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2回戦で岡山県作陽高校がジェフユナイテッド市原・千葉レディースを破るジャイアントキリングに成功! 皇后杯JFA第41回全日本女子サッカー選手権大会
2019年11月24日
皇后杯JFA 第41回全日本女子サッカー選手権大会が、11月23日(土)に2回戦の8試合を行いました。新潟市陸上競技場では、なでしこ1部所属のチームに、高体連所属チームが挑みました。
ピックアップマッチ1
ジェフユナイテッド市原・千葉レディース(なでしこ1部/千葉) 1-2(前半0-1、後半1-1)岡山県作陽高校(中国/岡山)
第1試合には、なでしこリーグ1部所属のジェフユナイテッド市原・千葉レディースが登場。これに挑戦するのは、1回戦でアルビレックス新潟レディースU-18(北信越/新潟)を破ってきた岡山県作陽高。中国予選から、ここまで無失点で勝ち上がってきました。
前半、風上に立った作陽高は、立ち上がりから積極的なプレーが目立ちます。「硬くならずに試合へ入ってくれたのが良かった。勇気を出して、スペースに飛び出していってくれました。後ろの選手も、試合の途中までは『つなぐところ』と『切るところ』をしっかり見極めようとしてくれていました」と池田浩子監督(作陽高)。格上の相手を受け身に立たせ、カテゴリーの差を埋めます。
そして、16分、岡本亜子選手の右コーナーキックで生まれた混戦から、伊勢さつき選手がシュート。気持ちがこもったボールは、懸命に防ごうとするジェフL守備陣の間を潜り抜ける、先制点となりました。この日は、強い風が大きな音を立ててスタジアムを吹き抜ける、守備側には難しいコンディションでした。このコーナーキックも、ライン裏への長いボールをDFがクリアして生まれたもの。ピッチ内の条件を考えてプレーすることで生まれた、作陽高の先制点でした。
ジェフLは「試合開始から攻守に圧倒しようと話していましたが、試合の入りが良くなかった」(藤井奈々監督・ジェフL)ものの、この失点後、目を覚ましたかのように、反撃を開始。フルピッチで作陽高へプレッシャーをかけていきます。後半からは、2人の選手交代を含めて、幾度か効果的なシステム変更を行って、高校生を揺さぶり得点機をうかがいます。
しかし、次の1点が生まれたのは作陽サイド。67分、ジェフLの最終ラインに江崎世来選手が突っかけ、最後は「よく見えていなかったけれど、ゴール前なので足を振り抜きました」という岡本選手のシュートが追加点になりました。
なでしこ1部の意地を見せたいジェフLも、後がない局面でさらにギアを上げていきますが、73分には若林美里選手のクロス、75分には大滝麻未選手のシュートが、それぞれバーに蹴られるなど、やや運がありません。87分にゴール前へ詰めた成宮唯選手が押し込んで1点返すのが精いっぱい。
作陽高が2-1でジェフLを破り、今大会に参加した高体連所属チームとして、唯一の3回戦進出を達成しました。
ピックアップマッチ2
アルビレックス新潟レディース(なでしこ1部/新潟) 8-0(前半3-0、後半5-0)北海道文教大学明清高校(北海道)
ジャイアントキリングの興奮が残るスタジアムに、地元のアルビレックス新潟レディースが登場。ゴール裏に足を運んだサポーターのためにも、いい形で今季最後の大会に船出していきたいところです。第2試合目のチャレンジャー・北海道文教大学明清高校は、初戦で仙台大学(東北/宮城)を下して、なでしこ1部への挑戦権を得ました。
開始2分、高い位置まで上がっていたサイドバックの北川ひかる選手が、道文教大明清高の守備陣の間でこぼれたボールを拾うと、そのままゴールへ流し込んで先制。これで肩の力が抜けたのか、10分にも左サイドから侵入した瀧澤莉央選手が、個人技で相手DFを翻弄し追加点を挙げます。
出鼻をくじかれた道文教大明清高でしたが、気持ちを切らすことなく新潟Lに立ち向かいます。「ボランチから枚数をかけるのが自分たちのプレースタイルで、FWにボールを当てた後の中盤の押し上げが大切なのでできるだけ関わるようにしていました。」と佐々木美悠選手。16分に、薬師愛美選手と井田久美子選手がマークを引きつけ、佐々木選手がスペースに飛び込んでフリーになることで、この試合最大のチャンスをつくり出しますが、残念ながら得点には結びつけられませんでした。
