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G大阪、浦和に2-1勝利で天皇杯連覇
2016年01月02日
第95回天皇杯全日本サッカー選手権大会は1月1日、東京・味の素スタジアムで決勝が行われ、ガンバ大阪がFWパトリック選手の2得点で浦和レッズを2-1で破り、優勝を飾りました。
G大阪の2年連続優勝は第88回(2008年)、第89回(2009年)大会に続いて2度目で、2度目の連覇達成はJリーグ発足後では初めてです。通算では前身の松下電器時代を含めて5度目の制覇になりました。
今季Jリーグチャンピオンシップ準決勝では年間勝ち点3位のG大阪が同2位の浦和を破って以来の顔合わせとなった一戦は、これまでの対戦同様に闘志溢れる激戦になりました。
連覇した第86回(2006年)大会以来9年ぶりのタイトル奪取を狙う浦和は、準決勝で負傷した司令塔のMF柏木陽介選手の代わりにMF青木拓也選手を起用。右MFに梅崎司選手、前線に3戦連続得点中のFW李忠成選手、FW興梠慎三選手、FW武藤雄樹を配する布陣。一方のG大阪は、Jリーグ王者のサンフレッチェ広島を制した準決勝と同じ顔触れで臨みました。
G大阪も浦和も今季のJ1リーグ、Jリーグヤマザキナビスコカップ、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)で頂点を逃していただけに、シーズン最後の天皇杯制覇へかける思いがプレーに表れ、序盤には双方ともにアクシデントに見舞われました。
試合開始から5分、相手と競り合った浦和DF槙野智章選手が接触で右手を負傷。G大阪も9分にDF米倉恒貴選手がゴール前での接触で右足を痛め、早々の交代を余儀なくされました。G大阪の長谷川健太監督は、米倉選手の代わりにMF今野泰幸選手を右サイドバックに入れ、ボランチにMF井手口陽介選手を起用してこれを乗り切りました。
G大阪は4分にFW宇佐美貴史選手のクロスにパトリック選手がクロスバーを叩き、25分にも同様の形で右ポストをかすめます。浦和も10分に右CKからDF那須大亮選手と槙野選手が次々とシュートを放ち、相手ゴールを脅かします。
先制点はG大阪でした。32分、ハーフウェイライン付近でボールを奪うと、縦パスでパトリック選手が相手の裏へ抜け出してスピードアップ。そのままペナルティエリアに切り込んで右足を振り抜きました。
しかし浦和はその4分後に、梅崎選手の右サイドからのクロスに李選手がヘディング。ポストに当たった跳ね返りを興梠選手が右足で捉えてゴールネットを揺らしました。浦和は前半終了直前にも、再び右サイドからのクロスに興梠選手が頭で合わせましたが、G大阪のGK東口順昭選手が鋭く反応してこれを阻止。前半を1-1で折り返しました。
後半に入ると、G大阪はCKから得点機を得ます。ファーサイドにいたパトリック選手が、相手DF2人が味方をマークする影からゴール前へ飛び出してフリーになると、MF遠藤保仁選手からのCKに右足で合わせ、均衡を破る一撃をゴールに叩き込みました。
浦和はその4分後にMF関根貴大選手とFWズラタン選手、69分にはMF高木俊幸選手をベンチから送り出して反撃を試み、押し気味に試合を進めます。MF阿部勇樹選手、那須選手、李選手らが相手ゴールを脅かしますが、なかなかゴールを割れません。
終盤にはDF森脇良太選手と槙野選手も前線へ上げるパワープレーを見せ、左サイドの高木選手からのクロスボールでチャンスを作りだすと、後半アディショナルタイムにはこれにズラタン選手が頭で合わせますが、シュートはクロスバーの上へ流れます。さらに、相手DFからボールを奪った槙野選手がシュートを狙いましたが、この日再三の好セーブを見せた東口選手に阻まれ、試合はそのまま終了しました。
この結果、J1リーグ年間2位ですでに来年のACL出場権を得ていたG大阪は第2代表としての出場が決定。J1リーグ年間3位の浦和が繰り上がりで第3代表、Jリーグチャンピオンシップを制した広島が第1代表として出場します。Jリーグ年間4位のFC東京は繰り上がりでプレーオフからの出場です。
なお、天皇杯のジャイアントキリングを象徴するゴールに贈られるSURUGA I DREAM Awardは、2回戦の名古屋グランパス戦でFC町田ゼルビアの鈴木孝司選手が決めた後半アディショナルタイムのゴールに決まりました。
G大阪は2月20日に行われる新シーズン開幕直前試合のFUJI XEROX SUPER CUP 2016でJリーグ覇者の広島と日産スタジアムにて対戦します。
監督・選手コメント
長谷川健太 監督(ガンバ大阪)
嬉しさというよりも、ほっとした感じの方が強いです。右サイドバックに何かあったらと心配していたのですが、今野選手が最後まで素晴らしいプレーをして、井手口選手も中盤で時間と共にきっちりと仕事してくれました。そこがこの試合の大きなポイントになったと思います。浦和は柏木選手が不在でしたが、サイドから非常にパワーのある攻撃を仕掛けてきて、危ない場面もありましたが、怪我から復帰した内田選手がしっかりとプレーしてくれました。パトリック選手も活躍してくれて、今大会、ベンチメンバーを含めて全員がしっかりと仕事をしてくれたことで、こういう結果で終わることができました。素晴らしいチームで今季1年間を戦えて、最後の最後にタイトルを獲って終わることができて、みんなに感謝したいです。
FW パトリック 選手(ガンバ大阪)
2ゴールできて、チームが優勝して新しい年を迎えることに貢献できたことを嬉しく思います。チーム全員が一つになって頑張っていたので、チームメイトを祝福したいです。
GK 東口順昭 選手(ガンバ大阪)
今季はここまでタイトルを逃していたので、チーム一丸となって戦って、良い形で締めくくれました。2016年もまたタイトルが獲れるように、チーム一丸となって頑張ります。
ミハイロ・ペトロヴィッチ 監督(浦和レッズ)
負けて失望しています。選手たちは全力で戦ってくれましたし、ポジティブな点はありました。シーズンを通して良く戦えたと思いますが、優勝できなかったということは何か足りないということです。その小さなことを積み重ねて、来季を戦いたいと思います。
MF 阿部勇樹 選手(浦和レッズ)
悔しさしかありません。何かがまだ足りないのだと思います。守り方での共通意識など、みんなで話し合ってもっと高めて、来年もっとレベルを上げていきたいです。
第95回天皇杯全日本サッカー選手権大会
2015/8/29(土)~2016/1/1(金・祝)
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