JFA 第25回全日本U-15女子サッカー選手権大会は12月28日(月)に大会最終日を行い、JFAアカデミー福島（東海1／静岡）が、2年ぶり3度目の優勝を飾りました。

大会連覇を狙う浦和レッドダイヤモンズレディースジュニアユース（関東2／埼玉）は守備組織を整えて慎重に試合に入りました。相手のボールを奪うと、素早く前線へとパスを送り、前原嘉乃選手ら前線の選手を走らせました。対する福島は、浦和の高い最終ラインの裏へのロングパスを狙います。17分にはDF長田莉奈選手からのパスが木村未来選手に通りますが、この1対1の場面では浦和のGK杉本唯選手が体を張ってシュートを弾きます。杉本選手はその4分後にも鋭い飛び出しで相手の攻撃を防ぐなど、存在感を示しました。

後半は両チームとも交代選手を送り出し、こう着状態を打開しようと試みます。互いにドリブル突破を図るプレーも増えるなど、流れを変えようとする姿勢が見えました。浦和は交代で入った藤崎智子選手が仕掛けて奪ったCKで、岡村來佳選手がうまく頭で合わせますが、これはGKの正面を突きました。対する福島は、攻撃の組み立てにも積極的に加わる谷川萌々子選手と木村未来選手の今大会計11得点の2トップが幅広く動きつつ周囲と連係し、ゴールへの道筋を探りました。互いにシュートの場面は増えたものの、スコアは動かず延長戦へと突入しました。

浦和は延長戦でも複数の交代カードを切り、あくまでゴールを狙います。福島は延長後半にもう1人を代えただけでしたが、選手たちの足は最後まで止まりませんでした。結局試合が動くことはなく、勝敗はPK戦で決することとなりました。すると、止め切れなかったものの、それまで2本続けて相手のシュートコースを読んでいた福島のGK鹿島彩莉選手が、3本目でついにセーブに成功。キックは全員が決めることに成功し、福島がうれしい日本一に輝きました。

監督・選手コメント

金野結子 監督（JFAアカデミー福島）
厳しい試合になると思っていましたが、選手たちは最後まで本当に一生懸命ボールを追いかけてくれました。そういう気持ちが最終的に結果につながったと思います。疲労もかなりあったと思いますが、それぞれが持ち味を出そうとして頑張ってくれました。トレーニングしてきたことを試合でたくさん発揮できたことは成長の証ですし、私にも選手にとっても大きな自信につながります。3年生はユース年代で新しい戦いが始まります。1、2年生もまたチャンピオンになるという挑戦に向けて気を引き締めてやっていきたいと思います。

吉岡心 選手（JFAアカデミー福島）
優勝が決まる最後のPKを蹴るときには、3年間の成果を全てこのボールに込めようと思いました。なかなか点が入らなくて苦しい時間帯もありましたが、最後まで勝利を信じて走り続けることができました。チームの全員が一つになってこそ勝利をつかむことができると思うのでチームと仲間に感謝しています。全員が力を出し切れたと思いますし、できたこととできなかったことを分析して、次のステージにつなげられるように頑張りたいです。

百武江梨 監督（浦和レッドダイヤモンズレディースジュニアユース）
自分たちがボールを持っている時間帯は相手の守備も堅く、なかなかシュートに持ち込むことができませんでした。ゴール前がサッカーの最も難しいところなのですが、細かい部分の技術を上げて、相手に脅威となる攻撃ができるチームになっていきたいと思います。今年は公式戦が少なかったのですが、時間を大切にすることで試合を通じて成長してくれたと感じます。3年生は全員がユースに昇格して、大人のサッカーに近づいていきます。今日の悔しさを絶対に忘れず、次のステージでぜひ活躍してほしいと思います。

佐藤美海 選手（浦和レッドダイヤモンズレディースジュニアユース）
悔しいのですが、全員で全力のプレーをして終われたので、良かったとも思います。大会前はチームのまとまりを欠いていましたが、試合を重ねるにつれて団結力が増していったと感じます。JFAアカデミー福島は強かったです。個々の能力も高かったので、1対1の局面で競り勝つことに苦心しました。個人としては、浦和レッズレディースユースに昇格しても、試合に出て活躍したいと思います。そして、ユースでも全国大会で優勝できるように頑張りたいです。

大会期間：2020年12月12日(土)～12月28日(月)

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