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高校女子日本一を懸けた戦いが開幕!作陽や星槎国際などが初戦を突破 第29回全日本高等学校女子サッカー選手権大会
2021年01月04日
第29回全日本高等学校女子サッカー選手権大会が1月3日(日)に開幕しました。大会初日には、1回戦16試合が行われました。
ピックアップマッチ1
常葉大学附属橘高校 1-1(前半1-0、後半0-1、PK3-4) 岡山県作陽高校
三木総合防災公園第2陸上競技場での第1試合では、常葉大学附属橘高校(東海1/静岡)と 岡山県作陽高校(中国1/岡山)が対戦しました。地域第1代表同士の激突は、互いに特徴を見せながら主導権を争う展開となりました。作陽は自在にポジションを変えながらボールを動かし、攻めの糸口を探ります。常葉大橘は連動する守備の網を敷き、ボールを奪えばスペースに素早く流れる1トップの榊原琴乃選手のキープや、名和真理奈選手らに落としての展開と、シンプルな攻めを見せます。すると12分、高い位置でボールを奪うと名和選手の目がとらえたのは30メートルほど先にあるゴール。最終ラインとともに高い位置を取る作陽GKの位置を見定めて放ったロングシュートは、きれいな弧を描いて先制点となりました。
後半に入り、攻防の構図はより明確になっていきました。選手の配置を変えながら、作陽は前にかける圧力を強めていきます。常葉大橘は自陣に封じ込められる時間が長くなるものの要所を押さえ、逆にカウンターでシュートに持ち込んでいました。時計の針が進むにつれて、作陽はミドルシュートも果敢に放つなど、ゴールへの意識をさらに強めていきます。終盤には連続CKやゴール右からのFKなど、GKも攻め上がって勝利を追い続けました。すると80分、その思いが実ります。左サイドからの攻撃で連続してシュートを放つと、最後は最終ラインから攻め上がっていた森宙舞選手が同点ゴールを押し込み土壇場で同点に追いつきます。作陽の気迫はPK戦でも上回り、2回戦進出をつかみ取りました。
ピックアップマッチ2
星槎国際高校湘南 2-0(前半0-0、後半2-0)大阪桐蔭高校
みきぼうパークひょうご第2球技場での第2試合では、2大会前の女王である星槎国際高校湘南(関東4/神奈川)と、4大会ぶり出場の大阪桐蔭高校(関西3/大阪)が対戦しました。星槎は2大会前の決勝にも交代で出場していた松尾美月選手の突破などで、力強く大阪桐蔭のゴールを目指しました。大阪桐蔭は素早い攻守の切り替えで、これに対抗。前田美海選手のドリブルなど、速い攻撃に活路を求めます。序盤から互いにゴールに迫っていたものの、共に前半はシュート2本に終わりました。
後半に入り、大阪桐蔭はスローインからつないで瀧口愛梨選手が枠内にシュートを飛ばしましたが、ここは星槎DFの体を張ったブロックに防がれます。ウィングが左右で高く張り、中央に空けたスペースを引き気味のセンターFWらが生かす星槎も、うまく中央を活用してシュートに持ち込んでいました。それでも試合は動かず、PK戦も見えてきた残り2分で試合は動きました。ゴール前に人数をかけた右サイドからの星槎の攻撃で、最後は長山萌花選手が押し込んでついに均衡を破ると、さらにその4分後、右CKを森美礼亜選手がきれいに頭で合わせて追加点。終盤に力を発揮した星槎が、2回戦進出を果たしました。
監督コメント
池田浩子 監督(岡山県作陽高校)
畳みかけるつもりでいた後半に、パワーがある選手を前線に送り、両サイドにも起点をつくりました。相手にとっては耐えるのがしんどい攻撃だったのではないかと思います。ラスト10分で2次、3次攻撃と畳みかけ、決め切れたからこそ手にできた結果です。例年、最後の大会になるので気持ちは高まっていると思いますが、サッカーができることへの感謝の思いは普段以上に強く出てきたと感じます。それに、これだけ良いチームに勝たせていただいたのだし、さらに勝っていかないといけないと思います。
半田悦子 監督(常葉大学附属橘高校)
良いゲームができていて勝っていたのに、采配ミスというか、最後にこうなってしまい、本当に申し訳ないです。相手のプレーに対する守備の仕方は練習していたし、前半はこちらのペースだったと思います。ゴール前での体の当て方なども良かったのですが、最後の集中力の問題というか、これが全国大会だと感じます。今年度はコロナ禍に見舞われたので、自分たちがかからないようにしつつ、大会が開催されるのか、すごく心配していました。負けてしまいましたが、試合をさせてもらったことにすごく感謝しています。
柄澤俊介 監督(星槎国際高校湘南)
苦しみましたが、実力通りの内容だったと思います。ピッチコンディションも技術的なミスが出る要因になったとは思いますが、それでもいかに改善して良いゲームにするかというメンタル的なタフさも必要です。何となくやって、何となく終わるという試合もあったので、選手たちにはもう少し意識を高めてもらいたいです。今日は60点くらいの出来でしたが、2大会前に優勝した時も、最初はあまり良い試合ができなかったものの、少しずつチームの状況とコンディションが良くなっていきました。明日は今日よりも良いゲームをしたいです。
安田真季 監督(大阪桐蔭高校)
変則的な攻撃システムに対してうまく守備にはめ込んで、相手が嫌がっていた部分もありました。内容的にはまったく悪くなかったと思います。あとはチャンスで決めていれば、また違うゲームになったかもしれません。年間通して得点力は課題でしたが、試合後の選手たちは泣いてはいたものの、後悔なくやり切った感じがありました。そういう意味では、よく頑張ったと思います。キャプテンも最後まで声を出して、先陣を切って守備で頑張ってくれたし、何度もゴール前に走る選手もいました。そういう3年生主体でやってきた成果として、ここに来られたと思います。大阪を勝ち抜くのも大変ですが、今回は試合に出た1、2年生も多いので、また頑張ってやっていきます。
第29回全日本高等学校女子サッカー選手権大会
大会期間:2021年1月3日(日)~2021年1月10日(日)
大会会場:三木総合防災公園(兵庫県三木市)、五色台運動公園(兵庫県洲本市)、いぶきの森球技場(兵庫県神戸市)、ノエビアスタジアム神戸(兵庫県神戸市)
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