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【お詫び】天皇杯 JFA 第98回全日本サッカー選手権大会において競技規則適用ミスがあり、PK方式のやり直しを決定
2018年06月11日
6月6日(水)にパロマ瑞穂スタジアムで開催された天皇杯2回戦の名古屋グランパス(J1)対奈良クラブ(奈良県代表/JFL)の試合において、担当審判員による、次のラウンドに進出するチームの決定に直接影響を及ぼす明らかな競技規則の適用ミスがあったことが確認されました。
日本サッカー協会(JFA)は同事案について、国際サッカー評議会(IFAB/サッカーの競技規則の改定や、その解釈に関わる重要な事項を決定する唯一の意思決定機関)に確認の上、本日(6月11日)、臨時の天皇杯実施委員会を開催して協議しました。その結果、今回は特例の措置として、ペナルティーマークからのキック(PK方式)を一人目からやり直すことを決定しました。
まずは、PK方式までもつれるまでの大接戦を演出してくれた両チームの選手をはじめスタッフ、ファン・サポーター/ホームタウンの皆様に対し、あらためて感謝と敬意を表すとともに、JFAが派遣した担当審判員が重大な適用ミスを犯してしまったことを心からお詫び申し上げます。また、両クラブならびに愛知県サッカー協会、奈良県サッカー協会、ご支援いただいておりますスポンサー各社、中継局各社の皆様に陳謝申し上げます。そして、全国のサッカーファミリーの皆様に対し、JFAへの信頼を損ねる結果を招きましたことを重ねてお詫び申し上げます。
6月6日の試合は、前後半および延長戦終了時点で1-1の同点だったことから、試合運営要項によりペナルティーマークからのキック(PK方式)で、3回戦進出チームを決することとなりました。
PK方式の際、奈良クラブの4本目のキッカー(背番号40の選手)がキックする際の動きを主審がフェイントと判断し、得点を認めませんでした。競技規則では、キックする際の動きをフェイントと判断した場合は当該選手を警告とし、キックは失敗として、この時点で「名古屋グランパス(PK4-2)奈良クラブ」で終了して名古屋グランパスが3回戦進出になるところでした。
ところが、主審は競技規則の適用を誤り、当該選手に警告を与えずにキックのやり直しを命じました。また、副審、第4の審判員も誤りを正すことができませんでした。
そして、そのままPK方式を継続させた結果、最終的に6本目のキックが終了したところで、「名古屋グランパス(PK4-5)奈良クラブ」となり、奈良クラブの3回戦進出が決まりました。
競技規則の解釈では、試合においては「プレーに関する事実についての主審の決定は最終である」とされますが、「ペナルティーマークからのキック(PK方式)」は次回戦に進出するチームを決するために試合運営要項で定めた方式であって、試合の一部ではありません。試合は延長戦を含めて「引き分け」という結果で終了したこととなります。IFABからのこのような見解を確認した上で 臨時の天皇杯実施委員会で協議し、今回は判定ミスではなく競技規則の適用ミスであること、そして試合の結果に直接影響を及ぼす場面での明らかなミスであったことから、PK方式そのものが成立していないこととみなしてPK方式全体を一人目のキッカーからやり直すこととしました。
なお、奈良クラブの40番の選手の動きがフェイントであったか否かについては議論の余地があるとし、明日、審判委員会を開催して判断することとします。しかし、この場合の審判の判定については最終であり、覆ることがないことを申し添えておきます。
最後に、今回の競技規則の適用ミスとそれに起因した問題の一切につきましてはJFAの責任であることを関係するすべての皆様に深謝するとともに猛省し、今後、審判員の教育をはじめとして再発防止に取り組んでいく所存です。
サッカーファミリー、サッカー関係者の皆様には厳しく見守っていただきますようお願い申し上げます。