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第37回皇后杯、INACと新潟Lが決勝へ進出
2015年12月24日
第37回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会は12月23日、神奈川県等々力競技場で準決勝を行い、2年ぶり5度目の優勝を目指すINAC神戸レオネッサがベガルタ仙台を2-0で破り、決勝に進出。前回優勝の日テレ・ベレーザに1-1延長の末にPK戦3-2で勝ったアルビレックス新潟レディースと決勝で対戦します。決勝は27日14:00から同競技場で行われます。
INACは前半、テンポよくフィールドを広く使って攻撃を仕掛ける仙台に対して忍耐強くプレー。20分に仙台MF中野真奈美選手、23分には仙台MF川村優理選手にゴールを脅かされ、さらに36分には再び川村選手にミドルシュートでゴールを狙われる場面を作られますが、GK海堀あゆみ選手や守備陣が対応してゴールを死守します。
そして39分に川澄奈穂美選手の右CKをFW髙瀨愛美選手が頭で繋ぎ、FW大野忍選手が近い距離からヘディングで決めて先制します。
1点を入れて動きが活性化したINACは42分にも決定機を作ります。川澄選手のスルーボールを右サイドで受けたDF近賀ゆかり選手が中へ折り返し、髙瀨選手がゴール前で合わせましたが、これは仙台GKブリトニー・キャメロン選手に止められました。
今大会で現役引退を表明しているMF澤穂希選手を中心に一体感のあるプレーを見せるINACは、後半も攻撃の好リズムをキープ。61分には右サイドを攻め上がった近賀選手が川澄選手からのパスを中央へ折り返し、MF中島依美選手が右足で合わせてゴールネットを揺らして、追加点を奪いました。
INACは試合終了直前にも交代出場のFW増矢理花選手がポストを直撃するシュートで、相手ゴールに迫りました。
仙台は、後半立ち上がりこそ左サイドの中野選手を中心にゴール前へ迫り、53分には左CKにファーサイドでFW有町紗央里選手が頭で合わせる場面を作りましたが、その後は前半見せていたテンポの良い攻撃が鳴りを潜め、INACから主導権を奪うことはできず、2年連続ベスト4で大会を終えました。
一方、リーグ戦でも接戦を繰り返してきたベレーザと新潟の戦いは、今大会でも拮抗した戦いになり、大会連覇で通算12度目の優勝でリーグ制覇とのダブルタイトル獲得を狙ったベレーザはその行く手を阻まれました。
新潟は11分にセットプレーから先制。MF上尾野辺めぐみ選手の右サイドのFKからゴール前に放たれたロングボールを競り合い、相手選手に当たって流れたボールをニアサイドに詰めたFW大石沙弥香選手が押し込みました。
ベレーザはすぐに反撃に出て、34分に追い付きます。FKをDF岩清水梓選手がヘディングで落とし、これに反応したMF中里優選手がFW田中美南選手とワン・ツー。リターンを受けた中里選手が左足でゴールに叩き込みました。
ベレーザは後半、MF長谷川唯選手を投入して左サイドを中心に攻撃を仕掛けますが、新潟は組織的な守備で対抗し、中盤でボールを奪ってベレーザに攻撃の自由を与えません。
両者得点を奪えないまま延長を終えて突入したPK戦では、新潟はベレーザGK山下杏也加選手に1本を止められ、上尾野辺選手が外したものの、GK福村香奈絵選手が相手キックを3本止める活躍を見せてチームを牽引。新潟が3-2でPK戦を制して、2年ぶり通算3度目の決勝進出を決めました。
試合結果
日テレ・ベレーザ 1-1 (前半1-1、後半0-0、延前0-0、延後0-0、PK2-3) アルビレックス新潟レディース
ベガルタ仙台レディース 0-2(前半0-1、後半0-1)INAC神戸レオネッサ
監督・選手コメント
松田岳夫 監督(INAC神戸レオネッサ)
ギリギリの戦いになるだろうと思っていました。守備は全員で協力する意識があったものの、攻撃のリズムがなかなか掴めずにいましたが、得点で良い流れになりました。澤選手も試合前に「絶対に負けられない」と口に出していて、今まで以上に気合いが入っていたと思います。選手たちは、最後に最高の花道を澤にあげたいと思っています。
千葉泰伸 監督(ベガルタ仙台レディース)
再びベスト4の壁を破れずに負けて残念ですが、日本代表選手が揃っているINACに選手たちはひるむことなく最後まで戦ってくれました。前半の失点は取られ方が悪く、後半に切り替えてと思ったところで2失点目を与えてしまいました。後半繋ぐ意識が強くなりすぎて、早い攻撃ができませんでした。
MF 澤穂希 選手(INAC神戸レオネッサ)
今日は負ける気がしなかったですし、どうしても最大3試合やりたいと思っていました。みんなが決勝に連れて行ってくれました。体がしんどくて思うようになかなかプレーできなかったですが、その中でも自分で出来ること、体を張って、失点ゼロでいこうとやっていました。最後は決勝で勝って有終の美を飾りたいですし、笑顔で終わりたいと思っています。
FW 有町紗央理 選手(ベガルタ仙台レディース)
INACは今までと違って寄せが早く、気持ちが出ているという感じで、それに対応できませんでした。今季リーグの対戦とは違うプレッシャーを感じました。ここでボールを獲るとか、ここで攻めるという共通意識がもう少し必要だと感じました。
能仲太司 監督(アルビレックス新潟レディース)
力のある日テレに簡単にいかないことは分かっていましたが、選手たちは粘り強く、自分たちが今までやってきたことを表現してくれました。皇后杯決勝でINACにPKで負けて以来、PK戦に苦手意識があったので場面を作りながら練習しました。GKがいい仕事をしてくれました。阪口選手と原選手にボールを多く触らせないように網をはり、守備を押し上げてコンパクトにし、一人二人三人と守備に行けるかがポイントでした。
森栄次 監督(日テレ・ベレーザ)
前半1-1は想定内で、後半勝負に行ったのですが、新潟は守備が強く、かなり研究されていたようで、ボランチのところでプレスがかかって取られることが多かったです。PKまで行くと運やツキとかがあります。90分で決めたい、PKまで行きたくないという思いがありました。PKの練習もそれほどしていなかったので準備不足でした。
GK 福村香奈絵 選手(アルビレックス新潟レディース)
PK戦の練習はしていたので、いい感覚で緊張せずにリラックスして臨めました。読みが当たったので運が良かったと思います。PKに入る前にも、みんなでしっかり守備をするプレーができていましたし、失点後は後半をゼロで押さえられたのが良かったと思います。決勝でも新潟らしいプレーを崩さずにやりたいです。
DF 岩清水梓 選手(日テレ・ベレーザ)
PK戦まで行ったのは自分たちのせいだと思います。相手の守備のプランに上手く入ってしまい、それを打開する力がありませんでした。最後まで戦いたかったです。みなさんが望んでいた決勝対戦カードにならずに悔しいですし、今日がこのチームの最後の試合になったことが悔しいです。
JFA-TV
準決勝 日テレ・ベレーザ vs アルビレックス新潟レディース ハイライト
準決勝 ベガルタ仙台レディース vs INAC神戸レオネッサ ハイライト
第37回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会
決勝 12月27日(日) 神奈川/等々力競技場
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