会ベスト4の神戸は、アウェイでタイのブリーラム・ユナイテッドと対戦し、0-0で勝ち点1を手にしました。

神戸はFW大迫勇也選手をベンチ外、DFマテウス・トゥーレル選手をベンチスタートとするなど直近のリーグ戦から先発メンバーを入れ替えて臨み、後半は選手交代を生かしながらゴールに向かいますが、ブリーラムの堅守に苦戦します。

神戸は序盤、かつて神戸でもプレーしたMFティーラトン・ブンマタン選手を中心に積極的に仕掛けるブリーラムに押される場面もあり、前半7分にはVARの介入でPKの有無を確認する一幕もありましたが、次第にチャンスを作るようになります。前半25分には左CKにMF井手口陽介選手が右足ボレーで合わせて、42分にはFW宮代大聖選手がミドルから狙いますが、相手GKを中心とした堅守に阻まれます。

神戸は後半開始から投入されたFW武藤嘉紀選手を中心に攻撃を展開。70分には武藤選手とMF佐々木大樹選手の連続シュートで相手ゴールを脅かしますが、相手GKとDFに阻止されてゴールはなりません。その後も武藤選手や途中出場のDFマテウス・トゥーレル選手が相手ゴール前に迫りますが、最後までゴールを割ることはできず、引き分けで初戦を終えました。

神戸は次戦10月2日(水)にホームで山東泰山(中国)と対戦します。

このほかの試合では、上海申花(中国)が浦項スティーラーズ(韓国)に4-1、山東泰山がセントラルコースト・マリナーズ(オーストラリア)に3-1で勝利。上海海港(中国)はジョホール・ダルル・タクジム(マレーシア)と2-2で引き分けました。

この結果、初戦を終えて大量得点での勝利を挙げた光州が首位に立ち、上海申花、山東泰山、川崎が勝ち点3を手にして得失点差で2位から4位の順で追い、次いで勝ち点1のジョホール、上海海港、ブリーラム、神戸が得点数の多さでこの順に5位から7位につけています。勝ち点のない蔚山、セントラルコースト、浦項、横浜FMが得失点差でそれぞれ9位から12位でのスタートとなりました。

AFCは今季からクラブ大会をACLE、ACL2とAFCチャレンジリーグの3大会に再編成。ACLEでは東西各地区に分かれて12チームでのリーグステージを行い、各チームがホームで4試合、アウェイで4試合を行い、12チーム中上位8チームまでがノックアウトステージに進出できます。優勝チームは毎年開催されるFIFAインターコンチネンタルカップと2025年から4年に一度開催予定のFIFAクラブワールドカップへの出場権を手にできます。

広島、満田選手3アシストでカヤFC・イロイロに勝利

ACL2のグループEに入った広島は、9月19日(木)にホームでフィリピンリーグ王者のカヤFC・イロイロと対戦し、FW満田誠選手が全得点をアシストする活躍で3-0の勝利です。

広島は14日(土)のJ1リーグ鹿島戦から先発メンバーを大幅に入れ替えてACLでの経験も豊富なMF青山敏弘選手、MF柏好文選手、MF茶島雄介選手らを起用。守備を固めてカウンターを狙う相手にサイド攻撃からチャンスをつくります。

前半37分に満田選手がペナルティエリア左に切り込んでFWドウグラス・ヴィエイラ選手が右足で合わせて先制すると、後半開始から出場したFWゴンサロ・パシエンシア選手が54分に満田選手のパスを受けてゴールネットを揺らし、鹿島戦に続く公式戦2戦連続ゴールで2-0とします。

攻撃のリズムが出た広島は64分には、満田選手の左クロスにDFイヨハ理ヘンリー選手が頭で合わせて3点目を決めます。その後も選手交代を生かしながら最後まで攻勢を維持し、失点を許さずに快勝。中盤で攻守を支えたMF中島洋太朗選手はプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれました。

他会場では同組のシドニーFC(オーストラリア)がホームで東方(ホンコン・チャイナ)に5-0で勝利。この結果、広島はグループ首位のシドニーに続いて2位でのスタートです。次戦は10月3日(木)にアウェイで東方と対戦します。

ACL2では従来の大会方式を踏襲。全32チームが東西各地区でグループステージを行い、各組上位2位までがノックアウトステージに進出。決勝で東西のトップが対戦し、優勝チームは今季の国内リーグの結果にかかわらず来シーズンのACLE出場権を獲得できます。

監督・選手コメント

鬼木達 監督(川崎フロンターレ)
ACLの初戦で勝てたことをうれしく思います。初戦の難しさや気候、ピッチ、相手の圧力と、非常にタフなゲームでしたが、その中で選手は狙いを持って戦って、アグレッシブに最後まで体を張ってくれました。得点を取れたことも素晴らしいですし、最後まで失点ゼロで押さえた姿勢は評価されるべきものです。前線からの守備で(相手に)簡単に前進させないことを選手たちが粘り強くやってくれて、攻撃ではピッチ状況もあったので相手を引き出してから背後を狙いつつ、中盤のスペースを作れて、マルシーニョがゴールを決めてくれました。

FW マルシーニョ 選手(川崎フロンターレ)
勝ってスタートを切ることができて、チームメイトのみんなにおめでとうと言いたいです。アウェイで難しい試合だとわかっていましたが、自分のゴールで勝利に貢献でき、大会をスタートすることができたのは、すごくうれしいです。ACLのタイトルを獲るために、自分たちがやるべきことを続けていきたいですし、次はホームなので自分たちの力をしっかり見せたいと思います。

ジョン・ハッチンソン 監督(横浜F・マリノス)
遠征に来てくれたり、ホームで応援してくれているファン・サポーターをはじめ、クラブ、選手にも申し訳なく思います。チームと戦術を選んだ私に全ての責任があります。ピッチコンディションは両チームに同じなので問題ではありません。監督として、100パーセントの努力をする選手を注意深く選ばなくてはなりません。チームもハードワークを続けて改善したいと思います。

FW エウベル 選手(横浜F・マリノス)
一番大事なのは試合に勝つことなので、今日の自分の2得点は全く意味がありませんでした。序盤の失点に続いて前半で追加点も許し、試合運びがとても難しくなって、後半もいい入りができなかった。もっといい準備をしなければなりません。初戦で負けてしまったので、次はホームですし、勝利が大事になります。勝つことしか考えていません。

MF 佐々木大樹 選手(ヴィッセル神戸)
タフなゲームになりましたが、僕が決めていればもっと楽な展開になっていたと思うので、僕自身は力不足を感じています。ですが、チームの守備陣が守り切って勝ち点1を獲れたことはポジティブにとらえたいです。この勝ち点1を無駄にせず、次のホームでは必ず勝ち点3を獲りたいと思います。

ミヒャエル・スキッペ 監督(サンフレッチェ広島)
ACLグループステージの初戦を勝ててとてもうれしく思います。最初から最後まで我々が試合をコントロールできていましたし、チャンスも多く作って、3-0は良い結果です。このような国際大会を戦うことは、カヤFCや我々にとって、とても重要な国際経験を得る機会だと考えています。

MF 中島洋太朗 選手(サンフレッチェ広島)
前半から自分たちがボールを持つ時間が長くて、最初は裏に抜け出す選手が少なくて得点が取れない時間が続いていましたが、前半のうちに1点取れたのが大きかったと思います。この試合に勝てたことは大きいですし、次のステージに進めるように次の試合にも勝っていきたいです。

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