ピックアップマッチ

ヴィッセル神戸（J1） 7-1（前半3-0、後半4-1）鈴鹿アンリミテッドFC（三重県代表）

第96回天皇杯全日本サッカー選手権大会は9月7日(水)、2回戦の残り4試合が行われ、兵庫県の神戸総合運動公園ユニバー記念競技場ではヴィッセル神戸（J1）と鈴鹿アンリミテッドFC（三重県代表）が対戦しました。

1回戦で東海学園大学（愛知県代表）を延長戦の末に下し、J1チームへの挑戦権を得た鈴鹿でしたが、この日は「天皇杯はAFCチャンピオンズリーグ出場が懸かった大事な大会。そのための第一歩と監督が話をしていた」（岩波拓也選手）と意気込む神戸に序盤から圧倒されます。

神戸は開始早々、チャンスをつくります。鈴鹿のボールを自陣で奪うと左サイドを崩し、MF石津大介選手がゴール前に低いクロスボールを入れます。このボールは味方に合わずペナルティーエリア右に流れましたが、先に反応した鈴鹿GK岡田明久選手からMFペドロ・ジュニオール選手がボールを奪取。そのままドリブルで無人のゴールを狙いましたが、DF野口遼太選手のカバーリングに阻まれます。以降も神戸の優勢が続き、6分にゴール前でパスを受けた石津選手がゴール左隅に決めて先制すると、10分にも石津選手のスルーパスから抜け出したFW渡邉千真選手が加点します。

耐える時間が続いた鈴鹿も徐々にリズムをつかみ、速攻からチャンスを創出。15分にはFW柿本健太選手がペナルティーエリア右から思い切り良くゴールを狙いましたが、シュートはサイドネットに外れます。さらに34分には右サイドからMF小澤司選手が際どいラストパスを供給するなど、神戸ゴールを脅かします。チャンスをつくりながらもゴールを奪えない鈴鹿は逆に43分、カウンターからペドロ・ジュニオール選手に3点目を決められ、0-3で前半を終えました。

後半は、鈴鹿がピッチを広く使ったボール回しで試合の主導権を握ります。47分にMF泉宗太郎選手が左サイドからゴールを狙いますが、シュートはGK徳重健太選手の正面。55分には、右サイドを駆け上がったDF原広樹選手のクロスボールに柿本選手がボレーシュートで合わせるなど得点の匂いを感じさせます。

一方、我慢の時間が続いた神戸は、後半立ち上がりの劣勢をしのいだ後、一気に攻勢に出ます。64分のMF中坂勇哉選手の得点を皮切りに、66分ペドロ・ジュニオール選手、68分藤田直之選手と5分間で3得点を重ねて、スコアを6-0とします。このままでは終われない鈴鹿は76分、左サイドを攻め上がったDF藤田大道選手のクロスから柿本選手がヘディングを決めて一矢報います。しかし神戸は87分に中央をパスで崩し途中出場のFW増山朝陽選手が7点目のゴールを挙げて、このままのスコアでタイムアップ。7-1で快勝した神戸は、9月22日（木・祝）に開催される3回戦でJ2のモンテディオ山形と対戦します。

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監督・選手コメント

ネルシーニョ 監督（ヴィッセル神戸）
プランどおりのスタートが切れました。20分から25分までは守備時はもちろん、攻撃時のポジショニングも良く、相手DFの背後へのランニングも効果的にできました。ただ、2点差がついてからは守備が全体的に緩くなってしまい、ボールを奪う位置が低くなったり、組織が整わなかったりした点が残念です。天皇杯ではどんな相手にも隙を見せてはいけないし、気持ちを緩めてはいけません。全体的には勝利に値するプレーができましたが、チームとしてはもう一つ上の技術を求めたい試合でした。

岩波拓也 選手（ヴィッセル神戸）
監督からハーフタイムに言われましたが、今日はもっと差をつけないといけない試合だったので、結果には満足していません。チームとして、もっとやらなければいけないことがあったと思います。守備もイージーミスが多く、動きもバラバラ。一人一人がやりたいプレーをした結果、ボールを失い、カウンターを受ける場面がたくさんありました。もったいない失点もあったので、全員が反省して次の試合に挑まなければいけません。一方で、久々に若い選手が試合に出場したことは収穫だと思います。

小澤宏一 監督（鈴鹿アンリミテッドFC）
神戸を相手に勝ちたい気持ちはあったのですが、どこに勝機を見出すか整理できないまま試合に挑んだように感じます。チャンスはありましたし、1点を奪うこともできましたが、シュートを決めるべき場面で決められない部分など、多くの課題も見えました。6失点してから、ようやく守備ラインを上げることができましたが、試合序盤から1メートルでも2メートルでも高く押し上げ、神戸の攻撃に対抗すべきでした。選手はまだ試合を整理できていないと思いますが、今後のリーグ戦などで今日の反省を生かしてほしいです。

柿本健太 選手（鈴鹿アンリミテッドFC）
完敗でした。勝つつもりで試合に挑んだので、悔しいという言葉しかありません。思っていた以上にチャンスはあったのですが、前半で決め切れなかったのが痛かったです。後半に入ってからは、FWが結果を出さないといけないと思い、「2トップで1点ずつ決めよう」と声をかけて試合に入りました。練習で取り組んでいる、連動した攻撃は多少できましたが、結果が全て。この悔しさをバネに目標であるJFL昇格を果たしたいです。

9月7日(水)開催の他会場の結果

大宮アルディージャ(J1)　1-0　ガイナーレ鳥取(鳥取県代表)　［NACK5スタジアム大宮］
アビスパ福岡(J1)　2-2 (PK:2-4)　レノファ山口ＦＣ(J2)　［レベルファイブスタジアム］
横浜Ｆ・マリノス(J1)　2-0　福島ユナイテッドＦＣ(福島県代表)　［ニッパツ三ツ沢球技場］

第96回天皇杯全日本サッカー選手権大会

2016年8月27日(土)～2017年1月1日(日・祝)
3回戦　2016年9月22日(木・祝)

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