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鹿島、G大阪、初勝利で突破に望み ~AFCチャンピオンズリーグ第4節1日目~
2015年04月08日
AFCチャンピオンズリーグ2015グループステージ第4節が4月7日に行われ、鹿島アントラーズ、ガンバ大阪がそれぞれ初勝利を挙げて、ラウンド16進出に望みをつなぎました。
鹿島はホームにグループH首位で中国スーパーリーグ4連覇中の広州恒大(中国)を迎えて対戦し、途中出場のFW高崎寛之選手が後半アディショナルタイムに決勝弾を決めて2-1で勝利しました。
この結果、恒大は勝点9のまま、同組のもう一方の試合でウェスタン・シドニー・ワンダラーズ(オーストラリア)とFCソウル(韓国)が1-1で引き分けて、ともに勝点5で並び、鹿島が勝点3で続いています。
冬の雨を思わせる天候の中、勝たなければ大会敗退の危険もあった鹿島は、立ち上がりから高い集中力と積極的な攻撃をしかけ、前半18分にMF遠藤康選手のシュート性の当たりが相手DFのハンドとなり、PKのチャンスを得ます。これを遠藤選手自身が決めて、鹿島が先制しました。
ここまで3連勝で勝てばノックアウトステージ進出が決まる恒大は、リカルド・グラル選手とエウケソン選手の2人のブラジル人FWとMF黄博文(ファン・ボーウェン)選手、FW郜林(ガオ・リン)選手を中心に攻め、36分にエウケソン選手のFKでゴールを狙いますが、これはGK曽ヶ端準選手が阻止しました。
前半を1-0で折り返した鹿島は、51分にMF梅鉢貴秀選手のシュートの跳ね返りをMF土居聖真が押し込んでゴールネットを揺らしますが、これはオフサイドになります。
その後、鹿島は反撃に出た恒大に押される場面を作られます。そして75分、FKからパスを得た郜選手の左サイドからのクロスに、エウケソン選手がゴール前で右足で合わせて同点にしました。
勝利が欲しい鹿島はその2分後に高崎選手を投入。さらに、82分にはMF中村允孝選手とMF青木剛選手を送り出します。そして後半アディショナルタイム3分、MF柴崎岳選手のFKに、ゴール前で高崎選手が頭で合わせて勝ち越し、グループステージ突破へ望みをつなげました。
G大阪も初勝利
一方、ガンバはアウェイで、グループF首位でタイ・プレミアリーグ王者のブリーラム・ユナイテッドと対戦し、後半途中出場の大森晃太郎選手が後半42分に決勝点を決めて2-1で競り勝ちました。
負ければ大会敗退の可能性もあったガンバですが、この勝利で1勝1分け2敗で勝点4とし、この日0-0で城南FC(韓国)と引き分けた広州富力(中国)と勝点で並び、ともに勝点7で並ぶ首位ブリーラムと城南との勝点差を縮めました。
タイで気温32℃の暑さの中での戦いとなったガンバは、前半9分に相手DFティーラトン・ブンンマッタン選手にFKを直接決められてリードを許し、苦しい展開になりましたが、41分にMF倉田秋選手からのパスをFWリンス選手が右足で流し込んで同点にします。
その3分後には右クロスにMF阿部浩之選手がゴール前で合わせて勝ち越しかと思われましたが、これはオフサイドで認められませんでした。
後半に入ってもブリーラムの攻勢に悩まされますが、ガンバは体を張ったプレーで対応。相手FWマセナ選手、FWジオゴ選手らに何度かゴールを脅かされますが、GK東口順昭選手がファインセーブを繰り返して、ガンバゴールを守ります。
ガンバの長谷川健太監督は61分にFW赤嶺真吾選手、78分に大森選手をベンチから送り込み、勝機を探ります。そして87分、FW宇佐美貴史選手のクロスをDF米倉恒貴選手が右サイドで折り返し、それを中央に走り込んだ大森選手が右足ダイレクトで相手ゴールに叩き込み、ガンバは貴重な勝点3を手にしました。
グループステージは残り2試合となり、次節4月21日に、鹿島はオーストラリアでウェスタン・シドニーと、ガンバは22日に中国で広州富力と対戦。ともに勝たなければならない試合が続きます。
監督・選手コメント
トニーニョ・セレーゾ 監督(鹿島アントラーズ)
蟻が象に勝ったという感じでしょうか。いえ、我々クラブの伝統である、最後まであきらめずに、自分たちを信じて戦い抜くことを選手たちがやってくれた結果です。努力が結果に結びつきましたが、恒大の選手の質が高かったので、より一層の努力が必要でしたし、両チームとも高いレベルのサッカーを見せたと思います。今日セットプレーで得点できたことも良かったです。前回アウェイでの対戦を含めて最近数試合はセットプレーで失点していたので、集中力や注意力、お互いに声を掛け合うことやポジショニングなど細かい部分での修正を明確にすることに取り組んできました。選手たちは意欲的に取り組んでいますし、今日セットで勝ち越しを決められたのも良かったです。今日の勝ちは大きいですがまだ何も決まっていません。一つずつ、しっかりと結果を出せるように取り組むことが大事です。選手たちは何かを成し遂げたいと強い思いを持っているので、その姿勢があれば良い成績が出せるようになりますし、続けていくことが大事になります。
FW 高崎寛之 選手(鹿島アントラーズ)
途中出場で1-1でしたし、今日勝たなければ後がなかったので、どうしても点がほしいと思っていました。時間もなかったので、ワンチャンスでゴールを決められてよかったです。(得点場面は)ずっとセットプレーの練習をしていて、柴崎選手からいいボールが来ました。次も勝たなければその次が無いので、一試合一試合がんばります。
MF 柴崎岳 選手(鹿島アントラーズ)
勝たなければACLが終わってしまう試合だったので、勝点3を獲れて良かったです。(決勝点になった)FKは遠目だったのですが、高崎選手がうまく合わせてくれてイメージ通りでした。セットからの得点が少なかったので、今日セットから点が獲れたのはチームとしても良かったです。守備の時間が多くて苦しかったのですが、失点しないことを一番に考えてプレーしました。これで(次へ)繋がったので、可能性を大事にしたいです。2勝すれば突破できるので、次のアウェイでもしっかり戦って勝ちたいです。
ファビオ・カンナバーロ 監督(広州恒大)
怪我人も多い中で難しい試合でした。前半PKで1点ビハインドになって苦しい展開になりました。2失点目は集中力が欠けていたと思います。(リーグ戦を含めて)ここ3試合で1分け2敗で、運のせいにはしたくありませんが、サッカーというのはシュート3本で3点決まる時もあれば4本打って1本しか決まらない時もあります。選手たちも焦ることなく、良い準備を続けていけば状況は改善できると思っています。今日は負けましたが、最終的には良い結果を得られると期待しています。