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第25回全日本高等学校女子サッカー選手権大会 大商学園や十文字などが4強へ
2017年01月05日
第25回全日本高等学校女子サッカー選手権大会の準々決勝が1月4日(水)、兵庫県内で開催され、準決勝に進出する4チームが出そろいました。
ピックアップマッチ1
藤枝順心高校 0-2(前半0-1、後半0-1)大商学園高校
三木総合防災公園第2陸上競技場の第1試合では藤枝順心高校(東海1/静岡)と大商学園高校(関西2/大阪)が対戦しました。CKを得るなど、先に試合の主導権を握ったのは前回大会優勝の藤枝順心でしたが、その後はチャンスをつくれません。そうするうちに、大商学園徐々に盛り返していきます。相手にボールを動かされても、機を見て横パスやバックパスを奪いにかかり、即座に攻撃へと切り替えた場面では藤枝順心のファウルを誘う場面もありました。
14分、大商学園はCKを獲得、全員をファーサイドに集めておきながら、キッカーはペナルティーエリア手前へとパス。さらに1本つないだボールを市政芽美選手が右足で強烈に叩きます。ボールは反応したGKの指先を弾いてゴール右隅に収まり、大商学園が1-0とリードします。
後半に入り、藤枝順心は中盤の選手を代えて高い位置でタメをつくることを狙いながら、うまく相手守備陣の間を狙った縦パスを増やします。それでも必死に走り、体を張って守る大商学園を前になかなかチャンスをつくることができません。攻撃の意識が高まる藤枝順心に対して、大商学園がカウンターで逆襲に出る場面も作り出していくと、69分にはドリブルで持ち上がった鋭い攻めでPKを獲得。これを大商学園のキャプテン久保田晴香選手が決めて、リードを2点に広げました。大商学園はこの後も堅守速攻を貫き、2年連続となる準決勝へとたどり着きました。
ピックアップマッチ2
十文字高校 1-0(前半1-0、後半0-0)広島文教女子大学附属高校
三木総合防災公園陸上競技場の第2試合では、十文字高校(関東3/東京)が5年ぶりの、広島文教女子大学附属高校(中国1/広島)が初の準決勝進出を目指して対戦しました。先にペースをつかんだのは、十文字でした。相手を左右に動かし、さらにその動きの逆を取るパスをつなぎつつ、スピードあるサイドハーフを走らせるプレーを狙います。
10分には右サイドから相手守備陣の裏へ走り込んだ松本茉奈加選手がパスを受け、スピードに乗ってGKもかわしますが、シュートは外れてしまいました。広島文教女子は前線からの積極的な守備と、力強い単独突破を織り交ぜながら反撃を狙います。拮抗した展開が続いた試合は前半のラストプレーで動きます。40分、CKのチャンスを得た十文字は素早くパスをつなぎ、最後は村上真帆選手がシュート。これがゴール左隅に決まり、1-0としました。
後半に入り、十文字は相手陣でプレーを続けます。48分にはゴール前へのロングボールの折り返しから村上選手がゴールポストを叩くシュート。52分には短いパスをつないで左サイドを崩してからシュートに持ち込みますが、ゴールネットは揺らせません。広島文教女子も交代のカードを切って反撃の糸口を探しますが、十文字にパスを回される時間が長く、ペースを引き寄せるには至りません。十文字は後半、相手のシュートを0本に抑えるなど終始、主導権を握り続けて1-0のままベスト4進出を決めました。
その他の試合では前回大会準優勝の神村学園高等部(九州2/鹿児島)が聖和学園高校(東北2/宮城)に1-0で競り勝ち、修徳高校 (関東5/東京)は常盤木学園高校(東北1/宮城)との点の取り合いを終了間際の決勝点で4-3と制し、それぞれ準決勝進出を決めました。
準決勝は1月6日(金)にノエビアスタジアム神戸で行われ、決勝に進出するチームが決定します。
選手・監督コメント
久保田晴香 選手(大商学園高校)
個々の技術では藤枝順心の方が上なので、自分たちはチームとしてやることを明確にして、走り負けないこと、気持ちで負けないことを大切にしました。押されているときには、我慢しつつも守るだけではなく、前に出ようと話していました。この大会では相手の名前にひるむことなく、自信を持ってピッチに立っています。けがで出場できない3年生の代わりに出場した選手たちも頑張っています。ここ(準決勝進出)はまだ満足するところではありません。大喜びするのは、日本一を取ってからにしたいと思っています。
福田ゆい 選手(藤枝順心高校)
相手のCKをしっかりと分析していたのですが、新しいことを仕掛けてきたので対応できませんでした。ボールを保持していましたが、少し工夫を欠いたために相手守備陣を崩し切れず、それが結果的に自分たちの守備にも影響したと思います。敗れはしましたが、みんなが最後まで走り切った楽しい最後の試合でした。自分たちのサッカーができたので、悔いはありません。全国の舞台で強い相手にしっかりと藤枝順心のサッカーを貫けたのは、大きな成長の証だと思います。1、2年生には、また来年頑張ってほしいです。
村上真帆 選手(十文字高校)
相手が予想以上に前からプレッシャーをかけてきて、狙い通りのサッカーができませんでした。相手の逆を取って、もっと試合を支配したかったのですが、苦しい展開になると(長いボールを)蹴ってしまいました。セットプレーでは状況に応じて何をするかを決めていて、得点したシーンはショートコーナーを試しました。ボールが転がってきた瞬間、「これは決まる」と感じ、実際に決まったので良かったです。チームのもっと上に行きたいという思いが同じ方向に向かっていることが、勝っている要因だと思います。準決勝は自分たちのサッカーをして勝ちたいです。
坂田恵 監督(広島文教女子大学附属高校)
前半はだいぶ左右に揺さぶられる中、意図的にボールを奪う場面もありました。自分たちには、突出した選手がいない分、11人でボールを奪って11人でゴールを奪うサッカーを目指しましたが、なかなかフィニッシュに持ち込めませんでした。今季、私がコーチから監督になり、前監督が築いた攻守一体というコンセプトを3年生と確認しながら、チームをつくってきました。彼女たちが、私をここに連れてきてくれました。来年は一からのスタートになりますが、この試合を見て1、2年生もいろいろなことを感じてくれたと思います。
第25回全日本高等学校女子サッカー選手権大会
2016年12月30日(土)~2017年1月8日(日) [全試合無料]
1回戦~準々決勝:兵庫県内会場
準決勝~決勝:ノエビアスタジアム神戸(兵庫県)