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「タイトルに対する思いが強くなった」大会概要&村松智子選手×木下桃香選手(日テレ・東京ヴェルディベレーザ)対談 皇后杯 JFA 第45回全日本女子サッカー選手権大会
2023年11月15日
概要
皇后杯 JFA 第45回全日本女子サッカー選手権大会が11月18日(土)に開幕します。
今大会にはWEリーグの12チーム、なでしこリーグ1部の12チーム、9地域協会から選出された24チームの計48チームが出場します。
1回戦では地域代表の8チームが対戦し、2回戦からなでしこリーグ1部チームが加わり、4回戦までに地域代表チームとなでしこ1部チームが8チームに絞られます。WEリーグのチームは12月16日(土)と17日(日)に開催される5回戦から登場。決勝は2024年1月27日(土)にヨドコウ桜スタジアムで開催されます。
前回大会は日テレ・東京ヴェルディベレーザが過去最多を更新する16回目の優勝を果たしました。果たして今大会はどのような結果が待ち受けているでしょうか。
インタビュー
ここでは第44回大会を制した日テレ・東京ヴェルディベレーザの村松智子選手と木下桃香選手に、前回大会の戦いについてや今大会に向けた意気込みを聞きました。
○オンライン取材日:2023年10月13日
――まずは優勝した前回大会を振り返っていただきます。4回戦でマイナビ仙台レディース、準々決勝でサンフレッチェ広島レジーナ、準決勝でアルビレックス新潟レディース、決勝でINAC神戸レオネッサと、すべてWEリーグのチームに勝利して優勝しました。
村松 マイ仙台戦は開始1分で植木理子選手(現、ウェストハム・ユナイテッド)が先制点を決め、チームが波に乗るのを感じました。S広島R戦も新潟L戦も、最初は苦しい時間帯が続きましたが、そこで失点せず、いい時間帯に得点できたのが良かったです。リーグ戦やカップ戦では失点した後にけっこうバタバタしてそのまま追いつかれるパターンが続いていたんですけど、新潟L戦は失点後に踏ん張ることができたので、すごく自信になりました。
木下 それまでのスタイルを大きく変えて挑みながら、負けたら終わりのノックアウト方式で不安はすごく大きかったんですけど、マイ仙台戦では新しいスタイルの強みが最大限に出ましたし、その後は目の前の試合をいかに面白くするかに集中し、ワクワクしながらプレーしていたら優勝できました。
――優勝した瞬間の気持ちを教えてください。
木下 直近2年間でタイトルが取れず、久々の優勝だったのですごくうれしかったです。過去に優勝した大会では自分がそこまで貢献できていなかったのですが、昨年は自分がより深く関わることができましたし、大会を通じて「自分がもっとやらなければならない」という自覚も生まれました。
村松 海外クラブへの選手の移籍が相次ぎ、周囲からチーム状態を不安視する声もあったなか、このメンバーで優勝できたことが特にうれしかったです。今まで経験した優勝のなかで一番だと思うぐらいうれしかったのを覚えています。
――ベレーザは2004年以降で決勝に11回進出し、すべて勝利しています。その勝負強さの要因はどこにあるのでしょうか。
村松 相手がどこだからではなく、決勝だから頑張ろうという意識でもなく、いつもどおり目の前の1試合に向き合っているので、その意識が大きいと思います。相手が「決勝だから」といつも以上に気合が入っていると感じることもあるんですが、ベレーザの選手たちは気負わずに戦っている感じがありますね。
――WEリーグ開幕を機に、シーズンを通してみるとリーグの途中に皇后杯が入るというスケジュールになっています。それによる戦い方や心境の変化はありましたか。
木下 以前はどのチームもシーズンの集大成という感じでやっていて、大会を通じて成長していくというよりは1試合1試合、勝つことによりフォーカスし、自分が持っているものをすべて出そうという気持ちが強かったんですけど、今はチームづくりの途中で皇后杯を迎えるので、その数試合のなかで手応えを得ながらチームが改善されていくのを実感できるようになりました。結果だけを考えるのではなく、質の部分にフォーカスしやすくなったと思います。
村松 実際に優勝を経験した後はタイトルに対する思いがより強くなり、リーグ戦も優勝したいという思いが確実に大きくなりました。その気持ちを持ったまま、同じメンバーでシーズンを戦えることは、シーズン中に開催される形になったメリットだと思います。
――最後に、第45回大会に向けてファン・サポーターへのメッセージをお願いします。
村松 昨シーズンはWEリーグカップの決勝で三菱重工浦和レッズレディースに悔しい負け方をし、それがあったから皇后杯では守りに入らず攻撃的に戦い、優勝することができました。今シーズンも自信を持って戦えるようしっかり練習に取り組み、1試合1試合、全力で戦う姿を見せられるよう頑張ります。
木下 まずは目の前のワンプレーでいかにクオリティーを上げられるかに集中し、それを連続させていくことで優勝に到達できるようにしたいと思います。皇后杯のタイトルを獲得できるように頑張ります。