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【最後の青春ドラマ】高校の強豪校との対戦、ポジション変更で大きく飛躍~JFA 全日本U-18女子選手権大会・清水梨紗(日テレ・ベレーザ)中編
2020年01月02日
JFA 第23回全日本U-18 女子サッカー選手権大会 JOC ジュニアオリンピックカップが2020年1月3日(金)に開幕します。U-18年代の女子日本一を決する大会に出場した選手はどのような青春時代を過ごしてきたのか。ここではなでしこジャパン(日本女子代表)でも活躍する清水梨紗選手のアカデミー時代のストーリーをお届けします。
インタビュー前編 ~公園から始まったストーリー、幼少期に培われた天賦の才とは~ 清水梨紗選手(日テレ・ベレーザ)
攻撃的なポジションからサイドバックへコンバート
日テレ・メニーナに加入し、ハードトレーニングで持ち前の走力やスピードをさらに鍛えた清水梨紗は、2010年1月に行われた全日本女子ユース(U-18)サッカー選手権大会(現JFA 全日本 U-18 女子サッカー選手権大会 JOC ジュニアオリンピックカップ)の第13回大会に出場する。
現在は日本を代表する右サイドバックだが、中学1年時の清水はMF登録。小学生時代はFWだったが、この頃は主にサイドハーフで「とにかく走って、ただ頑張るだけの選手だった」という。また、U-18年代の大会だけあってレギュラーではなく、出場もグループステージの第1節と第3節で途中出場したのみにとどまった。そして、メニーナ自体も準決勝で常盤木学園高校に0-3と敗れてしまう。
「自分が出た試合のことは全く覚えていないんですけど、この試合のことはすごく記憶に残っています。常盤木には京川舞さんや仲田歩夢さん(ともに現INAC神戸レオネッサ)といったスター選手がいたんですけど、ベンチで見ていて『常盤木すごいなあ……』って思っていました。自分の中では、メニーナはいつも強くて主導権を握ることが多いチームだったのに、この結果になってしまって。『こんなに強いチームもあるんだ』と思った試合でした」
清水は中学1年から高校3年まで、全日本女子ユースに6年連続で出場することになるのだが、その間にメニーナが黒星を喫したのはこの1試合のみ。その後、清水も役割を変えてメニーナの主力へと成長していく。
中学2年の頃、清水は当時の寺谷真弓監督(現東京ヴェルディアカデミーダイレクター)によってサイドバックにコンバートされる。
「サイドバックは素人だったので、最初はつきっきりで指導していただきました。でも、自分の特徴であるスピードや持久力を生かしたいと思っていたので、それにぴったりのポジションだったし、サイドバックになって本当に良かったと思っています」
自信を深めて臨んだ常盤木学園との再戦
中学2年の頃になると、清水はサイドバックのレギュラーとして活躍していく。もちろん、そこには本人のたゆまぬ努力があった。
「小学6年までは遊び感覚でサッカーをしていた部分もあったんですけど、メニーナに入ると周りはうまい選手ばかりだったので、私自身もとにかく頑張っていました。練習は夕方からなので、学校が終わったと同時にダッシュで家に帰って、すぐにグラウンドに行っていました。放課後に友達と遊ぶような生活への憧れはありましたけど、本当にやりたいのはサッカーだったし、うまくいかない時も周りが支えてくれる環境だったので、そこの意志だけは強く保つことができましたね」
同期の籾木結花も「自分の道を行く人」と評する一本気な性格で、清水は新たなポジションを自分のものにしていった。
メニーナは全日本女子ユースの第14回大会、第15回大会でも常盤木学園と対峙した。第14回大会はグループステージで対戦して1-0の勝利。その後、チームは5年ぶりの優勝を飾っている。そして清水が3年時の第15回大会は、常盤木学園と決勝で相まみえることになった。2年前にベンチから見ていた京川や仲田は高校3年生。道上彩花(I神戸)も2年生ながら先発に名を連ねるタレント軍団だった。
「この試合では『常盤木ってこんなに強いんだ』って実感しながらプレーしていました。第13回の時も強かったんですけど、その時の印象よりも強かったです。試合ではだいぶ攻め込まれたと思います」
試合はスコアレスのまま延長戦に突入する激闘となり、106分に中里優(現日テレ・ベレーザ)が決勝点を奪ってメニーナが2連覇を飾った。「勝った時はめっちゃうれしかったです」。延長戦も含めて110分を走り抜いた清水にとっても、感慨深いタイトルだった。
インタビュー後編 ~チャレンジャーでありながら「違いを見せる」ために~ 清水梨紗選手(日テレ・ベレーザ)
大会期間:2020年1月3日(金)~2020年1月7日(火)
大会会場:大阪府/J-GREEN堺
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