この場面を「誰がマークにつくのか、ラインの設定をどうするのか。そうした部分でちょっとしたズレが生じたのが原因」と反省した北川選手でしたが、ここから先の新潟Lの集中力は素晴らしいものがありました。
「選手には『初戦は絶対に難しいものだ』と、1週間、2週間前から伝えてきました」と新潟Lの奥山達之監督。攻めては25本のシュートのうち2、3割がバーやポストに嫌われる中で、しっかりと8ゴール。守備陣も、味方のゴールラッシュにおごることなく、被シュート数は2本だけ。前述したシーンを除いては、道文教大明清にチャンスらしいチャンスを与えず、90分間を無失点で終え8-0のスコアで大会を好発進です。
スコア差は開きましたが、敗れた道文教大明清高の選手も、気持ちを折られることなく試合を続けました。「『何点決められても、自分たちは、絶対に1点を取りに行く』と話をしていて、最後までゴールを目指してプレーできたので、そこは良かったかなと思っています」と佐々木選手。この経験を次なる目標、高校女子サッカー選手権にぶつけます。
監督・選手コメント
岡本亜子 選手(岡山県作陽高)
「まずは自分たちにやれることから、物怖じせずにやろう」と言っていました。それを実践できて良かったと思います。普段自分たちがやっている時とは、(ジェフLの)スピードがまったく違いましたが、相手がなでしこ1部ということを理解してピッチに入れたので、対応できました。格上の相手に対して、チームとしてのまとまりも大事だと思ったので、最後まで声を切らさないようにしました。自分たちの武器である運動量という部分では、最初から最後までやれていたと思います。
藤井奈々 監督(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース)
初戦の難しさは分かっていましたが、そこでやられてしまうというのは、チームの幼さなのかなと思います。今日は、スタートから守備でも攻撃でも切り替えを早くして、圧倒的にプレッシャーをかけようと話していたのですがそれができませんでした。今日に限らず、今季は年間を通して、試合の入り方が良くありませんでした。後半の時間帯にいい攻撃ができたと言っても、事前のゲームプランとは違う形でしたし、「遅かった」というのが答えですね。セットプレーでの失点は、味方を信じることができていなかったということでしょう。強風を理由にしてはいけないと思います。
上尾野辺めぐみ 選手(アルビレックス新潟レディース)
やはり、カテゴリーの違うチームとの試合では、難しいところはありますが、相手を圧倒しなければいけません。全員が集中して試合に入ることができた結果が、あの立ち上がりの得点ですし、守備のところでも90分を通して、集中してできたんじゃないかなと思います。(この日はチーム全体で6、7本、バーやクロスに嫌われたが)チャンスを決めきるかどうかというのが、次以降の試合で重要になってくると思います。やっぱり決定機を決めないといけない試合というのはありますし、今日のところは、(その部分では)すごく課題が残る試合だったとも思います。
佐々木美悠 選手(北海道文教大学明清高校)
自分たちが今までできなかったような環境で、サッカーができました。(新潟Lは)いつもは取られないようなところにボールを置いても足が出てくるし、逆に相手がボールを持ったら取ることができない。全体のスピード感や、パススピードも全然違う。それを経験できたことは大きいと思います。北海道のチームが、全国大会で結果を残せていません。私たちは、道内のタイトルを全て取る事ができても、全国で勝てなくては意味がないと思うので、1月の全国高校女子サッカー選手権で全国制覇をできるように頑張っていきたいと思います。
開催期間:2019/11/2(土)~2019/12/29(日)
【1回戦】2019年11月2日(土)・3日(日)
【2回戦】11月23日(土)・24日(日)
【3回戦】11月30(土)・12月1日(日)
【準々決勝】12月8日(日)
【準決勝】12月22日(日)
【決勝】12月29日(日)
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