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日テレ・ベレーザが大会無失点で優勝! 第36回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会
2015年01月02日
第36回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会は2015年1月1日(木・祝)、味の素スタジアム(東京)で浦和レッズレディース(なでしこ/埼玉)と日テレ・ベレーザ(なでしこ/東京)による決勝戦を開催しました。
浦和レッズレディース(なでしこ/埼玉) 0-1 (前半0-1、後半0-0) 日テレ・ベレーザ (なでしこ/東京)
気温4℃と試合前には雪が舞う寒さの中、浦和とベレーザが対戦した決勝は、最後まで目が離せない熱戦となりました。
序盤、ペースをつかんだのはベレーザ。高い位置での守備で浦和にプレッシャーをかけ、試合を優勢に進めます。19分には自陣でボールを持った阪口夢穂選手が前線にパス。これに反応した田中美南選手が一度はDFに潰されるものの、後方から追い越した籾木結花選手がペナルティーエリア内に持ち込み左足でシュート。浦和のGK池田咲紀子選手がセーブしたこぼれ球に田中選手が詰めて右足で強烈なシュートを突き刺し、ベレーザに先制点をもたらしました。
リードされた浦和は28分にFW清家貴子選手、後半からは左サイドバックの臼井理恵選手をピッチに送り込み、積極的な交代策で攻撃のリズムを変えようと試みます。60分以降、柴田華絵選手が攻撃の起点となってパスを散らし、清家選手や後藤三知選手が前を向いて仕掛ける場面が徐々に増えていきます。しかし、ベレーザ守備陣はセンターバックの岩清水梓選手と村松智子選手を軸に対応。ことごとくクロスを跳ね返し、自陣のペナルティーエリア付近で突破を図る相手に対して粘り強い守備で阻止します。
耐える時間を耐え切り、後半ロスタイムには長谷川唯選手が決定機をつくるなど最後まで攻撃の姿勢を貫いたベレーザ。大会を通じて無失点で第31回大会(2009年)以来11回目の優勝に輝きました。
監督・選手コメント
吉田靖 監督(浦和レッズレディース)
立ち上がりから主導権を握られる苦しい試合でした。先制された後にリズムが悪くなり、後半投入する予定だった清家を起用して流れを変えようとしたのですが、なかなか思ったような展開にはなりませんでした。ベレーザの好守の切り替えのスピードが速く、私たちはボールを奪った後も思うようにパスを回すことができませんでした。後半は左サイドを軸に攻撃をつくったり、相手の裏を狙う回数も増えましたが、トータルで振り返ると相手の力が自分たちを上回ったと思います。
吉良知夏 選手(浦和レッズレディース)
序盤から苦しい時間が続きました。先制点を許した後、ゴールへの意識を持ち続けたのですが、なかなかボールを運ぶことができませんでした。球際の厳しさ、攻守の切り替えのスピードが足りなかったと思います。途中から右サイドにポジションを移した後、(前線に入った)清家選手を生かしながら、できるだけ前を向こうと意識していました。ただ、思うようにシュートまで持ち込めず、とても悔しいです。今日、浮き彫りになった球際の厳しさなどの課題は意識すれば変えられると思うので、今年はそこを磨いていこうと考えています。
寺谷真弓 監督(日テレ・ベレーザ)
「元日の最高の舞台でサッカーができる喜びをプレーで表現しよう」と選手たちに伝え、試合に臨みました。浦和との試合は、序盤に押し込まれ、後半、自分たちが盛り返す展開になりがちなのですが、今日は反対でした。私たちが先手を取り、精神的に余裕を持って試合を運ぶことができて良かったです。後半は押し込まれる時間もある中、守備陣がよく耐えました。この勝利は選手たちが最後までファイトした結果。元日、地上波で代表以外の試合が放送されることはそうないですし、良い内容の試合を全国の方々に見てもらえてうれしく思います。
田中美南 選手(日テレ・ベレーザ)
(決勝点の場面は)一度自分がつぶれた後、こぼれ球を拾ったモミ(籾木)がシュートに持ち込むと思ったので、前に詰めました。私の前にこぼれてきて良かったです。皇后杯を通して、味方が蹴ったボールの落下点を予測できたときは攻撃の起点になっているという手応えを感じています。まだ課題もたくさんありますが、一つ一つクリアしていきたいと思います。昨年は良いときもあれば、試合に出場することができない時期もあったので、今年は好不調の波を減らし、コンスタントにチームに貢献できる選手になりたいです。
阪口夢穂 選手(日テレ・ベレーザ)
リーグ戦で悔しい思いをしていたので皇后杯は絶対優勝したかったです。今大会を最後に(小林)弥生ちゃんが引退するから、勝って終わろうとチームメイトのみんなとも話していたので、今はうれしい気持ちとホッとした感情が入り混じっています。このチームには小柄な選手が多く、力任せのサッカーで勝つことはできません。これまで、丁寧にパスをつなぐサッカーに取り組む中で結果が出ない時期もありましたが、自分たちのスタイルを信じ、貫き通したからこそ、優勝することができたのだと思います。それがすごくうれしいです。