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第98回天皇杯 関学大がG大阪を破りジャイアントキリングを演じる
2018年06月07日
天皇杯JFA第98回全日本サッカー選手権大会の2回戦が6月6日(水)、各地で開催されました。大阪府吹田市のパナソニックスタジアム吹田では、関西学院大学(兵庫県代表)がガンバ大阪(J1)に挑みました。
立ち上がりに主導権を握ったのは、自陣からテンポ良くボールを動かし、ピッチの幅を使った攻撃でゴールを狙うG大阪でした。しかし、関学大の山本悠樹選手が「ボールを持たれるのは想定内。今日は守備陣が声をかけてくれたり、頑張ってくれたから前から守備ができた」と振り返ったように、前線からの連動した守りで相手に決定機を与えません。そして時間の経過と共に攻撃の機会も増え、14分には中央でボールを持った山本選手が右サイドに展開。待ち構えた中野克哉選手の折り返しを林部晃己選手がフリーでゴールを狙いましたが、枠を捉えることができません。関学大は以降も山本選手や岩本和希選手が積極的にシュートを放ち、いい流れで前半を終えました。
G大阪は、後半開始とともに食野亮太郎選手と妹尾直哉選手を投入。ハーフタイムにレヴィー・クルピ監督から受けた「意地を見せろ!」と発破をかけられ発奮し、攻勢を強めると、55分には長沢駿選手のスルーパスからペナルティーエリアに走り込んだ妹尾選手がシュートを狙いました。関学大もパス回しから先制点を狙い、64分には林部選手のポストプレーから中野選手がシュート。GKがこぼしたボールを安羅修雅選手が拾い、無人のゴールを狙いましたが、ゴールネットを揺らせません。
以降は互いにチャンスをつくれないまま試合が進みましたが、試合終盤になると両者の攻撃が活性化。79分にはG大阪が藤春廣輝選手の左クロスから2度の決定機を迎えましたが、関学大のゴールを割ることができません。一方の関学大も攻撃のギアを上げると、ついに試合が動きます。87分に右サイドを上がった高尾瑠選手のクロスのこぼれ球を岩本選手が冷静に押し込み、関学大が均衡を崩しました。
しかし直後の89分にCKから三浦弦太選手が同点弾を決めてG大阪が追いつき、延長戦に突入。しかし、「2年前の天皇杯でアルビレックス新潟に延長戦で負けている。同じ展開になるかと思ったし、足もきつかったけど頑張るしかないと思った」(山本選手)と関学大に気落ちした様子は見られません。
関学大は延長戦の開始と共に再び気持ちを入れ直すと、92分には橋本泰志選手が左サイドでボールをカット。橋本選手が素早く縦につけたボールを山見大登選手が受けると、中央へのカットインからゴール右隅にシュートを決め再び勝ち越し。残り時間は集中力を保った守りで同点を許さず、このまま逃げ切りに成功した関学大が2-1で勝利しました。
2回戦では歴史的な記録も飛び出しました。鹿島アントラーズのGK曽ヶ端準選手が先発出場を果たし、59試合で並んでいた釜本邦茂氏(早稲田大学、ヤンマー)を上回り、単独1位となりました。試合は6-1でHonda FC(静岡県代表)に快勝。曽ヶ端選手は試合後、「釜本さんのような偉大な選手の記録を抜くことができ、僕自身、とてもうれしく思う。強いチームにいないとこの記録はなかったと思うので、アントラーズでプレーできる幸せを感じている。ただ、何より試合に勝つことが大事なので、この勝利を今後につなげていきたい」と力強く語りました。
また、横浜FCの三浦知良選手はカマタマーレ讃岐とのJ2対決に先発出場し、自身が持つ最年長出場記録を51歳100日に更新しました。「先発でキャプテンも任せてもらい、非常にモチベーションも高く試合に入った」という三浦選手は88分までプレーし、2-0の勝利に貢献。「過去、ヴェルディでは3回決勝に行っているし、天皇杯の重みというものを僕自身は知っているつもり。天皇杯で一つでも多く勝っていく大切さをグラウンドで表現できてよかった」と語りました。
監督・選手コメント
レヴィ―・クルピ 監督(ガンバ大阪)
残念ながら今日の結果は妥当だったと言わざるを得ません。関西学院大も良いサッカーをしたということで讃えないといけませんし、勝利に相応しいサッカーをしたという試合になったと思います。大学生のチームは高いモチベーションで試合に挑んでくるのは分かっていました。我々は構えて受けるのではなく、もっと積極的に前からプレスをかける姿勢を見せなければいけなかったのですが、それができませんでした。選手たちの気持ちをそこまで高めることができなかった責任は私にあります。
FW #20 長沢駿 選手(ガンバ大阪)
自分たちで難しい試合にしてしまったように感じました。うまく戦い方がはまっておらず、今までも悪い試合内容のままずるずると試合が進みました。1点取れれば試合の流れが変わるかなと思っていましたが、決定機も少なかった。得点が奪えないし、後ろも守れないのが今の実力。相手がどうこうと言うよりも、自分たちが苦戦するような試合をしてしまった。相手が何本かあったチャンスをきっちり決めた差が出た試合でした。どこと対戦しても、同じ結果になったと思いますし、誰か一人の責任ではなく、チーム全員の責任だと思います。
古塚恵太郎 監督(関西学院大学)
J1チームが相手なので、力の差ははっきりしていますが、チャンスはあると考えていました。学生らしく臆することなく堂々と戦ってほしいと送り出しましたが、選手がしっかり力を出してくれたと思います。今日の準備は特別していません。関西学生サッカーリーグがあり、中3日の連戦だったため、出場時間が多い選手は疲れもあったと思います。それでも、先制点の直後に追いつかれても、落ち込んだ様子が見られませんでした。相手にボールを持たれる時間が多くても、ボールを奪ってカウンターを仕掛ける場面がつくれていたので、それが心の支えになっていたからだと思います。
MF #20 岩本和希 選手(関西学院大学)
G大阪は目指しているチームです。いつもより気合が入っているほどではないですが、ユースまで過ごしたチームなので、すごく楽しみな試合でした。相手にボールを持たれるとは思っていたのですが、自分たちがボールを持てる時間もあったので、思ったよりも前半から戦えていました。チャンスを決めきれず負ける怖さもありましたが、チーム全員が意思統一して戦うことができたと思います。試合終了のホイッスルを聞いた時は、震えました。勝ちたいと思いはありましたが、どれだけやれるのか試す場という意識が強かったので、勝てたことはびっくりしています。
【1回戦】5月26日(土)、27日(日)
【2回戦】6月6日(水)
【3回戦】7月11日(水)
【ラウンド16(4回戦)】8月22日(水)
【準々決勝】10月24日(水)
【準決勝】12月16日(日)
【決勝】12月24日(月・振休)
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