ニュース
第26回全日本高等学校女子サッカー選手権大会 福井工大、藤枝順心などが準決勝に進出
2018年01月03日
「第26回全日本高等学校女子サッカー選手権大会」は1月2日(火)、兵庫県の三木総合防災公園で準々決勝4試合が行われました。
ピックアップマッチ1
大阪学芸高校 1-1(前半1-1、後半0-0、PK2-4)福井工業大学附属福井高校
三木総合防災公園第2陸上競技場での第1試合では、大阪学芸高校(関西4/大阪)と、福井工業大学附属福井高校(北信越2/福井)が対戦しました。序盤はお互いに相手のボールの出どころに早くアプローチして速い攻めに移ろうと、主導権争いが続きました。その中で14分には、大阪学芸の岩本まりの選手が最終ラインに抜け出すことに成功します。しかし、ドリブルで持ち込んでのシュートはGK正面を突いてしまい、得点にはなりませんでした。
互いにハードワークする中で、得点機となったのはセットプレーでした。24分、大阪学芸の左からのCKは一度は跳ね返されますが、拾ったCKキッカーの中尾純菜選手が再びゴール前にボールを送ると、GKの頭上を越えたこの軌道がそのままファーサイドに吸い込まれ、先制に成功しました。さらに2分後には、再びCKからゴールが生まれます。今度は工大福井、村上賀梨選手が送った右CKを、ファーサイドでフリーになっていた小林和音選手が頭で決めて同点とします。
1-1で迎えた後半、大阪学芸はFWの竹中ひより選手を投入して、攻撃に変化を生み出そうとします。53分にはその竹中選手が前線で起点となってクロスへとつなげますが、このボールはゴール前の選手には合いませんでした。工大福井も56分に竹田うみ選手を送り出し、右サイドのアクセントにすることを狙います。同時に選手のポジションを複数入れ替えて、中盤の運動量を増やしました。これで勢いを増した工大福井ですが、後半も6本のシュートを放ちながら無得点。1-1のまま80分間を終えました。
14年連続出場の工大福井、初出場の大阪学芸と出場回数には差がありながら、初めてのベスト8へ駒を進めた両チームの運命は、PK戦に委ねられることになりました。ともに1人は成功しましたが、工大福井のGK河合茉奈選手が2人目のキックを見事にセーブ。互いに4本目は決まらなかったものの、5人目の西川紗奈選手が冷静に沈めて、工大福井が準決勝へと進出しました。
ピックアップマッチ2
松商学園高校 0-7(前半0-3、後半0-4)藤枝順心高校
三木総合防災公園第2陸上競技場での第2試合では、松商学園高校(北信越3/長野)と藤枝順心高校(東海2/静岡)が対戦しました。藤枝順心は後方からゆったりとボールを動かし、松商陣内で隙を探します。その間に選手たちが幅広く動いて相手を混乱させると、早くも6分に先制点を奪います。右サイドからのクロスで、ファーサイドに詰めていたのは左サイドバックの安部由紀夏選手。しっかりと右足で蹴り込みました。
藤枝順心は18分に千葉玲海菜選手がドリブルで流れた左サイドからクロスを送り、オウンゴールを誘発して追加点。その3分後には、縦パスに抜け出した上田桃選手がループシュートでGKの頭上を抜き、リードを広げました。3点を奪われた後、松商学園は前線からの守備に切り替えようとしますが、最終ラインからも長江伊吹選手らが正確な長いパスを送る藤枝順心に、プレスもいなされてしまいます。さらにはサイドでは角田菜々子選手らが積極的にドリブル突破と、1対1の強さも見せつけて試合を折り返しました。
開始から2人を交代させて臨んだ後半でも、藤枝順心の勢いは止まりません。ポジションの変更も行い、松商学園にボールを奪うポイントを絞らせません。交代で入った並木千夏選手は2つのアシストをした後、74分にはゴールへにじり寄るとニアサイドを自ら撃ち抜きゴールもマーク。オウンゴールをのぞく6得点をすべて違う選手が決めた藤枝順心が、2大会ぶりのベスト4入りを決めました。
準決勝は1月4日(木)、神戸ユニバー記念競技場で行われます。
監督・選手コメント
副島博志 監督(大阪学芸高校)
焦りが出てしまったのか、ボールを奪うことができても、つなぐことがあまりできていませんでした。いろいろなプレッシャーもあっただろうし、それがこういう大会の難しさだと思います。場数を踏まないと、自分のプレーを出し続けるというのは難しいものです。PKを外してしまうほどの重責は、こういう場でしか感じられないものなので、次への糧になると思います。うちは11人だけでは戦えません。サブも含めた18人で、と考えています。応援に回る子も含めて、全部員の力をチーム力へと落とし込んでいこうと考えているので、この大会も良い経験になりました。
坂元茉那 選手(福井工業大学附属福井高校)
初めの方は緊張のせいか自分たちのサッカーができず、攻められる時間が長いと感じました。後半に入る前に、しっかり前線からの守備をしようと話しました。このチームには個人でも全国に通用する選手が増えていると、練習試合などを通じて感じてきました。だから日本一を目指そうと頑張ってきたし、まだまだできます。最後の大会で、学年関係なく気持ちが一つになってきています。前からの守備がはまったら次も勝てると思うので、そこを生かしたいと思います。
面川辰雄 監督(松商学園高校)
創部6年目なのですが、前々回の大会でベスト16になり、今回はベスト8を目標にしていました。そこに到達した選手たちを誇りに思います。創部以降、毎年少しずつレベルアップしてきています。県外に遠征をして、30分ハーフのものなどもありますが、年間200試合近くこなしてきました。さらに、週4日の練習のうち半分くらいは選手が練習メニューを考え、交代で指導役を務めるということを実施しています。それも手伝い、和気あいあいとした雰囲気や団結力が生まれてくるのだと思います。選手たちは、よく頑張ってくれました。
安部由紀夏 選手(藤枝順心高校)
先制点の場面は、あまり覚えていません。でも、サイドバックも攻撃参加していくのが順心のサッカーです。2年生のインターハイの県予選決勝で右足の前十字じん帯を切ってしまい、1年くらいサッカーができませんでした。皆が頑張っているのだから自分も頑張らければと思いましたし、3年生になったらまた活躍したいと思ってやってきました。次からも一戦一戦しっかり戦って、今までやってきたことを全部出せるよう、悔いのない試合ができたらいいなと思います。
その他の試合結果
修徳高校(関東1/東京) 0-1 岡山県作陽高校(中国1/岡山)
大商学園高校(関西2/大阪) 3-0 鳴門渦潮高校(四国1/徳島)
第26回全日本高等学校女子サッカー選手権大会
開催期間:2017年12月30日(土)~2018年1月7日(日)
会場:三木総合防災公園(兵庫県三木市)、五色台運動公園(兵庫県洲本市)、いぶきの森球技場(兵庫県神戸市)、しあわせの村(兵庫県神戸市)、神戸総合運動公園(兵庫県神戸市)
大会情報はこちら